第1章 『聖徳太子との出会い』編
この度はご覧いただきましてありがとうございます。取り急ぎ、第1章の投稿を致します。
北条 紀子は毎日のように、病的なまでの『多忙な』OL生活を送っていた。
その友人の一人が、北条紀子より少し後輩にあたる国富 紋子。
ある時、夜道を二人でグチグチ言いながら帰っていると、空から、聖徳太子のような形〔なり〕をした男が、降臨してきた。
聖徳太子「今日もお勤め、ご苦労様です。」
紀子「あ、どうも…ん?」
紋子「あ、どうも…え?」
前にも後ろにも、だれもいない。ふと、上を見上げると、聖徳太子のような形をした男性。
後光すらさしている。
紀子・紋子「と、徳高そー!!!」
聖徳太子「それはともかくも、今日もお勤め、ご苦労様です。」
紀子「どうも…。ありがとうございます。」
紋子「どうも…。ありがとうございます。」
聖徳太子「日々、危ない人生を歩んでいる、そんな『東京都』在住のあなた方に、素敵な『Present』でも差し上げようかと思い、このように、降臨いたしました。」
紀子・紋子「聖徳太子が喋るーーー!!」
聖徳太子(?)「私は断じて、聖徳太子ではありません。」
紀子「じゃ…じゃあ…誰?」
紋子「どちら様…ですか?」
聖徳太子(?)「それは内緒です。」
紀子・紋子「……。」
聖徳太子(?)「ところで、『Present』の話ですが…。」
紀子・紋子「あ…はぁ…。何でしょう。」
聖徳太子(?)「もう差し上げました。明日には分かるでしょう。」
紀子「え?」
紋子「?」
紀子「うちに、何か送り付けたとか?」
聖徳太子(?)「では、わたくしは、これにて…。」
そういうと、『聖徳太子』のような形をしたその者は、再び浮上し、夜空の中に消えていった。
紀子と紋子はその姿を〔なんなんだこれは…〕とばかりに見送った。
紀子「と…徳高ぇぇぇぇ…。」
紋子「怪しすぎる…宇宙人とか?」
紀子「『NASA』に連絡してみようか?」
紋子「え?『自衛隊』じゃなしに?」
すると、先ほどの男の声が聞こえた。
聖徳太子(?)『ちょっと、紋子さん。ここでそんな話はやめて下さいよ。』
紋子「私の名前知っとったー!!!」
聖徳太子(?)『…では…私は…これにて…。』
そういうと、『聖徳太子』のような形をした男の声は聞こえなくなった。
紀子「何だったんだろうねー」
紋子「うーん、分からん。」
紀子「帰ろっか?」
紋子「そうだね。」
こうして、紀子と紋子は同じアパートに帰っていった。
紀子「あー、疲れたー。」
紀子の部屋は、和室6畳のぼろアパート。
ゴキブリが出ないだけマシで、女物のそれなりのコートを給料で買うには、精いっぱいのアパートだった。
鍋やフライパンなどは、物持ちがいいのを生かして、大学時代から同じものを使っている。
紋子は下の階に住んでいる。特に示し合わせたわけではないのだが、いつの間にか一緒のアパートに住んでいた。
部所まで同じであるため、腐れ縁のように、時間が合うと必然的に一緒に通勤したりしている。
その日も、そんなこんなで、「疲れたー。」といいながら、紀子は眠りについたのであった。
今後とも、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。