表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「魔力でもないとやってられない!」  作者: さやそばらすか(第25章より『ことそばらすか』)
3/32

第2章 『魔法戦士 北条紀子』編

取り急ぎ第2章を投稿いたします。

その次の日は、雪が降っていた。紀子がコートを着て出ると、紋子も厚着を着て出てきた。


紀子「おっ、紋子。おはよー。」


紋子「おはよー。寒いねー。」


紀子「雪積もってるー。」


紋子「だねー。」


通勤途中、小学生の男の子が、何やら木の方を眺めていた。


男の子「あ、ねえ、おばさん!」


紀子「おばさんじゃねえよ。」


紋子「何かなー?」


紋子も、聞いていながら聞く気がなさそうだ。


男の子「あのボール取ってー。」


木の上には、野球ボールが引っ掛かっていた。


男の子「投げたら引っ掛かっちゃったの。」


紋子「やだよー。」


紀子「行こう?紋子」


すると、紀子と紋子は一斉に雪の上を滑ってしりもちをついた。


紋子「いったたたた!」


紀子「いったーい!」


上空には、先日見た、『聖徳太子』のような形〔なり〕をした男性に加えて、『卑弥呼』のような形〔なり〕をした女性が浮かんでいるように見えた。



紋子「ああ、私達、今日死ぬのかなあ…。」


紀子「…うん。かもしれないねー…。」


紀子「ボール、取ってあげようか?」


紋子「そうだね。」


紀子と紋子は起き上がると、小学生の方に戻った。


とはいえ、かなりの高さでジャンプしても届きそうにない。


紀子「うーん。どうしたもんかなぁ。」


紋子「うーん…。」


男の子「取れる?」


紀子「難し…そうだね…。」


紋子が少し視線をずらすと、『聖徳太子』のような形をした男性と、『卑弥呼』のような形をした女性がこっちを見ていた。


紋子「ねえ、紀子、あれ…。」


紀子が紋子の指さす方を見ると、二人の姿。


紀子「まだいらっしゃったかー…。」


紋子「どうせ、私達は今日死ぬんだし、『コート』、破れても良いんじゃない?」


紀子「…そう…みたいだねー…。」


男の子は聞こえていないようだ。


紀子はコートを脱ぐと、


紀子「はっ!」


と言い、木の上のボールに向かって、鞭をしならせるように、斜め上にしならせた。


すると、その『半楕円』の形を描いたコートから、『波動』のようなものが飛び出し、木の上部の幹ごと切り裂いた。


木の幹と共に、野球のボールが落ちてきた。


紀子「…なにこれ…。」


紋子「…さぁ…。」


男の子「すっげー!おばさんたち、すごいねー!」


紀子「いやぁ…。」


『聖徳太子』のようななりをした男性と、『卑弥呼』のような形をした女性がいた方を向くと、ふたりの姿はすでになかった。



男の子「すっげー!ありがとう!」


と、男の子はボールを拾うとそうお礼を言ってきた。


紀子「そういう、問題?」


紋子「なんじゃないかな?」



紀子と紋子はそそくさと、かがむようにしてその場を後にした。


今後とも、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ