最終章 『突然来た最終章』編
取り急ぎ、最終章を投稿いたします。
その夢のあと、紋子はいつも通り目を覚ました。
出社しようと、紀子に連絡しようとしたあたりで、夢のことを思い出した。
しかし、紀子から何の返信もなく、出社前に紀子の部屋を訪ねてはみたが、鍵がかけられていた。
アパートの出入口には、謎の男と謎の女がいた。
紋子「…また。」
うんざりしながらアパートから出ると、謎の男と謎の女は、紋子の会社と同じ方向に歩き出した。
紋子はうんざりを隠せないまま歩いていると、謎の男と謎の女は、紋子の前を紋子たちの会社の方に歩いている。
紋子「…。」
夢のことを思い出しながら歩いていると、不安がよぎる。
通勤電車で、花依子と会った。謎の男と謎の女もいる。
結局、会社まで謎の男と謎の女は、紋子たちの前を歩いていた。
会社の入り口手前で紋子が謎の男の肩を後ろから掴んで言った。
紋子「何なのよ、あんた達!」
謎の男は紋子の手を振り払い、謎の女と共に、紋子たちの会社に入って行った。
紋子「はぁぁ!?」
花依子が紋子に一礼して、先に会社に駆けるようにして入って行った。
紋子も後から続き、仕事の支度を済ませて自席に向かうと、課のメンバーが引杉主任を除いて立っていた。
引杉の姿は見当たらなかった。
課長の横には『平花依子』がおり、その更に横には、謎の男と謎の女がいた。
紋子がツカツカと歩いていき、課長のそばにつめよると、課長が紋子を制止して話し始めた。
課長「突然だが、『平花依子』君は、今日付けでうちの会社を去ることになった。特に問題があったというわけではない。」
八十子がうつむいている。
平花依子「皆さん、短い間でしたがお世話になりました。」
課長「『平花依子』さんは、今日の終業を待たず、退社してもらうことになっている。」
平花依子「皆さん、お世話になりました。」
課長「じゃあ、平さん、後は、大丈夫かな?」
平花依子「はい。ありがとうございます。」
そういうと、何度か礼をしながら、平花依子は去って行った。
八十子も手を振って、頭を下げながら見送った。
『平花依子』と入れ替わるように、『引杉範人』が入ってきた。
紋子が自席に行っても他のメンバーは立っていた。
謎の男と謎の女は引き続き、課長の左隣に立っている。
『引杉範人』が机をごそごそし出すと、『祭田八十子』も自席の引き出しをごそごそとしだし、何かを取り出した。
課長は、机の上に置いていた。
そして、『引杉範人』が、机の中から『白旗』を取り出すと、『祭田八十子』も、『白旗』を机の中から取り出した。
課長も、机の上に、『白旗』を置いていた。
『引杉範人』が顔の右横にまで、『白旗』を持ち出してそれを振ると、『祭田八十子』もそれを倣って、『白旗』を振った。
課長も後に続いて『白旗』を振る。
謎の男と女も、後ろ側にいつの間にか持っていたらしい『白旗』を前に出し、それぞれ、顔の右横にやって『白旗』を振った。
その後、謎の男と謎の女は、誰から何を言われるでもなく、去って行った。
『北条紀子』は、そこから再び現れる事は無かった。
この物語は、これで終わる。
本作は、これで終えることといたします。ご愛読ありがとうございます。(適宜、賞応募などに用いる可能性がございます。)
ことそばらすか(旧名:さやそばらすか)




