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十一章 夢の正体・・・

同年、十月二十四日。

白藤と一緒に一日遊び歩いた私はクタクタのままベッドに飛び込んだ。

「疲れた・・・」

グリードリヒは枕に顔を埋めながらそう言った。

「・・・今日は変な夢見たくないな・・・」

グリードリヒはそう言うと立ち上がって冷蔵庫に向かった。

「頼みますよ~」

グリードリヒは乳白色の液体が入った瓶に祈りながらそう言うと乳白色の液体を飲み干した。

私はベッドに入って気を失うように眠りについた。


「・・・」

グリードリヒは人影を見つめる。

いつも見る夢と似てる夢・・・でも、いつもと違う。

あの人影は見てもいい気がする。

私は人影に向かって歩みを進める。

「・・・」

私は人影の正体を知って息を呑んだ。

心臓が弾けてしまいそうなくらい大きく脈を打つ。

全身から嫌な汗が噴き出して止まらない。

「お、お前は・・・」

冷や汗を垂らすグリードリヒは声を震わせながらそう言った。

「・・・」

青眼、色が抜けた水色髪ロングヘア、白色の綺麗なワンピースを着た少女は振り向いてグリードリヒを見た。

「エクスカリナ・・・」

冷や汗を垂らすグリードリヒは震えた声でそう言いながら一歩下がる。

「下がるな」

青眼、色が抜けた水色髪ロングヘア、白色の綺麗なワンピースを着た少女、エクスカリナがそう言うとグリードリヒの足がピタッと止まった。

考えと行動が一致しない・・・強制的に止められたみたいに体が動かない。

恐怖心が抑えられない。頭がおかしくなりそうだ。

「君はどうやら神気が抜けにくい体質らしい。あの夢見神(ゆめみがみ)はその体質を利用して君を殺そうとしたようだ」

エクスカリナはグリードリヒを見てそう言った。

「・・・ゆ、ゆめみがみ?」

冷や汗をかいたグリードリヒはエクスカリナを見てそう言った。

「夢見神の名前はモニーク。金華(きんか)の眷属で剣神(けんしん)と呼ばれているらしい」

「モニーク・・・」

グリードリヒはそう呟くと静かに拳を握り込んだ。

「あいつは黄金の英雄を自認しながら神になることを喜び、神であることを誇り、人間を見下している」

エクスカリナは紫陽花を見てそう言った。

「あいつ以上に腹立たしい存在はいない・・・」

エクスカリナは赤色に変色する紫陽花(あじさい)を見てそう言った。

「・・・」

グリードリヒは赤色に変色した紫陽花を見て激しく動揺する。

「君、私と取引しないか?」

エクスカリナはグリードリヒを見てそう言った。

「取引・・・?」

グリードリヒはエクスカリナを見てそう言った。

「モニークが自認する黄金の英雄というのは私を唯一愛してくれた父が有していた名誉なんだ」

エクスカリナは紫陽花を摘んで立ち上がった。

「黄金の英雄である父は最期まで人間でいることを貫き、人であることを誇り、人間の素晴らしさを私に教えてくれた最も素晴らしい人間だ」

エクスカリナがそう言うと紫陽花の花弁が散った。

「その黄金の英雄が使っていた剣をモニークから奪い返して私に渡してくれ。渡してくれたら君たちに手を出さないと約束しよう」

エクスカリナはグリードリヒを見てそう言った。

「でも、渡す・・・って、お前、ここから出られるの?」

グリードリヒは冷や汗をかきながらそう言った。

「出られない」

「いや・・・出られはするのだが、出てしまえば今度こそ君たちが滅んでしまう」

エクスカリナは考えながらそう言った。

「じゃあ、どうやって渡せば・・・?」

「君は物体を自由自在に生み出したり消したりできるだろう?」

「うん、まぁ・・・」

「その力を使って取り込め。その数日後、私がもう一度この地に君を呼び寄せよう」

「・・・わかった。受けよう」

「取引成立だ」

エクスカリナはグリードリヒを見て笑みながらそう言った。

「勇気ある人間よ、これから君たちが経験するのは絶望の血戦だ」

エクスカリナがグリードリヒを見てそう言うと白い霧が発生し始めた。

「不屈の意思と高潔なる魂を見せつけ英雄となれ」

エクスカリナの声が遠ざかっていく。

「・・・」

グリードリヒは白い霧の中を舞い散る紫陽花を見る。


目が覚めたら自分の部屋に戻っていた。

布団にくるまって芋虫のようになったまま時計を見る。

時刻はもう午前六時二十八分だ。

もう起きよう。


次回

十二章 勇者石のネックレス

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