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7 ステータス999×0=0

ーなにこのステータス・・・。


俺はたくさん9と書かれている自分のギルドカードに目を疑った。

なんだこのカンストステータスは・・・まだ最初の町だろ。

あの女神とんでもないことをしてくれたんじゃないだろうか。

というかツッコミどころが多すぎて頭が痛くなってきた。


「吟遊詩人って・・・」


あの楽器を持って歌う戦闘向きではない職業だよな。それがステータスカンストってどういうことだろうか。

でも、これなら魔王さえも倒せるんじゃないだろうか。期待を込めた目でトウコお姉ちゃんを見ると

なぜか、なんと表現していいのか微妙な顔をしていた。


「これがユイナちゃんのステータス・・・吟遊詩人って初めて聞くクラスだね、すごくレアクラスなのかな?」


どうやら、この世界には吟遊詩人は存在しないらしい。確かに俺のプレイしてたゲームに吟遊詩人なんてクラスがあるのはほんの一握りだ。


「すごいステータスです・・・ユイナお姉さんっていったい何者なんですか!?」


アルルちゃんは興奮気味に目をキラキラさせながらこちらを見た。

ごめんなさい、そもそもこの世界の人間じゃないんですっ


「でも、これ・・・武器適正なしって、これじゃ戦えないよユイナちゃん・・・。」


ーえ・・・。


トウコお姉ちゃんが指さしたのは『装備可能武器 なし』という項目だった。


「え、攻撃力999でも戦えないの!?」


まじかよ、フルカンストしてるのに戦えないってどうゆうこと!?


「敵に与えるダメージとか受けるダメージってこの基本ステータスに武器や防具を装備して初めてダメージの増減として発動するんだよ」


要は・・・どんなに強くても装備できないなら0ってこと・・・?

俺は絶望に膝から崩れ落ちた。くそ・・・なんてことしてくれたんだ、あのツンツン女神!


「んーここまで特殊なパターンはお姉ちゃんも初めてみたな~・・・ステータスがホント世界最強レベルなのに・・・」

「うぅ・・・どうりでスライムにも勝てないわけだ・・・。」


チートなのに世界最弱って初めて聞いたよ・・・。


「そっか、だからスライムにばっかり狙われてたのね。スライムって魔力に引き寄せられる習性があるから・・・」


そうだよね・・・苦手なものって逆に好かれるパターン多いよね・・・。

今までで一番聞きたくなかったかもしれないや。


「と、とりあえずユイナちゃんに装備できるもの買いにいきましょう!」

「わ、私も付き合いますっ!」


俺が気落ちしてるのを察してくれたお姉ちゃんが慌てたようにまた俺のギルドカードを指さす

『装備可能アクセサリー 楽器』 そもそも楽器ってアクセサリーなの?

そんな疑問を持ちながら俺たちは町の商店に向かうのだった。





楽器は・・・アクセサリーだったよ・・・。



しばらくそっとしておいてほしいと声をかけ、少し散歩を済ませ、気分の浮かないまま

戻ってくるとちょうど休憩できそうな場所をみつける。

辺りはすっかり暗くなり、俺はギルドの裏手にある庭のような場所の木に背中を預けながらため息をつく。そして、首にかけてあるネックレス状のアクセサリーを見つめる。

そして意識を集中させると淡い光とともに一瞬で目の前に楽器が現れる。

この世界に楽器というものは存在しなかった。

ただ、商人のひとにお願いしたのはアクセサリーくださいの一言だった。

アクセサリーは身に着けたものによって効果が変わるらしく、ステータス強化だったり、身代わりだったりとするらしい。俺のアクセサリー効果はいくつでも出せる楽器の召喚と自動演奏だった。

一度聞いたことのある音楽であればコンピュータ制御もびっくりの正確さ。一人オーケストラもできる。

これって絶対吟遊詩人っていうのとは違うよね・・・。

俺のイメージだとリュートを笑顔で引き語る姿。一人オーケストラではけしてない。

しかも、この楽器はなんにも効果が付いてない。俺たちの世界にあるものとほぼ一緒、違うのは自動演奏ぐらい・・・まぁピアノとかはむこうでも自動演奏できるものもあるだろうし・・・なんのメリットもなかった。


「あれか・・・カラオケぐらいに使えるか。」


カラオケ屋でも経営して小銭でも稼ぐぐらいしか使い道ないんじゃないだろうか。

俺は試しに演奏セットを召喚する。

俺は一人カラオケでよく歌うアニメソングを歌うことにした。

なにしてるんだろうな・・・俺。

気分が沈んだ時は一人カラオケだよね・・・うん。

前奏が始まり、その瞬間・・・すこしウキウキしてきた。異世界に来てからここまで前の世界を思い出すものがなにもなかったから、聞きなれた音楽に懐かしさを感じ目を閉じる。


ー背を伸ばし胸を張る。そして撫でるようにやさしく声を張る。

とても心地がいい・・・。

歌いなれた曲は歌詞を見ずともスラスラと口から紡がれる。

大好きだったアニメの風景にあった曲。その歌詞の想いを感じ取り、愛おしく感じる。

あれ、歌うのってこんなに気持ちのいいものだったけ・・・?

そこで気が付いた。音域が全然違うのだ。この曲はもともとアニメのヒロイン声優さんが歌っている曲で女性の曲だ。どんなに好きでも男性の俺にはこんな高音はでないとあきらめていた音域。

それが無理なく奏でることができる。そうか、この声全然自覚してなかったけど、たぶんゆいなちゃんの・・・女性の声だから。

この時俺は女性になったことを受け入れられそうな気がした。

歌ってこんなに楽しいんだっ!

俺はさっきまでの暗い気持ちがすっかりと消えていることに気が付かなかった。

むしろ、この歌を知ってほしい。この気持ちを共有したい。俺の歌を聴いてほしい。そんな気持ちが何よりも嬉しかったーーーー。



しばらく予約機能で16時を目安に投稿していきたいと思います!


閲覧ありがとうございます!

少しでも『よかった』『続きを読みたい』と思っていただけたら幸いです!

ブクマや評価をしていただけると嬉しいです!

文章力が低くすごく読みづらいかもしれませんが誤字脱字、直したらいいところありましたら気軽に教えてください。


よろしくお願いいたします!

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