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30話 飛行魔法

背中に翼……………

ファンタジーの定番の一つですよね。

魔法で再現してもいいじゃないですか。

『聖女の息吹』


マロンが、ミラ除く勇者パーティーに回復魔法を掛ける。


「全く、だらしないんじゃないですか?貴方達は勇者パーティーですよね?」


「いや、四天王を斬り捨てる聖女の方が異常だからな?」


回復したレオンは、本来戦闘職じゃない聖女が、四天王を斬り捨てる状況を目の辺りにし、苦言をするのだ。

ミラに関しては、現状臨時だがファミリエと同行してもらう事になっているので、先ほどの四天王との対峙にも参戦していなかった。

ただ、いつでも参戦出来る準備は進めており、勇者パーティーの後ろに構えて待機をしていた。


「さてと、馬も駄目になったし、馬車はここに乗り捨てるしかないか。ここからは徒歩になるのか?」


「レオン、エンデシアまではあとどのぐらいかかりますか?」


「そうだな、馬車でもまだ3日ほどだから、徒歩となると約3倍の9日ていどだろうな」


「それはちょっと面倒だな。仕方ない、空路で行くとするか」


「それはさっきマロンが飛んだようにか?」


「ああ、俺の札があれば誰でも飛行の魔法が使えるからな。速度は馬車の5倍は出せるから、早ければ今日中には着くと思うぞ」


「あのー、そんなに早く行けるのでしたら、なんで初めからそれで行かないのです?」


ミラが飛行魔法を目のあたりにし、疑問を投げかける。


「いや、俺たちだけなら飛行魔法でも良いが、お前たちの馬車なんて運べないからな。それに、元々そこまで急いでる訳でもないから馬車で移動していたんだぞ。ただ、あと9日も歩くのは面倒だ」


「はあ、そうなのですね。というか、エルク様は当たり前のように飛行魔法も使えるのですね」


「使えるというか作るというか。まあ、便利だよな、空を飛べるって」


「そのままの姿での飛行魔法なんて、世界中でエルク様にしか使えません。前に私も創ろうとしましたが、そのままの姿では飛行は出来ませんでした」


「そのままの姿では?何か方法はあるのか?」


「一応、私も飛行魔法は使えます。見てみますか?」


「そうだな、気になるから見せてくれないか?」


「わかりました。『トランス』『飛行補助』」


ミラがそう唱えると、ミラノ背中に漆黒の翼が現れ、その翼を羽ばたかせながら空へと飛行していった。

俺の飛行魔法は単純に浮遊し移動する魔法だが、ミラのは翼で羽ばたき飛行している。

翼で羽ばたいている為、一か所に留まるのは難しいようで、常に移動が必要みたいだ。


「これが私なりの飛行魔法です。エルク様の魔法のように浮いた状態では止まっていられません」


「いや、凄いな。その翼もカッコいいぞ」


「え?本当ですか?ありがとうございます。嬉しいです」


ミラは普段褒められていないのか、頬を紅くしながらお礼を言っている。


「ミラさん、その魔法素敵ですね。エルクの飛行魔法も良いですが、翼が生えるのもカッコいいです」

「うん、私もカッコいいと思う。カッコいいお姉さん」

「僕もその翼好きだよ。それって他人にも出来るの?」


「はえ?あっ、はい誰にでも付与は出来ますよ。皆さんもやってみますか?」


「「「やる!」」」


ファミリエ女性陣が揃って翼での飛行がご所望で、ミラが全員に付与をすることになった。


「では行きますね。『トランス』『飛行補助』」


ミラが唱えると、マロンには白の翼、レンゲには紅い翼、リナには蒼い翼が現れた。

どうやら、翼の色は個人個人で違うようで、色は任意では変更出来ないようだ。

試しに俺にも付与をしてもらうと、紙で出来た翼が生えた。

うん、なんか俺だけ残念だな…。


「マロンはまるで天使だな。頭の上に光輪でもあったら完璧だな」


「つけましょうか?『トランス』」


ミラが今度はマロンの頭に光輪を付けた。


「私のトランスは身体や衣類等の一部を変更してます。翼は衣類を使って、光輪は髪の毛を少し使いました」


「そんな魔法初めて聞いたな」


「それは当然ですよエルク様。トランスも飛行補助も私が創ったオリジナル魔法ですから」


「さっきも気になったが、魔法って覚えるもんだよな?作るってどういう事だ?」


「私のスキルで魔法クリエイトってあるのですが、私が想像出来る範囲であればどんな魔法も創る事が出来るんです」


「魔法を新たに創り出せるって、ミラも大概変人だな」


「エルク様、変人なんて酷いです!私は普通の女の子です!」


「いや、英雄職ってだけで普通じゃないからな。普通の人間からしたら異常者だからな」


「変人に異常者って…」


ミラが目に見えて落ち込んでいる。


「大丈夫だぞ、ファミリエは全員変態集団だからな。それに魔法クリエイトも結構なチートだと思うからな。俺とかリナの補助があれば、さらに威力の高い魔法にもなるしな」


「はい。皆様に置いて行かれないように頑張ります…」


まだまだ落ち込んだ様子だが、握りこぶしを作り何かを決意した顔になっていた。

読んで頂きありがとうございます。

拙い文章ですが見て頂ける事に感謝です。

もし、少しでも楽しいと思っていただけましたら、ブクマ・評価をお願いします。

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