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弟子が出来た日

 転移門(ゲート)を通って竜王国へ来た。


 驚かれたものの、すんなり受け入れられた。


 魔法銃とか、色々見たからかもしれない。


「すまない。世話になったな」


「楽しかったわ〜。ポーションありがとね」


「美味しかった」


「でも、最後に感想を全部持っていかれましたけどね」


「鑑定魔法のことか?便利だから良いだろ?」


「便利過ぎるのが問題なんです!」


 ベルに鑑定のルーンを教えたのだ。




 ******************



 宴会をした次の日の朝食。


「頭が痛い……そして、味噌汁が身体に染みる」


 昨日、飲み過ぎた。


 後で、ポーション作ろう。


「ひ弱だな!あっ、フィーネ。このスープお替り頼めないかい?」


「はーい、只今お持ちしますね」


 カトレアは、味噌汁のお替りを近場にいたフィーネに頼んだ。


「そもそも、アンタがおかしいだけだろ?」


 一人でビール樽を1つ開けると担いで飲んでいた。


 それを見たガイアス爺さんも真似をしだした。


 それを見ていた俺らも爆笑しながら飲酒が加速した。


「ほら、見ろ。セレナたちもダメージ残ってるぞ」


 セレナなんかは、今にも机に潰れそうだ。


 ベルは、俺と同じくらいかな?


 シオンは、ケロっとしてやがる。


「皆、飲み過ぎ。制限すべき」


「うう〜っ、美味しいのが悪いのよ」


「確かに美味しかったですね。それと魚なんて初めて食べましたよ」


「そういや、海沿いの町でもないと出回らないんだっけ? うちは、鑑定が使えるから川魚も食えるけど」


 川魚は、寄生虫がいる可能性がある。


 異世界の寄生虫なだけあって、食うと死ぬから避けるそうだ。


 そうそういないが避けるのが正解だろう。


 鑑定魔法を使える者が少ない訳だし。


 うちは、俺、アイリス、マリーが使える。


「そうですよ。羨ましい限りです。私も使えないので」


「ベル。教えてやるよ。今から教える文字を魔力で書いてみて」


 ルーンにも鑑定はあるが、使っていない。鑑定眼あるし。


 ベルの側に移動して、前にある味噌汁……でいいか、に向かって文字を書く。


鑑定(アスク)


 いつもの見ている透過したパネルが出る。


 名称:普通の味噌汁


 説明:サツマイモとネーギ、味噌が含まれている。


 ネーギは、ネギだな。こっちの名称表記か。


 そして、内容は鑑定眼と比べて簡易なものだ。


「えっ。今のルーンですか!私の手を動かしてやってくれませんか?」


 速かったから解りづらかったか?


 ベルの手の上に、俺の手を重ねて動かす。


「はわわ……」


「こうな。理解出来た?」


「かっ、書いてみるので間違ったら矯正して下さい!」


「はいよ」


「えっと、アスク!」


 問題なく文字を辿れていた。


「でっ、出来ました!出来ましたよ!」


 大喜びするベル。


「おっ、一発で出来たのか?」


 パネルは、本人にしか見えないから判断出来ない。


 アイテムボックスとかなら見せたいと思えば見せれるが、鑑定は別なんだよな。


「はい!パネルは、どう消せば?」


「手で払えば消えるよ」


「あっ、本当だ」


 ベルが手を払う動作をしたから消えたようだ。


「ユーリさんに使って見ても良いですか?」


「うん?いいぞ」


「アスク!……これは!?」


 アレ?かなり驚いてる。簡易版の筈だろ?


 自分にかけてみた。


 名称:ユーリ・シズ


 種族:半神(デミゴッド)


 状態:二日酔い軽微


 身長:174


 体重:61


 耐性:全て


 魔力量:6,038,700,000


 おっ、魔力量が数値化して見れる。


 変動するらしいけど基準が見れるのはいいな。


 これはこれで便利だ。


 代わりにスキルは見れないようだが。


 これは、銃の消費魔力を正確に見れるじゃないか。


「へぇ〜、人だと魔力量までみれるのか。知らなかった。鑑定眼頼りだったしな」


「どんな魔力量してるんですか!?話に聞く、竜種と同等の魔力量ですよ!」


 マジで?


「マリー。ちょっと鑑定で見ていい?」


「良いですよ」


「アスク」


 名称:マリアナ・ヴァーミリオン


 種族:竜種


 状態:健康


 身長:137


 体重:38


 3サイズ:B72-W50-H71


 耐性:土と闇以外全て


 魔力量:6,546,120,000


「ぶっ!?」


 女の子が見られたくない奴を見てしまった。


「?ユーリさん、どうしました?」


 マリーが心配そうに見てくる。


「いっ、いや、何でもない。べっ、ベル、ちょっと」


「はい?」


 ベルに内緒話をする。


「これ、女性に使うの極力禁止な!」


「何故です?」


「……セレナに使ってみれば分かる。酒の影響もあるし、俺との比較が出来ると思う」


 よし、道連れにしよう。


「はい?えっと、セレナ見ていい?」


「うう〜ん、鑑定の練習?良いわよ。仲間が優秀になる事は私たちにも影響するからね」


「じゃあ、使うね。アスク……なぁあ!?」


 これで仲間だな!……俺も見てみよう。


 バレない様に、アスク。


 名称:セレナ


 種族:人類


 状態:二日酔い重度


 身長:166


 体重:56


 3サイズ:B91-W61-H85


 耐性:火、水、風、聖


 魔力量:720,000


 わ〜お、なかなか。


 普通の人の魔力量は、こんなもんか。


「あははは、見てしまったな!ベル!」


「こんなのユーリさんには出なかったですよ!出たのは、……のサイズだったし」


 顔を赤らめながら、視線を俺のナニに向けている。


「おい!ちょっと待て!お前は何を見た!」


 これ、人によって結果が変わるのか?


「なっ、何も……」


「そうか。言わないのなら。アスク」


 ベルに鑑定魔法をかける。


「なぁ!?」


 名称:ベル


 種族:人類


 状態:二日酔い軽微


 身長:157


 体重:53


 3サイズ:B75-W54-H83


 耐性:火、風、雷、聖、闇


 魔力量:5,120,000


 さすが、魔導師。魔力多いな。


「安産型か?ってか、身長の割に……」


「嫌ぁああーー!!」


「で、言う気になったか?」


「ゆっ、ユーリさんの息子のサイズです!」


「やっぱり、やっぱりなのか!」


「えっ、見えなかったんですか?自分にかけたのに?」


「見えてねぇよ!今日、知ったわ!!身長体重しかねぇよ」


「3サイズがでるのは、女性だけでしょうか?」


 この魔法は、やる者によって差が出る様だ。


 それとも無意識にカットしてるのか?


 数試さないと分からないな。


 ベルに使わせてみれば分かるか。


「3サイズ?」


「体重?」


「「あっ!?」」


 俺たちの背後にマリーとセレナが来ていた。


 途中から内緒話によるものでなく、普通の言い合いになっていたようだ。


「ユーリさん。ちょっとお話しましょうか?」


「ベル。私、貴方の見たモノについて詳しく聞かせてくれないかしら?」


「「あははっ……」」


 背中を冷や汗が流れる。


 2人の背後に般若が見えるよ。


 俺たちは、各自で連行されてお話をすることになった。


 余談だが、意識する事で3サイズと体重は消せる事が分かった。




 ******************



「意識すれば見えないから大丈夫だって」


「そうですね。使って慣れるとします」


「私も後で習う予定」


「シオンもか?」


「覚えて損はない」


「良いですか?」


「ベルの好きにして良いよ」


「ありがとうございます。師匠」


 今回の一件で師匠呼びになった。


 というか、師弟でもないのに魔法を教える事はないそうだ。


 だから、俺が師匠で、ベルが弟子。


「さて、テリーゼに行くか」


 ポーションとかを売りに行くので、そこまで同行する事になった。


 一応、リリスたちが先に行っているから、俺は行かなくてもいいんだが心配だしな。


 俺たちは、お喋りを続けながら歩き出した。

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