表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「魔力でもないとやってられない!」  作者: さやそばらすか(第25章より『ことそばらすか』)
11/32

第10章 『〔聖徳太子〕と〔卑弥呼〕の警告 ~連綿と続かざるを得ないものを切断する恐怖~』編

取り急ぎ、第10章を投稿いたします。

「時代の危難を修羅と激情を以って 命を捨てて鎮めた所で


それは所詮 連綿と続く時代の 一時だけの事に過ぎない」


by 『比古清十郎』 マンガ『るろうに剣心 ~明治剣客浪漫譚~』より



そんなセリフが流れる夢を、奇遇にも、紀子と紋子が同時に見た。



その次の日、



紀子「おはよー」



紋子「おはよー」



メッセージアプリで連絡を取り、一緒に出勤することにした二人。



紀子「何か今日、物凄くしぶい夢見た。」



紋子「…私も…。」



紀子「マジで?」



紋子「うん。」



その日は、絢子、八十子、そして花依子の三人で半休を取り、ショッピングに行くことになった。



紋子「…初めて…だよね?こんなの…。」



八十子「何がですか?」



紋子「派遣の娘とかと、こうやっていくの。」



八十子「そうですねー。」



花依子が申し訳なさそうにしていると。



紋子「ああ、大丈夫大丈夫。八十子がいっつも助けられてるのを見せられてるからさ。」



八十子「そんなぁ…。」



花依子「いや、そんなことは…。」



三人は、カフェでお茶をすることにした。



紋子「花依子ちゃんはさぁ、いつから派遣とかしているの?」



花依子「もう始めて3年くらいにはなります。」



紋子「3年かぁ。長いねー。何社くらい行ったの?」



花依子「5社くらいだと思います。」



紋子「5社かー、言っても難しいんだろうねー、色んな会社に行くの。」



花依子「ええ、まぁ。時々難しい会社とかあります。」



紋子「だよねー。」



八十子「給料とかはどれくらいなんですか?」



花依子「交通費除いて、12万とかです。」



紋子「きっついねー…。」



花依子は黙ってうなずく。



しかし、よく見ると、値段が違うのか違わないのか分からないが、服もそんなに悪くない。



一人暮らししているというが、自分たちとそんなに服のよさとかが変わっている気がしない。



カフェでも、自分たちと同じものを何食わぬ顔で注文してくれた。



派遣社員だったら、ちょっと厳しい表情になってもおかしくない、そんな気が、紋子にはしていた。



隣を見ると、八十子が目を点にしてコーヒーを飲んでいる。



紋子(こいつ…。)



紋子はふと思った。



〔女が腐りそうな会社生活の中で、男社会が変わる気配なんてない…。〕



〔やるだけやって、考えるだけ考えて、プライドとかそういうのは、捨てた方がいいのかもしれない。〕



〔時代は『令和』になったのだ。〔女が腐りそうな会社生活〕が変わらないなんておかしい。〕



帰り道、三人で街を歩いていると、


前方に見えた大きな電光掲示板の画面で、


マスコミのインタビューに対して、眉を細めて答えに窮しているかのような、安倍晋三内閣総理大臣(当時)の姿があった。



紋子(あの人、総理大臣するの、二回目だよね?楽しいの?総理大臣って…。)



そう思いながら帰路についた。

続きます。


引き続き、ご愛読の程、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ