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6 ステータスがバグってた

俺とトウコお姉ちゃんはまず、この町の案内所でもある冒険者ギルドに向かうことになった。

冒険者ギルド・・・その言葉に思わず胸が高鳴る。やっぱりファンタジー世界といえば冒険者ギルドだろう。

俺はワクワクする気持ちを抑えながら、町の人から聞いた場所にトウコお姉ちゃんと向かう。

すこし町の人の反応が微妙だったのが気にはなったが、まぁ、行ってみたらわかるだろう。

少し歩くと、ギルドが見えてきた。なるほど、それらしい場所だ。まさに酒場というか冒険者が集まりそうな建物。2階は宿屋も兼ねているらしい。俺とトウコお姉ちゃんはギルドの扉を開けるのだった。


「あ・・・いらっしゃいませ・・・。」


扉を開けるとそこにはまだ年端もいかない少女が受付をしていた。年は10歳前後だろうか。

こんな小さい子が受付?RPGのギルドで受付といえばお姉さん的な受付嬢か強面のおじさんってイメージがあったんだけど・・・ちょっとリアリティショックだった。

それに入った瞬間の静けさ、時間的にはたぶんお昼時ぐらいだろう。それなのにこのギルドにはだれもいなかった。


「すいません、今この町のギルドは営業してないんです・・・。」


少女は辛そうに謝罪をした。ギルドなのに・・・営業していない?

そのことに違和感を覚える。


「なにかあったんですか?」


その時、トウコお姉ちゃんが真剣な顔で聞く。

やっぱりこれがこの世界の普通ってわけじゃない、よね・・・。


聞かれた少女は今にも泣きそうな顔をした。


「今、この町で行方不明者が後を絶えないんです。このギルドの宿屋を使った人は翌日には姿がないんです。」


ーえ!? いなくなる・・・?

俺は今いるこの場所でそんな怪事件が起きていることに驚きが隠せなかった。


「それは・・・失礼ですが、お金を払わず夜逃げをしてるとかは・・・?」


トウコお姉ちゃんの言葉になるほどその可能性もあるのかと思っていると


「このギルドの主人が姿を消してるんです・・・うちのパパがっ!」


少女が耐えられず泣き出してしまった。

少女の話では、あまりにも多くの人が姿を消すため、ここの主人が原因を突き止めようとしたが、その翌日にはいなくなってしまったのだという。

それ以来、このギルドは人隠しのギルドとして人が寄らなくなったのだという。


「すいません、ユイナちゃん・・・私、ここに泊まりますのでパーティはこれで解散ということでいいですか?」

「え!?」


その言葉に少女が驚きの声をあげる。

まぁ、そうだよね・・・トウコお姉ちゃんはきっとそういうひとなんだろうなと心のどこかで納得していた。見ず知らずの俺を助け、記憶喪失という嘘に涙した人だ。きっと根っからの善人なのだろう。

俺の返事は。


「わかりました。」

「ありがとう、ユイナちゃんまた一緒に冒険しようね。」


トウコお姉ちゃんがにっこりとほほ笑む。


「何言ってるんですか、ここで泊まるってことにうなずいたんです、パーティの解散なんてしませんから。」


俺はいたずら顔でニヤリと笑う。

その言葉にトウコお姉ちゃんが唖然とする。


「でも、ユイナちゃん危ないんだよ?」

「危ないのはお姉ちゃんも一緒ですよね?」


さすがに見過ごすことはできないし、きっと逃げても後悔するだろう。


「まったく、お人よしなのね、ユイナちゃんは・・・」


はぁ・・・とトウコお姉ちゃんがため息をついた。

さすがに、あなたには言われたくないです。


「お二人ともいいんですか・・・?」


少女が信じられないというように俺たちを見る。

たぶん、この子は諦めていたのだろう、神にすがるかのように泣き出した。

この子の笑顔を見てみたい。俺は心の中でそう決意した。





「でも、ユイナちゃんは武器持ってないよね・・・あんまりこういう危険なことにお姉ちゃんは付き合わせたくないんだけど・・・」


話がまとまり いざ、作戦会議と話しが始まったが、早速の問題事だった。

それはこの町に来る前にトウコお姉ちゃんから聞いていた『職業』と『武器適正』だった。

この世界にはクラスという戦士や魔法使いなどファンタジー世界ではお決まりの職業がある。

また、その職業でも持てる武器に適正があるらしく、戦士の中で剣を使える人をソードマン、斧を使える人をウォーリアーと呼ぶらしい。

試しにトウコお姉ちゃんの剣を持たせてもらおうと思ったら体が拒否をするというか、見えない壁があるように持つことが出来なかった。ようはゲームのところで装備名の色が暗くなり装備不可ってやつだ。剣士憧れだったんだけどな。ちなみに剣を使うお姉ちゃんは剣士ではなく、サムライというクラスらしい。

かっこいい。


「せめて、ユイナちゃんのクラスが分かればいいんだけど・・・」


お姉ちゃんが諦めるようにいうと。


「えっと・・・一応ここギルドなんでクラス調べられますよ?」


お姉ちゃんの言葉に少女・・・アルルちゃんが提案をする。


「できるのー!?」


俺の声が弾むのが分かった。


「は、はい・・・パパがやってたのを見たのでたぶん大丈夫です。」

「お願いしてもいいかな!?」


俺はアルルちゃんに前のめりでお願いする。

アルルちゃんが顔を真っ赤にしてコクッとうなずく。


「ギルドカード作っても大丈夫なら・・・ですけど。」


聞くと本来ならギルドカードを作るには試験を受ける必要があるらしい。

しかし、特例というかアルルちゃんの緊急事態用権限でなんとかなるらしい。

ちょっとズルをしている気分になったが仕方ない。

ずっとお姉ちゃんの足手まといにはなりたくないし、スライム怖いし。

アルルちゃんの好意に甘えることにした。


「ではこのカードを持って、目をつぶってカードに意識を集中してください。」


そういうと白紙の会員カードと例えるといいのだろか、プラスチックっぽい板を渡される。

目を閉じそこにあるカードに意識を集中する。

すると、カードを持つ手が熱くなりカードが光りだす。

まるで人間コピー機のように少しずつ印刷をされていく。

ついに職業がわかるのか・・・俺はドキドキがとまらなかった。

あの女神が勇者という文字を消したのは知っている。だが、何に設定したのかはわからなかった。

まさか村人とか・・・あの女神ならありえそうだ・・・。

ちょっと不安を覚えながら、俺は懸命に祈った。

せめて、この子たちを笑顔にできるクラスだったらいいなっと


「ユイナお姉さん・・・できました。」


ーーーー。


俺は少しずつ目を開き

そこに書かれた文字を目にする。



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

ユイナ 

職業:吟遊詩人 Lv99

HP  999

MP  999

攻撃力 999

守備力 999

素早さ 999

魔力  999

運   999


次のレベルまで残り経験値 0


装備可能武器

なし

装備可能防具

なし

装備可能アクセサリー

楽器


スキル メロディ

感情を込めた歌を歌うとそれに合う効果を得る。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


閲覧ありがとうございます!

少しでも『よかった』『続きを読みたい』と思っていただけたら幸いです!

ブクマや評価をしていただけると嬉しいです!

文章力が低くすごく読みづらいかもしれませんが誤字脱字、直したらいいところありましたら気軽に教えてください。


よろしくお願いいたします!


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