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ゲームの世界で(6)

『兄貴ー! へループ!』

「余計なことしないで大人しく待ってろ!」


 ちょっと上に飛んだだけでもうもうと立つ煙が目に入った。アイツどんだけ燃やしたんだ。


『んな事言われてもこのままじゃ燃える……あー!』


 ZZの悲鳴が通信越しに響いてくるが、そこそこの距離があるためたどり着くのにはもう少しかかる。


『兄貴ー! まだー!?」

「後二分程だ!」


 精々二十キロ程度、全速で行けばそれほどでもない。何せ煙が立ちまくっている。地平線の向こうからでも容易に判別可能だ。


「おし、見えた!」


 視界に森と、それを燃やす火が入る。……相当な範囲が燃えているが、アイツは何処に……あ、あれだ。

 少し見渡しただけで爆心地のようになっている箇所が目に入った。マジで何やったんだアイツ。


「来たぞー」

「兄貴ー!」


 跳びかかってきたZZを回避し、地面に降りる。そして頭から叩きつけられたZZをひっつかみ、再び飛び上がった。


「お前、どんな魔法使ったんだ? いくら何でもこんなことになるのは中々無いだろ」

「え、今取れる奴で一番威力の高い奴」


 ……アホかこいつは。


「今持ってるスキルポイント殆ど使ったし、魔法系の職業も取れるだけ取ったし……」

「お前馬鹿だろ」


 予想以上に間抜けだったなこいつ。金が有ったらあるだけ使うタイプだ。


「ってか職業? そんなのあるのか」

「あるぜー、兄貴も取れるんじゃねー? おれは全部やったからもう無理だけど」


 イカレた事を言うZZを無視し、ステータスの項目を確認する。

 ……現在のレベル分、職業を割り振る事が出来る。そして、一度割り振ると専用のアイテムを使わない限り変更不可、か。

 別に取って損をするものでもないようだ。それにしても全部魔術師系に振り切るのは救いようが無いが。


「ZZ、お前今レベル600とかだったよな」

「おう」


 600レベル全部魔術師に振って、持ってるスキルポイントで一番威力の高いのを取った……

 それでこれか。


「こういうのって特化した方がいいのか?」


 何でも出来るようにするのか、何かに特化してやるのか。

 一応特化した場合の実例は目の前にあるが……


「あ、これ種族によって取れない職業とかあるのか」

 

 サイボーグだと魔術師系の職業は全部駄目らしい。ZZの選んだ人間は、全ての職業が出来る種族と書いてある。

 ……これは色々難しいな。


「職業か、種族かで結構悩みそうだな、これ」


 こういうのの説明は無いのだろうか……いやあったな、よくわかんなかったから無視したけど。

 確か魔法が使えないとかの説明はあったはずだ。操作性に気を取られて見てなかった。


「えっと……完全に使用不可なのは生命系の魔法だけで……魔術師系の職業が取れないけど、魔法は使えるのか」


 改めて自分の種族について調べてみるが、色々と複雑だ。というか、人気が無い。その最大の理由はまともに動けない程の操作性の悪さらしいが……


「そんな違うのか、動かし方」


 生身だった頃の記憶がそれほどないのと、組み込まれたAIの補助で動かし方に疑問を持った事は無かったが……今の俺は、運用するのが難しい物を使いこなす熟練者になるのかもしれない。

 

「まあ何にせよ、何を取るかは考えておきたいな」


 取りあえずのんびり見て行こう。別に急ぐ理由も無いのだ。


「戦士系が体力、攻撃力に補正、魔術師が魔法攻撃力、魔力量に補正……」


 うーん数が多い。

 しかも大雑把に戦士系や魔術師系に分けられてはいるが、実際はその中に無数の職業が含まれている。

 例えば、通常の戦士に、必要レベルが多いがステータス補正も大きい上級戦士、攻撃力の代わりに器用さに補正の入る侍、体力に大きな補正のかかる重装騎士……戦士系だけでもこれに数十倍する数の職業がひしめいている。

 おまけに、職業ごとに上限レベルが存在している。戦士はレベルまでだが上級戦士は五十、中には百まで設定可能な職業まで。


「……これ、どうやって決めようかな」


 何にもなしからだとかなり難しい。せめて何か参考になる物は……


「ZZ、お前どんな感じの職業採った?」

「え? 魔術師十攻撃魔術師五十炎魔術師十火炎魔術師五十煉獄魔術師百……」

「もういい、わかった、参考にならん」

「えー」


 こいつも素人な上に特化しすぎている。他に参考になる物は無いのか?


職業(ジョブ)構成を使用率順に表示しますか?』


 参考が出てきた。

 と言うかナチュラルに突っ込んできたな、この表示。まあ、当然表示だ。後できれば今の種族での人気構成も見て起きたい。


『了解いたしました。ジョブ構成ランキングを表示いたします』


 

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