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皆の魔法事情を確認してみた

 ティアたちが魔力コントロールの練習を始めて1ヶ月が経過した頃。


 リリスから現状の報告を受けた。


「個人差は有りますが、全員出来る様になりました」


「これで色々出来るな」


 魔力コントロールを身に着けた事による変化は劇的だ。


 肉体が活性化して、身体能力と代謝が向上する。


 特に、女性陣は、肌が瑞々しくなったと喜んでいた。


「これにより、老化も抑えられますよ」


 リリス曰く、ハイエルフとかの老化が遅いのはこれも関係しているそうだ。


 また、武器に纏う事で威力の向上。斬撃とかも出せる様になった。


 これには、男性陣も喜んだ。


「見て下さい!斬撃が出せる様になりました!」


 グレイの放った斬撃が2〜3m先の的を切り裂く。


「おお、すげぇな。やったこと無いから俺もやってみよう。まずは、イメージとして素振りをするか」


 ……空が割れた。魔力を纏わせ過ぎたらしい。


「「………」」


 グレイ、そんな目で見るな。俺も知らなかったんだよ。


 的に、向かってやらなくて良かった。威力が強過ぎる。俺は、基本使わない事にしよう。


「ユーリ様に提案が有ります」


「何?」


「彼らに基礎魔法を教えて構いませんか?」


「良いのか?アイツらと師弟になるって事だろ?」


「いえ、それくらいなら師弟になる必要は有りません。私塾で教えられるレベルのものですし」


「なら、覚えていて損はないな。頼むよ」


「了解しました」


 今度は、魔力コントロールから魔法の勉強に変わった。


 これを機会に、俺も使える魔法について考えよう。


 魔法には、応用技というのが存在する。前に、ギンカが重力魔法で浮いていたみたいな使い方だ。


 だから、俺の使える魔法を色々確認した結果。


「ねぇねぇ、空間魔法で飛べる様になった」


「「はぁ!?」」


 魔法に詳しい者として、マリーとエロースに見せたら驚かれた。


「風魔法でなく!?」


飛行(フライ)の魔法でもなくて!?」


「そうそう」


 アイリスがいるから最近使った記憶がない、あの魔法を自分の周囲に展開する。


空間制御(エリアコントロール)!」


 空間中の法則を自由にいじれるチート魔法により、重力の向きを変更する。上にすると上に引っ張られ、横にすると横に引っ張られる。


 これにより、飛行が可能になった。また、理論上、水中でも使えそうだ。


 だが、ホントに凄いのはそれだけではない。


 思考加速状態での運用が出来るのでアクロバットな動きや高速戦闘が可能になった。


 色々やっていたらフッと気になったので、皆の魔法事情を確認してみた。


 アイリスは、水魔法と一部の風魔法が使える。


 マリーは、各属性の上級魔法までを一通りと風の特級魔法を使える。風竜だからかもしれない。


 獣人組とフィーネ、ミズキは、基礎魔法のみ。リリスたちが教えた分だけだ。


 リリスたち、ハイエルフ組は、各属性の中級魔法を一通り使える。その上、火と風の上級魔法が使える様だ。


 ギンカは、言わずも知れた重力魔法。それ以外は使えない。


 エロースは、各属性の上級魔法までを一通りと聖と水の特級魔法まで使える。


「でも、正直な話。魔法銃と魔力コントロールがあるから使わないよね」


 アイリスの意見は最もだ。簡単なものは、魔法銃で使えるのだ。


 と、事情が分かった所で俺も新しい魔法を練習する。


「ギンカ、頼む」


 どうやら、俺には特殊属性の素養があるらしい。


「了解しました。では、始めます。アビスコア」


 ギンカの周囲に黒い球体が4つ現れた。事前説明では、小型のブラックホールらしい。


 では、実戦してみる。今、見た光景をイメージ。


「アビスコア!」


 ……何も起こらない。まぁ、技名を言っただけだしな。


 以前使った2つの魔法が、技名を言っただけで使えたのがそもそもおかしいのだ。


 素直に詠唱するとしよう。


「シイラクヲテベス ヨノモケキロク エタコニイガワ エラクヲノモノカ!」


 手をかざして詠唱するとギンカに比べて数が少ないものの、黒き球体が1つ姿を現した。


「出来た出来た。それじゃあ、喰らえ!」


 的にした木へとアビスコアを放つ。黒い球体は的に触れるとその箇所が歪んで消えた。魔法は、成功の様だ。


「でも、良く詠唱知っていたな?アイリスみたいに無意識に使っているのかと思った」


 そもそも魔法に詠唱はいらない。明確なイメージと相性が合えば可能なのだ。


 だから、魔法を使う魔物は詠唱をしないし、知らない。


「お母様に習いました」


「お母様って、あれか?前に話した?」


「はい」


 ギンカの話によると彼女の母親は、魔物でなく半神(デミゴッド)なのだ。


 どうやら、俺と匂いが似ているらしい。同じ半神だから似ているのかもな?


 そして、正しく言うとギンカは魔物でなく神獣だった。まぁ、他人から見て魔物も神獣も大差ないから気にしないそうだ。


「とても優しくて強い人でした」


 そんな母親から直に教えて貰った訳か。


「なるほどな」


 ギンカに対する理解が深まった。


 そういえば、獣人組とフィーネの親については聞いた事ないな。死んでいる可能性もあって聞き辛いし。


 ……少し調べても良いかもしれない。


 生きているのなら彼女たち次第で呼んでもいいし。


「さて、練習を再開しよう」


「回数を重ねれば、詠唱が無くても出来る様になりますよ」


「分かった」


 回数を重ねて、イメージを定着させる。こうすれば、こうなるって漠然とした自分だけのイメージを。


 百回くらい繰り返したら詠唱無しで出来る様になった。


「お見事です」


「まだまだだよ。せめて、2つは出せる様になりたいな」


 結果、詠唱破棄で1つ。詠唱有りで2つ出せる様になった。


 その後も頑張ったが、詠唱破棄で出せる数が増える事はなかった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 空間中の法則を自由にいじれるのなら 劣等生の氷炎地獄、減速領域、 ニブルヘイム、オゾンサークル、 作用点に直接力をかける インビジブル・ブリッド、 などの様々な魔法ができそうだな [一…
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