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久しぶりの拡張と建築

 ティアたちに今後どうするか聞いてみた。


「ラグス王国と竜王国への転移門を作製可能だからどちらにでも亡命可能だよ。どうする?」


 一応、雇用期間としてはクエスト中って事にしていた。


「それについて皆で話し合いました。もし可能ならなのですが……」


 ティアが代表して言おうとしたが、何やら言い淀んでいる。


「何、言ってみて。大抵の事なら大丈夫だから」


「でしたら、このまま働かせて頂けないでしょうか?」


「えっ? 亡命しなくて良いの? 身分が保障されないよ?」


「はい。構いません」


「そしたら、雇用形態も変わる(or給与形態にも係る)けどホントに良いの?」


「今でも十分以上貰っています」


「分かった。カリスさんと相談して適正価格で雇おう」


『ありがとうございます』


 住人が増えたな。敷地を改築して新しく家を建てるか?


 屋敷にいたら、カップルだけど色々遠慮するかもしれないだろうし。


「皆に聞きたいんだけど。このまま、結婚する気はあるのか?」


 作って無駄になったら嫌だから聞いてみた。


「私は、グレイが良ければ……その……」


「俺は、ティア様が良ければ結婚したいです!」


「2人は、問題無さそうだな。他は、どんななんだ?」


「俺たちは、既に結婚しています」


「えっ、マジ?」


「はい、ライドとユグドラシル教会で式を挙げました」


 既に、一組結婚していた。


 ユグドラシル教会は、タナトス様たち上位神を祀る大陸一の宗教法人だ。


「エルドラたちは?」


「結婚したいです!」


「私も!」


「ok。分かった。各自、話し合って明日までに家の設備で欲しい物を挙げておいてくれ」


『はい?』


「いるだろ?夫婦だけの家。明後日、造ってやる」


「よっ、よろしいのですか?」


「良いよ。その代わり、畑も大きくするから農業頑張れよ」


『はい!』


 良い返事だ。俺は、敷地の拡張計画を考える事にした。


 目安として、来賓用の家を見せたが、それと同じでいいと言われた。


 それでは、面白く無いのでこっちから選択肢を用意する。


 まずは、風呂。木と石の二種類。


 ベッドは、通常と下に収納付き。


 などなど、色々提案した。


 最初からそうするべきだっただろうか?


 翌日、建築開始。


 来賓用の家があるエリアに造る事にした。今後、ここを住居エリアにしよう。


「手伝います。自分たちの家ですので」


「あ〜っ、大丈夫。手伝うことが無いから」


「そんな全てお任せするのも……」


「俺たち、力には自信あるのでコキ使って下さい」


 ごめん。魔法で組み立てるから正直いらないんです。


「まず1軒建てるから、それを見て必要だと思ったら手伝って」


「はい、分かりました」


「了解です」


 10分後。まず、1軒完成しました。


「出来たけど……手伝う?」


『いえ、止めておきます』


 だよね。だって、手伝う事ないもん。


「あっ、手伝って欲しい事あった。食い扶持が増えたから畑の拡張するんだった!」


 手伝う事あるじゃん!クワを彼女らに渡して回る。


「柵建てるから、拡張された範囲を耕して!」


 畑の柵を移動させる。足りない分は、アイテムボックスにあるストックから出そう。水の刻印も忘れずに行わねば。


 現存の畑を50mずつ拡張した。1辺が200mの正方形。4ヘクタールだ。


『お任せ下さい!』


 彼女らが拡張している間に、俺は建築。まぁ、彼女らが畑を1割耕す間に出来るのだがな。


 防音設備も完璧。中でどんなに騒いでも外には聞こえないさ!


 こっちは、終わったので彼女らを見学する。


 しかし、もっと簡単に耕せないものだろうか?


 彼女らが必死にクワを振るのを見ながらそう思った。こう複数の刃が、地面に刺さり掘り起こすみたいな。


 電動耕うん機だな。電気の代わりは、魔力で……出来た。


 持ち手に魔力を流すと複数の刃が回転する。


 ガガガガッ!


 問題なく、機能した。近場に誰か……グレイがいるな。


「グレイ。これに、魔力を流して使ってみてくれ」


「あの? 魔力ってどんな風に流すんですか?」


「はい?」


 不思議な事を聞かれた。異世界だし、魔力を流すって基本だろ?


「魔力を流すってそのままだよ。その身体から漏れてる魔力を使うんだ」


 意識すると魔力がオーラの様に立ち昇るのが見える。熟練者になるとほとんど漏れずに留まっている。


「えっ?どうやって?」


「「うん?」」


 2人して顔を見合わせた。近くにいるリリスに聞いてみよう。


「あ〜、一般の方は、魔力コントロールの仕方知りませんからね」


「えっ? でも、イナホたちは出来るよね?」


「それは、私たちが教えましたから。じゃないと生き残れませんでしたし」


「………」


 そうだった。過酷な環境にいたんだった。いつも笑ってたから忘れてた。


 とりあえず、本題に戻ろう。


「今すぐ出来る様になると思う?」


「才能がなければ無理じゃないでしょうか?一月程かけて良ければ確実に可能です」


「なら、今後の課題と言う事にするか。リリス。これを使ってくれ。魔力を流すと刃が回転して畑を耕せる」


「分かりました」


 ギュルギュルギュルギュル!ガガガガガッ!


「こっ、これは!?凄いです!大地がどんどん畑に成っていきます!!」


 リリスがどんどん耕していく。これ、グレイたちの仕事なくない?


「……雑草取りでもするか?」


「……はい」


 他のメンツも集めて、雑草取りと一部収穫をやらせる事にした。


 リリスは、20分程で畑を拡張し終えた。


 便利だからもう1つくらい造っておこう。そう思った。


 畑の拡張に伴い、敷地の拡張を行う。畑寄りの柵をズラそう。


 邪魔な木は、伐採。食器や衣装ケースに加工しよう。


「……広くなったからゴールドアッポを植えるか」


 これで、敷地全部を認識阻害で覆えるだろう。


「あっ、連絡しとかなきゃ」


 前回みたいに魔物が移動する可能性があるのでギルさんに報告しておこう。


 下手したら俺のせいで死人が出るかもしれないし。


 後日、冒険者ギルドから連絡があったのでクエストへ行った。


 やはり、カエル。でも、前回よりは少なかった。とは、言っても10頭ほど。直ぐに終わった。


 それ以外では、報告も無いので大丈夫そうだ。


 入手したイビルフロッグのゆで卵をティアたちにも食べさせた。


 やはり女性陣には、特に好評の様だ。


 今回は、発見が速い事も有り、全て食用可能な状態で確保出来た。その数、およそ100。


 これなら、数カ月は持つだろう。前回は、1ヶ月程で消費した。


 今は、昔より甘味が増えたし。これは、下手したら半年いけるかな?


 あっ、異世界での半年な。こっちの世界は、1年は16ヶ月だから8ヶ月。


 今回は、他にも技巧を凝らす。卵とフルーツをキューブ状にカットしてから出した。


 イビルフロッグの卵は、栄養価が高く、フルーツも加えてバランスが良いので、妊婦にも良さそうだ。


 食べ終わった後、2人の診察が始まった。


「早く産まれて欲しいな」


 そう言いながら診察待ちのアイリスのお腹を撫でた。マリーは、今、診察中だ。


 そういえば、いつ頃からお腹を蹴るって状態になるんだろ?


 そんな事を考えながらイチャついた。

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