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「魔力でもないとやってられない!」  作者: さやそばらすか(第25章より『ことそばらすか』)
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第3章 『祭田 八十子』編

取り急ぎ、第3章を投稿いたします。

会社に着くと、「せんぱーい!」と響き渡るような声がした。



祭田まつりだ 八十子やとこだ。



紀子「あ、おはよう。」



紋子「おはよう、どうした?」



八十子「大丈夫でしたか?あれ。」



紋子「何が?」



八十子「SNSでー、こんなの見つけて。」



それは、まぎれもなく、紀子が『切り裂いた』木の画像だった。



八十子「これ、先輩たちの通勤ルートの道じゃないですか?」



紀子「そうだね…。」



八十子「大丈夫でしたか?」



八十子が心配そうな顔をして紀子の方を見る。



紀子「大丈夫…だったんじゃ…ないかな?」



八十子「よかったー。」



そう言いながら、三人は席に着いた。



その日は、テレビがつけられていた。



紀子たちの会社は、もはや士気が落ちすぎていて、テレビをつけていることもたまにあったのだ。



テレビは、申し訳なさそうに課長席の斜め後ろに天井から下げられている。



一つの事務室だが、計4つ導入しようという計画があり、あと一つ、既に向かい側の島々のエリアに配置されていた。



課長がいない中、八十子がせっせと忙しそうに、パソコンに向かって作業をしている。



それを見ると、紀子と紋子は不安になるものがあった。



紀子「何か今日…やな予感…。」



紋子「私も…全力で…。」



すると、その期待を裏切らないかのように、他の部署の男が、八十子のところに行った。



男「八十子さん、ここなんだけどさ、ここ、誤字ってる。」



八十子の書類にイチャモンを付けに来たのだ。



紀子(あーやっぱりまた始まった…。)



紋子(くっそめんどくせ…。)



テレビで、安倍晋三内閣総理大臣(当時)が国会答弁をしていた。



安倍晋三「その点に関しましては、大変、申し訳なく考えておる次第であります。」



八十子が何も言わず、机を『バン!』とたたいた。



八十子たちの課では時々見る光景だったので、もはや過剰反応する者もいない。



八十子が「ああ、もう!」と言いながら、タイピングの音をうならせるかのように仕事を再開した。



しばらくすると、安倍晋三内閣総理大臣(当時)が再び答弁をしている。



安倍晋三「だからー、先ほどから申し訳ないとお伝えしているじゃありませんかー。」



八十子が再び机を『バン!』とたたく。



紀子「…。」



紋子「八十子、『こういうとこ』、『シビア』だよねー…。」



紀子「分かるけど…。」



見ると、さっき八十子にいちゃもんつけていた男が他の男と話していた。



紀子「あー…ていうか、辞めようかなー、私。」



すると、八十子が紀子の方を見た。



テレビの音が聞こえる。



委員長「麻生(太郎)財務大臣ー(当時)」



八十子がテレビをにらみつけ、机を再び『バン!』とたたいた。



紋子「八十子…。」



紀子「こええよ。ホラーかよ…。」



八十子は再び黙々と、タイピングの音だけ鳴らしながら、仕事を再開していた。




その日は無事、定時に仕事を終わらせることができた。



テレビを切る直前には、『小泉進次郎環境大臣(当時)』が映っていた。



紀子「…。」



紋子「…『滝クリ』の旦那の顔なんて見せられても…ねぇ…。」



紀子「うん、疲れ、全然取れない…。」



そう言いながら、紀子と紋子は帰路についた。



八十子は、早めにあがったようだった。

まだまだ続きます。


完結は可能な限り速やかにするよう予定しております。

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