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「魔力でもないとやってられない!」  作者: さやそばらすか(第25章より『ことそばらすか』)
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第6章 『第一次社内大戦』編

取り急ぎ第6章を投稿します。

次の日の朝、紀子と紋子がその広場を通ると、後ろから、『鳩』が紀子と紋子の前へと飛び去って行った。



紀子「…今日も、八十子、いそうだね。」


紋子「うん…休暇…じゃないみたいだね…。」


会社に着くと、八十子はいつも通り、パソコンの前にすでに座っていた。


八十子「あ!先輩!おはようございます!」


紀子「おはよう…昨日は、大変だったね…。」


八十子「先輩こそ。『コート』大丈夫でしたか?」


紀子「うん、大丈夫。ありがとねー。」


八十子「いえ。」


その日は、紀子と紋子はただひたすらに黙々と作業をしていた。


八十子は、先日紹介された花依子(派遣)が来ると、課長と一緒に業務説明をしていた。


朝礼が終わり、八十子と課長、花依子は、会議室に向かっていった。


すると、課外の男たちが八十子の席にやってくる。手には、A4の紙。


紋子の怒りゲージがたまる。


八十子たち三人が戻ってくると、一人の男が八十子に声をかけた。


男「あー、八十子さん。」


八十子「はい。」


男「ちょっと、これこれ…。」



紋子の怒りゲージが更に高まる。どう聞いてもくだらない指摘をつらつらと言い続けている。



テレビの中で、安倍晋三内閣総理大臣(当時)が答弁していた。



安倍晋三「もうちょっとねー、実りある議論をしようじゃありませんか。さっきからおんなじ質問ばかりで、到底実りある議論とはいいがたいと思うんですが…。」



紋子が机を『バン!』とたたいた。



男のうちの一人が、ビクッとなって絢子の方を見た。



紋子がツカツカと男たちの方に歩み寄っていく。



紀子「ちょっと紋子…。」



紋子「ちょっと、八十子には八十子の仕事があるんで、戻ってもらっていいですか?」



男「いや、こっちも大事な仕事なんですけど…。」



課長が心配そうに見ている。



男「ねえ、八十子さん。」



八十子に尋ねる。



八十子「…まぁ…。」



八十子がそう答えるのを見て、紋子は天を仰ぎながら言った。



紋子「あー…『聖徳太子』様ー。私には何もくれなかったのかなぁ。」



紋子はそう言うと、笑いながら紀子の方を見た。



紀子も苦笑いを浮かべる。



すると、テレビで安倍晋三内閣総理大臣(当時)が答弁をしている。



安倍晋三「いや、それはいろいろあるじゃないですかー!」



紋子は『キッ!』と殺気立ち、次の瞬間。



身体を左にひねりながら左脚を自分の左側に移して体重を乗せ、



重心を左から右へと移しながら、右脚を高く上げ、身体の左から右へと、男の顔面を蹴り飛ばした。



ヒールの部分がコメカミに横向きに直撃した。



紋子「あっ…。」



テレビで、安倍晋三内閣総理大臣(当時)が答弁をしている。



安倍晋三「いやいや、そういう問題じゃないでしょう!」



紋子が左手で机を『バン!』とたたいた。



男が起き上がると、「てめぇ!」といいながら、右手で殴り掛かってきた。



他の男が「おいおいおいおい」と止めようとしたが間に合いそうにない。



紋子は思わず、左脚を前に出して重心を前方にやり、腰を回転させながら、左肘から左手にかけての部分(前腕)を男の左ひじにはじくようにして勢いよく当てた。



男はものの見事に右に一回転半ほどすると、バランスを崩して倒れた。



紀子がテレビの方を見ると、安倍晋三内閣総理大臣(当時)が副総理の方をみて、失笑のようないつもの笑みを浮かべていた。



紀子は、紋子の方を向いた。



紋子「あ…。」


八十子「先輩…。」


紋子「先輩じゃぁ…ないかな?」


紀子「『天翔龍の閃き』?」


紋子「それも…ちがうかな?」



男たちと課長が歩み寄り、周りも少しした騒ぎになった。



しかし、紋子に武道の経験はなかった。



紋子は男の方に向かって、「すまん!」とだけ言い、席に戻った。



男は「うぉぉい!」と何事とも取れない言葉を発して去って行った。



課長が今度は、紋子に歩み寄る。


課長はビビっていた。


課長「紋子さん、大丈夫だった?」


課長「ていうか、凄いね…。」


紋子「ああ…ですね…。」


紋子も少しばかり緊張している。


しばらくすると、紋子は紀子と休憩に行った。周りの注目を集めながら。


紀子「武道の経験なんてあったっけ?」


紋子「いや、ない。怒りに任せた。」


紀子「…。」


ビビりながらもタイピングを続ける花依子を見て少し申し訳なさそうに、紋子は仕事を再開した。

今後とも、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。


随時、次話作成中です。

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