第5章 『♪カラスの勝手♪との戦い』編
取り急ぎ、第5章を投稿いたします。
第5章 『カラスとの戦い』編
その日、紀子と紋子は、半休を取得して帰った。
八十子も、『今日は、派遣の子が仕事内容説明を部長の方から聞かせるので、何なら半休取ってもいい。』と課長に言われ、紀子と紋子より少し後に帰り始めた。
八十子には、テレビのニュースが目に入った。
「『カラスの大群発生!』」
構わず、紀子と紋子のあとを追うように帰り支度をした。
紀子と紋子が会社を出て、しばらくすると、八十子が追い付いてきた。
八十子「先輩ー!」
紀子「あ、八十子…。」
紋子「(何で八十子まで…)やな予感…。」
追い付いた八十子を迎え、一緒に途中まで帰っていると、広場で目の前にカラスが大勢いた。
紀子「すげ…何この数…。」
紋子「やな予感的中のよk…。」
そう言おうとした瞬間、一部のカラスが紀子たちの方に気付いた。
そして、
「カー!カー!」と鳴きながら、空中浮遊を始めた。
紀子「キャーッ!」
紋子「キャーッ!カラスってこんな飛び方できたのー!?」
八十子は腰を抜かした。
10羽はいようかというカラスがなぜか、紀子たちの方を向いて空中浮遊をしている。
前方には、紀子と紋子、後方には腰を抜かしそうな八十子。
紀子は、『聖徳太子』のような形をした人の言葉を思い出し、コートを脱ぎ、鞭をしならせるようにカラスに向けて【波動】を飛ばした。
しかし、カラスの起こしている風圧にでも負けたかのように、【波動】は一気に及急上昇し、カラスには当たらない。
周りの人も、驚いているだけで誰も助けようとはしない。
紀子「ちょ、ちょっとー!」
紋子「紀子、早くやっつけてよー!」
紀子「そんなこと言われても。」
八十子「あわわわわわ…。」
紀子(「あわわわわわ」じゃねぇよ…。)
カラスは相変わらず、紀子と紋子の方を向いて空中浮遊をしている。
紀子「私何もしてません!何も悪いことしてません!!」
そういうと、カラスたちは上空の方に飛び去って行った。
紀子と紋子も、八十子と同じように腰を抜かした。
近くにいた女性が、ようやく三人の方に歩み寄った。
女性「大丈夫ですか?」
紋子「はい…ありがとうございます。」
紀子「明日も、会社に行きます。」
八十子「あわわわわわ…。」
紀子は再びイライラしながらも、立ち直るのにしばらくかかり、そばにあったベンチで、三人で座り込んでいた。
今後とも、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。