僕は可愛い!
可愛い男の娘を書きたい予定だったんです……
可愛いものが好き!
フリルもリボンもぬいぐるみも!
だってみんな〝 ボク〟に似合うから☆
「ボクってば今日も最高に可愛い〜♡」
鏡に映る完璧に可愛い自分を見つめて 華山 貴之は越に浸る。
大きなクリクリの瞳はキラキラしていて、くるっとフサフサのまつ毛が囲む。
ぷるんとした桜色の唇は可愛いアヒル口
サラサラの黒髪はふわふわ短めのショートボブ
学校指定のスラックスとワイシャツ〝 学ラン〟を羽織
可愛いくまさんのキーホルダーの着いたスクールカバンを担ぐと1階から声が聞こえる
「貴之〜!あんたいつまで支度してるの?ご飯冷めちゃうし学校の遅れるわよ〜!!」
「もー!ママ!ちゃんとユキって呼んでよ!今行くよ〜」
「なーにがユキよ!あんたは貴之!男の子でしょ!」
ちょこちょこと階段を降りながらぷすーと可愛くほっぺを膨らます。
「男の子じゃありません〜!僕は〜男の娘だもん☆」
「なーに言ってんのあんた?早くご飯食べないと、空手部遅れるわよ」
覚めた目で見つめる母親に
可愛くむーっと抗議するが、母は素知らぬ顔で台所に向かってしまう。
「あー!ママ!朝から納豆はやめてって言ったじゃん!男の娘はこんなの食べないよ!朝はパンケーキとミルクティー!」
「そんな甘ったるい物じゃ腹は膨れない、まぁ体脂肪的な意味では膨れそうだけど?…いいからとっとと食べなさい。」
「むすー!」
文句を言いつつご飯に味噌汁、卵焼きに納豆を貪る。
美味しい。普通に貴之は朝は和食派なので言ってるだけである。
ご飯の後はしっかり歯磨きとブレスケアを食べて学校へと出かける。
「行ってきま〜☆」
「はいはい、行ってらっしゃい。」
母親は昔から可愛かったけど、どうしてこうなってしまったのか…まぁ本人が楽しいなら良いか。と思いながら見送った。
―――僕の名前は華山ユキ☆
(突然始まるプロローグ)
可愛い可愛い、男の娘♡
その辺の女の子より可愛いんだから☆
好きな物は納と……パンケーキと生クリーム☆
好きなの可愛い小物☆
キラキラ可愛いせーしゅんを送るんだ☆
ほら、あの曲がり角を曲がったら!
パンをくわえた可愛い女の子とぶつかって恋とか始まっちゃうかも☆
電信柱を曲がった瞬間
落ちた―――
真っ黒で深い穴に
「はっ?」
そのまま深い闇に飲まれていく貴之。
「ぎゃぁぁぁぁあ!!!」
果たしてどうなるのか?
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