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なんか色々造ってみた

 空間転移"転移(シフト)"により山へと辿り着いた。辺りを見渡すと普通の石に混じり、蒼白い石がポツポツ存在している。

 鑑定により近場にあった蒼白い石を確認する。


 名称:グラディス山脈の岩塩

 説明:太古の昔、地殻変動により、出現した。獣の好む味がする。人も食用可能。オススメは、トリ肉を推します。


「トリ肉……」


 推すんですね。そして、鳥では無くトリだから何を指してるのか気になるね。

 なんだろう。色々、ツッコミたい気がする。とりあえず、蒼白い石を2個だけ確保しておこう。

 え〜っと、アイテムボックスの使い方は……。貰った記憶を辿り、使い方を把握する。


「アイテムボックス」


 意識すると格子の入ったステータス表とは違う、まっさらなパネルが現れた。

 使い方は、パネルにアイテムを当てると取り込まれる。出し方は、パネルのアイコンを意識して手を入れるか、アイコンをPC操作のドラッグ&ドロップみたいにパネル外に出すと取り出せる。

 実践してみよう。岩塩を掴んでパネルに押し当てる。


「おぉ!!」


 当てた所から空間が歪み、岩塩は飲み込まれた。パネルには、蒼白い石の形をしたアイコンが格子の1つに加わっている。次は、出し方を試そう。


「出す時は、数を想像してアイコンを外に出すと……」


 ゴトッ、という音と共に、目の前に消えたはずの岩塩が再び現れた。使い方が分かった所で、岩塩を2個入れた。アイコンの下に2と表示される。


「数の把握も出来るんじゃ?」


 入れる度に、数字が増えていった。アイテムボックスに入れたら自動的にカウントされる様だ。超便利。

 数の把握も楽な事が分かったので、取れるだけ取ろう。何度も採取しに来るのが面倒だしな。

 ………数十分後が経過した。


「ふう、こんなものか」


 パネルには、アイコンが3つ有り、小中大のサイズ表記と数字が加えられていた。


「まさか、こんな楽な方法があるなんて……」


 それは、偶然の結果だった。最初は、真面目に1個1個拾ってパネルに入れていた。しかし、何度も拾う為、腕や腰が疲れてきた。

 石に座り、パネルを正面に移動させて見る。パネルの位置は、手に連動して、移動させる事が出来る。


「パネルだけで回収出来ないかな?」


 なんて思いつつ、手でパネルを払ったら岩塩に当たり、取り込まれた。


「………」


 もう一度、手でパネルの位置を操作して岩塩にぶつけると取り込まれた。今度は、複数同時にやってみる。……イケた。

 途中、普通の石に当たりもしたが、要らないと思っていたら取り込まれなかった。欲しい物だけを取り込める様だ。そこからは、遠隔操作で岩塩だけを回収する作業が始まった。


「やべぇ、本題を忘れて楽しんでた」


 岩塩がどんどん貯まるのが楽しくなって本題を忘れていた。


「普通の石を探すか」


 周りに有るのは、岩塩ばかりで、普通の石は小振りなモノしか存在しない。適度な石を求めて岩山を探索する。

 歩く事、数分、崖の下にたどり着いた。崖の下な事もあり、大きな岩がゴロゴロしている。これなら加工しやすいだろう。


「さて、作業開始しますか」


 まずは、水を貯める容器だな。これは、岩に対して容器の形に魔力を流し、空間魔法で転移させる。

 ゴトッという音と共に大きな水瓶が現れた。ついでだからいくつか造っておこう。結果、大きなモノが4個、コップサイズのモノが10個、余った部分で皿を造ったので皿が30枚程になった。

 これで食事の時に助かるだろう。他には何を造ろう。胡椒があったからミルか?でも、どうやって造るの?

 いや、構造自体知っているがパーツが全部独立していた。流石の空間魔法でもそこまで精密に加工出来ないだろう。


「昔の人はどうやっていたんだっけ?」


 よく考えると昔は、ミルが存在して無かった。擂粉木すりこぎ


 俺は、麻婆豆腐の時に花椒をそれで擂り潰して使っていた。ただ、結構飛び散るんだよな。あっ、アレがあった。

 さっそく、くり抜きを開始する。出来たのは、薬研とその台座。

 時代劇とかに出てくる薬師が擂る、円盤に木を通したアレだ。これなら量を擂る事も出来るし、余り飛び散らない。

 ついでに普通の石臼も造ってみた。なんかで使うだろう。そう思いながら、2つをアイテムボックスに収納した。

 ここからは、石で加工出来るモノを手当たり次第に造り始めた。

 まず、食器を造って忘れていたから箸などがない。箸にフォークにスプーン。レンゲとかも造っておく事にした。箸はどれを使ってもいいように全て均一。だからか、アイテムボックスのアイコンでは、一本の棒が表記されている。


 石鍋。

 鉄が無いからな。石で代用。その内、入手しよう。

 蓋は、石で作ったら重かった。帰ったら木で作ろう。でも、造ったからアイテムボックスへ。

 そして、鍋物用の薄い鍋!石で造るなら鍋だろう!土鍋程ではないが、熱の持ち用が良いからな!


 七輪。

 鍋を造って気付いた。どうやって焼く?

 そこで七輪を造った。サイズが大きくなったが空間転移で移動させれば問題ないだろう。これで鍋を置ける。


 テーブルと椅子。

 これらを置く台が欲しいと考えた。料理する為の場所としても。木でもいいがテーブルだと組み立てがいるから石にした。ちょうど石壁から綺麗な黒い岩が出てたし。


 黒いテーブルとか良くない?

 加工して見たらそれは見事なテーブルと椅子が出来た。

 だいたい、こんなものか?

 ある程度、必要なモノを造ったので、全てアイテムボックスに収納すると拠点に帰る事にしたら背後から"ガラッ"という石の転がる音がした。


「うん?」


 振り返る先にいたのはーー。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 蓋は、石で作ったら重かったとあるが、筋力増強されているのに重いと感じるのは違和感がある。
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