調整したらヤバくなった
とりあえず、各自の魔法量を銃で確認してみる。
どれだけ撃てるか知る必要もある。
とりあえず、目安は百発。
俺やアイリス、マリーは全く疲労無しで達成。
ハイエルフ組と驚いた事にイナホが少し疲労するものの達成した。
残りの面子は、バテて百発届かず。
60発程度が良いところだった。
だが、結果は上々。
護身用なのでそれだけ撃てれば十分だろ。
渡すマガジンも行動阻害を目的にした雷と氷のマガジンの予定だし。
雷のマガジンは、帯電。スタン目的。
氷のマガジンは、凍結。行動減速目的。
これなら、逃げる時間を稼げるだろう。
「悪い。実験に付き合わせて。今日の仕事はしなくていいからゆっくりしてくれ」
疲労回復には、甘味。
さっそく、イビルフロッグのゆで卵を振る舞った。
「やっぱり、こっちの方が最高!」
「ほぉあ〜、こんなの初めてです」
「他の果物とも相性良さそうですね」
「でも、そのままで良くない?姉さん」
「そのままも良いけど、私は黒蜜をかけた方が好きよ」
「正直、私もそうですね。あっ、黒蜜をもう少し貰えませんか?」
「ほらよ。他にいる人〜」
「「「はい!」」」
獣人組は、幼いだけあって甘いのが好きだな。
黒蜜をかけてあげる。
「フィーネとミズキはどうする?」
「まだ、あまり食べれてないので……」
「私も同じです」
疲労により食べるのもキツそうだ。
「よし、フィーネとミズキ。スプーン貸して」
「はい?どうぞ」
フィーネからスプーンを受け取る。
「まず、フィーネ。口を開けて」
「?」
言われるままに口を開けた。
皿のゆで卵をスプーンで掬い口に運ぶ。
「あ〜ん」
「!?」
口に入れられたので条件反射で食べた。
「次は、ミズキな。あ〜ん」
「はっ、はい!」
顔を真っ赤にしながら口を開けたので入れてあげる。
それを交互に繰り返して食べさせていた。
「あっ!ズルい!私も!!」
「いいよ。あ〜ん」
アイリスが参加したのでしてあげる。
「あっ、これ、ヤバっ!?」
おっ、珍しい。
アイリスがめっちゃ恥ずかしがっとる。
「アイリス。ほら、あ〜ん」
こう、なんかゾクゾクしたので更に続けた。
「ちょっ、もういいって」
「ほらほら、落ちちゃうよ」
「うう〜〜」
仕方なく食べてくれた。
無理強いは、これくらいでよしておこう。
嫌われたくないしな。
「さて、……分かった。やるよ」
イナホを先頭に素直に並んでいた。
その後、全員にあ〜んをする事になった。
皆とのイチャイチャタイムが終わったら、また工房に戻った。
各自に合わせて調整する為だ。
まず、魔力多い組。
アイリス、ハイエルフ組は、俺と同じタイプで作成した。
アイリスも気にいったみたいで欲しがったから造る。
しかも、2丁。
あれから更に撃ち続けて、五百超えても疲労してなかったから大丈夫だろ。
ハイエルフ組の物は、戦闘用に調整する。
撃てる回数は、減るだろうが威力が増す様に特製のマガジンを作成した。
火竜の粉末鱗を混ぜた特製マガジン、通称火の竜撃弾4個。
1個は、自分用にした。
マリーは、本人の要望により聖属性の浄化を付与した。
また、銃のサイズも小型を希望されたのでデリンジャーサイズを作成した。
竜種にいるのか?
と、思ったけど嫁からの要望なら作らない訳にはいかない。
イナホは、デリンジャーサイズで2丁作成。
こっちは威力を下げ、属性相性による効果を狙った。
片方に水のマガジンを装填し、もう片方に雷のマガジンを装填した物を用意した。
単一の威力は下がるが、同一個体に撃ち込むと威力が増すようになる。
残りの組は、当然デリンジャーサイズを一丁ずつ作成。
この面子は、調整があまり出来そうにないので、基礎設定はそのままにサイズを小さくした。
威力は変わらないから大丈夫だろう。
次の日、実戦で確認。
森の中で狩りを行った。
俺とアイリス、マリーを前衛にして、他の面子は後方射撃。
まず、イビルフロッグに遭遇。
「フィーネ、ミズキ!スタンショット!」
雷のマガジンを装填して4〜5発程射撃した。
対象に命中すると放電し、ほぼ外傷もなく、絶命した。
次は、森では珍しいロックバードに遭遇した。
「フラン!ユキ!フリーズショット!」
こっちも氷のマガジンを装填して4、5発命中させた。
対象は、氷漬けにされて絶命した。
ちょっと強い気がするが、一応想定の範囲内。
続いて、ポイズンスネーク出現。
「イナホ!」
「はい!」
イナホの射撃が数発命中。
ポイズンスネークは、絶命した。
「……次に行こう」
あれ?ポイズンスネークは、危険度Aだから、スタンするだけの予想じゃなかったっけ?
まぁ、下級2つだから中級と上級の間くらいの威力が出なくも無いが……。
考える内に、レッドボアと遭遇。
「リリス!リディア!リリア!ドラグニルショット!」
「「「はい!」」」
各自撃ったのは、一発だけだった。
「ナニコレ」
命中したレッドボアが削り取られて絶命した。
まず、リリスのが正面から当たり大穴を開けた。
次に、リディアが上部を吹き飛ばし、リリアが下半身を吹き飛ばした。
「うわぁ……」
「ユーリさん。これは……」
「大丈夫。分かってる。3人共、竜撃弾は緊急時や外装の硬い敵にのみ使用可能にする」
「「「はい……」」」
残念そうにしない。
流石に強力過ぎるからな!
薄々気付いたけど、とんでもない物作った気がする。
「実験はこれくらいにするか」
「え〜っ、私も試したい!」
まぁ、ちゃんと動くか確認したいし、いいか。
「じゃあ、次で最後ね。火のマガジン使って」
「了解!」
さてと、何に遭遇するやら。
ガサガサ。
音がしたので、茂みの中を魔力感知でみると人の集団を確認した。
「一応、人だけど警戒で」
相手が茂みから姿を見せる。
「あれ?」
「おっ?」
それは、とても見知った顔。
「カトレアじゃないか」
「ユーリ!」
カトレアと再会した。