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直ぐに終わった以下略

「何でも有りの一本勝負。降参もしくは、気絶したら負け。ケガに関しては、自己責任。互いに問題はないか?」


「問題無しです」


「こちらも同じだ」


 互いに武器を出す。


 相手は、レイピア。


 魔力を纏っているのが確認出来る。


 俺は、炎魔剣イフリート。


 初の対人戦使用。


「試合開始!」


 開始と同時に俺へと迫るガロア。


 そのレイピアの狙いは、俺の腕。


 グサッ。


 鮮血が舞う。


 ガロアの放った高速の刺突が、腕に突き刺さった。


「獲った!」





 ********************





「試合開始!」


 思考加速。


 ガロアの突進の速いこと速いこと。


 もう、俺の目前まで来ている。


 空間転移(シフト)


 ガロアの背後に移動。


 普通に殴ろうとして手を止めた。


 格の違いを見せ付けるのがメインだった。


 俺もイラってきたしな。


 後ろに下げた左腕を掴んで斬り落とす。


 切り口は、焼けて血が出ない。


 シフト。


 元々の位置に戻って、レイピアにガロアの左腕を合わせる。


 思考加速解除。





 *******************





「獲った!」


「何を?」


「お前の腕だ!降参するーーぐっ!?何だ、この痛みは!?左腕から!?」


 どうやら状況に気付いた様だ。


 無い筈の左腕に視線が向いている。


「おい、よく見ろよ。お前が刺したモノは、何だ?」


「ひっ、左腕だと!?」


「じゃあ、再開するぞ」


 思考加速。


 シフト。


 膝から下の両足切断。


 シフト。


 元の位置に戻る。


 傍から見たら動いて無いように見える筈だ。


 思考加速解除。


「ぐふっ!?」


 足が無くなり、剣を地面に刺しバランスを取る。


「次は、レイピア」


 思考加速。


 シフト。


 炎魔剣イフリートを一振りする折れる。


 2回振って刀身を細かくした。


 シフト。


 思考加速解除。


「なぁ!?」


 支えの剣は折れて倒れかける。


「ほらよ」


「がっ!?」


 頭を掴み仰向けに倒した。


「で、そろそろ降参する気ある?」


「こっ、断る!!」


 さすが、Sランク。弱くても心は強い様だ。


「そうかよ」


 ガロアの目を睨む。


 英雄覇気。


 最近練習して範囲を絞れる様になった。


「ひいぃ!?」


 小さな悲鳴を上げた後、泡を吹いて気を失った。


「マスター。気絶させたよ。確認して下さい」


「分かった」


 マスターは、ガロアの近くによって色々確認しだした。


「気絶確認。決闘終了。勝者ユリシーズ!」


 歓声は、上がらない。やり過ぎたか?


「どうも。これ、エリクサーの劣化版です。寿命は伸びないですがどうぞ」


 通常のエリクサーを薄めたモノだ。


 寿命が伸びるの知らずにリリスたちに使ったから土下座した。


 許してくれたから良いけど。


 その後、劣化版を作った。


 精製水の量を増やすだけだったけど。


 これで、フォローしておく。


「すまぬ。そこまでして貰って」


「いえいえ、会議室に戻っていますね」


 アイリスたちの所に戻って、部屋へと向かった。





 *****************




 観客は、ドン引きしていた。


「おい、なんだよ、アレ?化け物か?」


「知らねぇよ。ユリシーズって、アレだろ?竜王祭優勝の」


「そんな奴に喧嘩売ったのか」


「でも、いいザマだろ。アイツ、他人を馬鹿にしてたしな」


「ランクは低いからって、格をとか言ってたら逆にのされちまったな」


「しかも、相手に手加減されてやんの」


「なぁ、聞いてくれよ。さっきマスターに渡したのエリクサーだってよ」


「おいおい、どんだけなんだよ。あのユリシーズ」


「あれって素材が入手困難で希少だろ?」


「それを気軽に入手出来る実力なんだろう。怒らせない方がいいな」


「確かに」


 ユリシーズに対して妙な団結が生まれた。





 *******************





「圧倒的だったな」


 マッドの呟きで話が広がる。


「当然だよ。アタシが手も足も出ないんだからね。というか、転移使ったのかい?たまに、ブレた様に見えたよ」


 頷くカトレアたちとアイリス。


 見える人には見えるんだな。


「使ったよ。動いていないように見せる為に、転移斬る転移斬るってね」


「なるほど。そういう訳か。奴の腕が現れたのは」


「腕を刺しに来たからアイツの腕を置いてみた」


「だから、ーー」


 バン!


 激しく扉が開き、トカレフさんとビリーさんが駆け込んできた。


「緊急事態だ。クラーケンに船が襲われてる」


『はぁ!?』


 あれ、現在封鎖中じゃなかったっけ?


「貿易船だ。既に海上の為、通達が行かなかったみたいだ。至急、船を出す!港まで来てくれ!」


 急いでギルドを出てついていく。


 港には、帆にギルドマークが入った巨船が置かれていた。


「準備するまで待っていてくれ」


 早急に出港の準備が始まった。


「ねぇ、ユーリ」


「どうした、アイリス?」


「クラーケン。見える距離に居るよ」


『何!?』


 アイリスの指差す方へと視線を向けて集中する。


「見えるか?」


「「「見えた」」」


 マッドは、見えない様だが、ビリーさんとシオン、ベルは見えるようだ。当然、俺も視力強化だけで見える。


「船がヤバいな。おっ、上体を起こしてる!これならイケるかも!アハトアハト」


「それが例の……」


「何だ!?その武器は!?」


 反応が真逆な2人を、無視して構える。


 バチバチッ!


「フラガラッハ装填。放電開始」


 上体に向かって照準を合わせる。


「くたばれ!」


 飛翔するフラガラッハは、無事クラーケンの上体に命中。


「クラーケンに命中したがやれたか?」


 俺の目には、沈黙して見える。


「上体の半分が吹き飛んだみたいですね」


「手足は、動いていない」


「船も一応無事みたいです」


「速さと貫通力重視のレールガンで正解だったな」


「お前、今何をしたんだ?」


 いつの間にか、側にトカレフさんが来ていた。


「おっ、マスター。クラーケン仕留めたよ。確認したから船大丈夫?」


「準備が出来たから呼びに来たのだが……仕留めた?クラーケンを?」


「うん。見る感じ沈黙してるから大丈夫じゃない?」


 再度、見たけど沈黙していた。


「「………」」


 2人共、絶句している。


「おっ、懐かしい。アタイのときもそんなだったな!」


 船の上からカトレアの笑いが聞こえてきた。


「じゃあ、船に乗って見に行こうか。船の救助もあるし」


「おっ、そうだった。乗り込んでくれ」


「うん?ねぇ、ユーリ」


「なに?」


「普通に目視出来てたなら転移でクラーケンの上に行って撃てば良かったんじゃない?」


 アイリスの言葉に思考が停止する。


「………」


「………」


 その方が確実だよな。照準合わせなくて良いし。


「忘れてたぁーー!」


「だよね」





 船に乗りクラーケンのいる場所まで移動した。


 襲われた貿易船は、傷んでいるものの乗組員への被害はゼロだった。


 クラーケンが巻き付いているので、そのまま引っ張っていくそうだ。


「アイテムボックスに入れようか?」


「いや、この巨体は入らんだろ」


「アイテムボックス」


 スルスルスルッ。


 見事に全部吸い込まれた。


 だって、アイテムボックスの中、無限らしいし。


『…………』


 見ていた全員が絶句してた。


「ユーリ、アイリス。クラーケンって美味いんだぜ」


「「本当!?」」


 カトレアの話に反応する俺とアイリス。


 鑑定してないから分からなかったけど食える様だ。


「これは、揚げイカに、いや、醤油を付けて焼きイカもいいな」


「大っきいから全部作ろう!」


「それもそうか!」


「なら、また、宴会だな!」


 それ目当てで言ったな。


「「「ゴチになりま〜す!」」」


 もう参加させる流れになってるよ!


「分かったよ!だけど、代わりに酒用意してくれよ!」


「よっしゃあーー!」


「「「ヤッター!」」」


「宴会、宴会〜♪」


 アイリスもノリノリだから宴会が決まった。


 最近、宴会し過ぎじゃねぇ?

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