第8章 『第二次社内大戦』編
取り急ぎ、第8章を投稿いたします。
スキー場に行った翌日、無事に帰宅し、
その翌日出社して、八十子に、紀子と一緒に三人で浜松行こうと言った、そんな紋子のフラストレーションは極限に近くになっていた。
紀子は八十子にでもなったかのように気が気でない。
気を紛らわすように、紋子は、『お茶室』に課長用のお茶を出しに行き、
挙句の果てには、自分が出した課長席のお茶の湯気を見ながらボーっとして気を紛らわし始めた。
すると、よその課の男は男でも、年配の役職者が、課に来訪してきた。
紀子(うわ…最悪…。)
紀子の嫌な予感と同時に、八十子もそれに気づき、表情が引き締まる。
紀子(しゃ…シャレにならん…。)
その年配の役職者は、何を言うでもなく何をするでもなく、ただただ立っているかのようだった。
役職者が一度咳払いをした。
紋子がそれに気づき、ボーっとした表情で、課長の席から、湯飲みをさげて、『お茶室』に持っていこうとした。
紀子がその姿を見守る。
すると、その役職者が、八十子の近くに来て、再び咳払いをした。
それに合わせるかのように、紋子は「うわぁ!びっくりしたー!」と言い、左手で持っていた湯飲みを思いっきりその役職者の方にかけるしぐさをした。
お茶が思いっきり、その役職者のスーツにかかった。
紀子が『ちょっとこれ勘弁して!』と、助けを求めるかのようにテレビの方を見ると、
時を同じくして、安倍晋三内閣総理大臣(当時)の横に野党が詰め寄っている。
安倍晋三内閣総理大臣(当時)はその様子を驚いたように見ている。
紀子「…な、なるほど…。」
紋子「ああ、すみません。」
役職者「ちょっ、気を付けてよー。」
紋子は『キッ!』とにらむと、『お茶室』へと再び向かっていった。
他の部署の視線を感じ、役職者は言った。
役職者「課長は?いるの?」
紀子「ちょっと、多忙なんで…。」
役職者「そう。」
役職者は誰を叱責するでもなく、ただただ去って行った。
紀子が気を紛らわしたいあまりテレビの方を見ると、テレビでは、【審議中】のテロップが流れている。
紀子は、リモコンをテレビ画面に向けて投げそうになった。
引き続き、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。