13話 レンゲも強くなりました
健気な子が強くなるのは良いですよね。
こんな妹が欲しかった…
旅も順調に進み、あと少しでセイレーンに着く所まで来ていた。
レンゲのレベルも順調にあがり、今では15にまで上がっていた。
セイレーンまでは、基本的にはレンゲのレベル上げをすることにしていたので、一旦俺のレベル上げは保留中だ。
「あれはBランクモンスターですね。エルク、レンゲにバフ効果の札使いましょう」
「ああ、そうだな。今まではCランクモンスターしか出てこなかったから、自力でやってこれたが、レベル15でBランクは流石に厳しいからな」
「エルクお兄ちゃん、バフ効果って何ですか?」
「とりあえず、これ破ってみてくれ。その後はそこにいるスライムナイトをいつも通りに一突きで倒してみてくれ」
「?分かりました。それでは」
そう言って紙を破り、一旦目を閉じ呼吸をしたら、目を開け一気にモンスターに詰め寄り、正拳突きをいれる。
スライムナイトは、その一撃で、跡形も無く消え去った。
《レベルが上がりました》
「レベル上がったみたい、ステータスオープン」
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名前:レンゲ
Lv:17
職業:拳聖
HP:8000/800(8000)
MP:0/0
腕力:2025(20250)
魔力:0
防御:785(7850)
俊敏:825(8250)
(バフ補正値:残り28:15)
スキル:剛腕
スキル:貫通ダメージ
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「腕力が、素で2000超えたか。そう言えば、聖女のマロンのステータスと勇者のステータスって、総合的には同程度なのか?」
「いいえ、ステータスだけなら勇者の方が上ですよ。聖女はあくまで補助的な役割が大きく、勇者はアタッカーですので、ステータス面では大きく差があります」
「そうか、マロンと同程度なら、バフつければ既にレンゲの方が上かと思ったが、流石にまだか」
「いえ、バフ効果があれば、レンゲちゃんの方が上ですよ。高いと言っても腕力10000ですよ、あのアホ勇者は。というか、勇者のステータスは非常にすっきりしていて、オール1万です」
「あのーマロンお姉ちゃん、エルクお兄ちゃん、バフ効果って何?」
「あー、説明がまだだったな。さっき破った紙があっただろ。あれが能力上昇札ってやつで、俺のスキルで作った紙なんだ。あの紙破るだけで、30分間全ステータスが10倍になるんだ。だから、今のレンゲは勇者以上の腕力になっているんだ」
「えっと、エルクお兄ちゃん凄いです」
「いや、一般職で2000のステータスになるのはレベル70超えたぐらいからだから、それだけ英雄職が凄いって事だぞ。レンゲがレベル99になって、俺のバフ使えば、ソロで魔王も倒せるからな」
「そうなんですか。じゃあ私がエルクお兄ちゃんもマロンお姉ちゃんも絶対守れるぐらい強くなりますね。でも失敗とかもしちゃうと思うので、その時は守ってくださいね」
「ああ、どんだけ失敗しても、絶対に守ってやるからな」
レンゲは満面の笑みを浮かべ、俺と手を繋ぎ歩き始めた。
少し進むと、今度はAランクモンスターのメタルキングか現れた。
メタルキングは特殊な皮膚をしており、どんな物理攻撃も魔法攻撃も被ダメが1にしかならない。
HPは50と高くないが、最低でも50回の攻撃を当てる必要がある。
「エルクお兄ちゃん、マロンお姉ちゃん、私一人でやってもいいかな?」
「ああ、任せたぞ」
「頑張って、レンゲちゃん」
レンゲはいつも通り、一旦目を閉じ呼吸をし、その後相手との距離を詰めて一撃入れたと思ったら、一瞬にしてメタルキングは消滅した。
本来50回の攻撃が必要な所、たったの一回で消滅させてしまったのだ。
「どうやったんだ、レンゲ?」
「何で一撃なんですか?」
「えっと、多分新しく増えたスキルだと思うの。貫通ダメージってあったので、相手の防御力とか、それに近しい効果を無効化させるんだと思うの」
「それは凄いな。正直メタルキングとか被ダメ制限があるモンスターは倒すのに時間もかかり、面倒だったんだよな」
「レンゲちゃん、凄いです。もお立派に守られるだけの子じゃないですね」
「えへへ」と照れ笑いしながら、頬を紅くしていた。
読んで頂きありがとうございます。
拙い文章ですが見て頂ける事に感謝です。
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