イナホの変化
最近、イナホとの関係がさらに増えた。
元々、好みなのだから当然といえば当然。
アイリスとマリーは、そろそろ6ヶ月。
2人を見ていて……なんかエロくねぇ?
本来の姿とのギャップにムラムラします。
だから、余計に関係が増えた。とは、思いたくないけど。
最近は、朝起きて、横を見たら高確率でイナホが居る。
その為、誰より先に気付いた。
「イナホ……尻尾増えてねぇ?」
朝起きて横を見たら、本来1本の尻尾が2本になっていた。
見間違いだと思ったら別々に動いたから違う様だ。
「今起きたら生えてました」
「そうか。……いや、そんな簡単に生えないだろ!?」
俺の感覚がおかしいのか?
朝起きたら生えたとか適当過ぎだろ!?
何処ぞの、電気つけたまま寝たらうっかり日焼けしてオルタ化しましたネタじゃないんだから!!
そもそも、オルタ化じゃなくて尻尾だけどな!!
とりあえず、確認しよう。
「触るね」
「あっ、主様!?んんっ!」
尻尾は、付け根から枝分かれしているのか。
1本1本丁寧に触っていく。
「あの、あん!もう、んっ!」
触る度に、艶めかしい声をあげる。尻尾は、敏感だしな。
特に根本が弱いんだよな。
「あの…もう……」
そして、相変わらずフサフサだ。頬ずりしてしまう。
「主様。お止め下さいませ……」
蕩けた表情で言って来るイナホ。
朝からヤバいな……。
俺の中のスイッチが完全にONになりそうだ。
……まぁ、既に押し倒しているのだがな。
コンコンッ。
「ユーリ様。イナホちゃん。起きていらっしゃいますか?お食事の用意が出来ましたよ」
「あっ……」
フィーネが呼びに来たようだ。
お陰で俺も正気に戻る。
「フィーネ。入って来てくれないか?」
「? 何か、有りましたか?」
フィーネが入って来たのでイナホの尻尾を見せる。
「なんか、増えてるんだが……」
「あらあら、変調期ですかね?」
「分からない」
「変調期って、なに?」
「えっと、変調期というのは、魔力量が激変する期間のことです。成長期みたいな感じですかね。魔力が増えたり減ったりするので、肉体に変化が見られます。ただ……魔力の多い種族の話ですから獣人はどうなんでしょう?」
「一部の獣人にも有りますよ。猫型の子の尻尾が2本になるとか」
「体調は、悪く無いのか?」
「今の所は、特にございません」
一応、鑑定しておくか。
鑑定。
名称:イナホ
状態:健康
健康のようだ。ホッとする。
念の為、鑑定してみよう。……ルーンも加えて。
名称:イナホ
状態:健康
種族:獣人・狐型
年齢:14
スキル:信奉者、巫女
信奉者。
効果:身体能力A、魔力増大B、耐性強化、聖魔法強化A、集中、献身
巫女。
効果:回復魔法強化A、浄化魔法A、思考加速、無音足、弱点見極め
信奉者とは、対象への崇拝により発現するスキルだ。現在の対象は、俺らしい。どれだけ俺に心酔してるか分かるな。お互いに気を付けよう。
巫女は、社の管理を任せたら付いた職業スキルだ。狐だけに巫女をという考えからきた。巫女服現在作製中。実存していたので店で依頼した。
アビリティ:魂の契約。ユーリ・シズの祝福。
ここからは、ルーンによる鑑定結果。
身長:147
体重:42
3サイズ:B80-W55-H81
耐性:全て
信奉者を習得してから全てに耐性が付いた。
信奉者すげぇな!!
魔力量:12,124,000
魔力量は、ベルより多いな。というか、前見たときより増えた気がする。
魔力測定した時、三百万くらいだった気がするのだが……。
「体調は、問題なし。悪い所もなさそうだな。悪くなったら即言うんだぞ」
「はい、分かりました。うん?主様、今気付いた事が有ります」
「それは何?」
「仰向けで寝れる様になりました!」
獣人は、尻尾の関係上、仰向けに寝れる者が少ない。
だから、必ず左右のどちらかになる。
「それは、良かったな」
なでなで。相変わらず、頭の高さがちょうどいい。
「はい!」
「問題なさそうだし、朝食にするか」
「準備は出来ているのでお早めにお願いしますね」
食堂に行くと、「なんか尻尾が増えてるんですけど!?」とアイリスがさっそく食いついてきた。
「えっ? 獣人って、尻尾増えるの!?」
普通の反応は、そうだよな!!
「今朝、起きたら生えてました」
俺と同じ様な説明をしている。
「本当なの!?イナホちゃん触るね!」
「ひゃう!?」
アイリスは確認する為、イナホの尻尾をモフり始めた。
「変調期ですか?でも、イナホちゃんは終わってるんじゃ?」
「どういうこと?」
マリーに説明を求める。
「原則、3〜10歳くらいで起こる現象です」
「今、14歳だよな。本来ならとっくに終わってる訳か。他に起こる原因って無いのか?」
「……無くは、ないですね。稀です」
「有るのか?」
「高魔力を含んだモノを体内に一定期間摂取した時などに」
「高魔力を含んだモノねぇ……」
特に思い当たる物がない。
「あっ、私分かった」
「「えっ?」」
アイリスには、分かった様だ。
「確かに、アレの魔力は高いよねぇ〜」
「アイリス。それは何?」
マリーの質問に対して、アイリスは答えではなく質問で返してきた。
「マリー。念の為に確認だけど、さっきの話、体内に有れば何処でも良いんじゃないの?」
「えっ? ええ、口でも胃でも腸でも大丈夫よ」
「なら、膣でも大丈夫じゃない?」
膣。高魔力を含んだモノ。
「「あっ!」」
さすがに分かった。
「最近、食べてないんだよね。……ユーリ、後でちょっと部屋に来ない?少し絞るだけだから」
手をシコシコ振ってアピールする。
「その手の動き止めぃ!」
あはは、と笑いながら止めてくれた。
「……少しお邪魔します」
お誘いに対する本音が漏れたが、それは置いといて。
……なるほど。
イナホとの回数増えた事が原因か?
「今、私たちが出来ませんからね……」
マリーも口に出さなかったが理解した様だ。
「仮説だけど原因ぽいのが分かって一安心だな」
「という事は、皆にも変化出るの?」
アイリスの疑問が聞こえてきた。
確かに、気になる。手を出してる訳だし。
「う〜ん、どうなんでしょう?そもそも記録以外で聞いた事ありませんでしたし」
マリーでも分からない様だ。
「お父様たち程、長生きの竜種なら知ってるかもしれません」
「なら、ガイアス爺さんが来たとき聞いてみるとするか」
という事が有り、話は終了。
皆で揃って朝食が始まった。
後日、イナホの尻尾がまた増えて4本に成りました。
……3本じゃなくて?
1本が2本、2本が4本。4本が8本になったりして?
気にしたら負けだと思った。