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黒星石と魔法銃

 クエストから帰って直ぐにグラディス山脈の岩山に行った。


 黒星石を大量入手する為だ。


 実は、希少金属なのだという。


 普通に岩壁から生えてたし。


 綺麗な黒石程度にしか思ってなかった。


 黒星石は、昔のまま石壁から生えていた。


 鑑定。


 名称:黒星石


 レア度:A


 説明:黒星石の鉱脈。魔法と相性が良く、武器や魔導具の材料に用いられる。


 最初から見とけば良かった。


 今回は、空間魔法でごっそり削りアイテムボックスへ保存する。


 家程の大きさ分を確保した。





 家に戻って鍛冶工房を造る。


 希少な鉱石を持っているのに使わないのは勿体ない。


 それに毎度、他人の鍛冶工房を借りるのはマズいと思った。


 という訳で作成を……。


 頓挫した。


 自分が欲しいのは、窯と炉。


 窯は、良い。


 岩石を持って来て、削るだけだからだ。


 炉が出来ない。


 黒星石の溶解温度より高い物が無い。


 鍵の様な小物ならフラガラッハの形状を変えて使える。


 本格的な物を造るには最低でも大鍋サイズは欲しいが、フラガラッハの形状変化でもその大きさまでは出来ない。


 だが、下、下横、上横と3回に分ければ造れるだろう。


 でも、問題なのは、黒星石を溶かすのに黒星石で炉を造っては意味が無い。


 同じ温度で溶ける。


 どうしよう?


「炉用の鉱石にお父様の鱗を粉末にして混ぜれば良いのでは?」


 マリーに相談したらそう提案された。


 鱗だけに、目からウロコが落ちた。


 竜の鱗を加えた物は、溶解温度が上がるからだ。


 それが、火竜なら尚更。


 早速、ガイアス爺さんの所に行って、「鱗を一枚下さい」と土下座した。


「……お主、今度は何をする気じゃ?」


「何って、炉を造って鋳造する」


「炉と鋳造とは、何じゃ?」


 そうだった、知らないんだった。


「炉は、鉱石を溶かす鍋みたいな?鋳造は、鉱石を溶かして型に入れて任意の形を造ること。溶かすと叩いて鍛えるより硬度は下がるけどそれでは出来ない形とか出来る。渡した鍵みたいに」


「妙に複雑な鍵じゃと思ったらそういう事か。てっきり、お主の空間魔法で削ったのかと思ったわい」


「それだと削った部分の強度が下がって壊れやすくなるからな。鋳造した方がいいんだよ」


「良かろう。売ってやるから造ったら見せてくれ」


「あざーす!」


 畳一枚程の大きさがある赤い鱗を渡された。


 見た目の割にめっちゃ軽い。


 値段は、白金貨3枚。


 高過ぎだろ!


 フラガラッハのヤスリで半分を粉末にした。


 フラガラッハの炉で溶かした黒星石に加えて鋳造。


 3回に分けて作製した。





 実験。


 熔鉄。問題なし。液漏れもなし。


 本番の黒星石。


 中身は、溶けた。


 炉は……溶けてない!


 完成した。


 溶かした黒星石どうしよう?


 新しい武器でも造るか?


 ……ちょっとやってみたい事が出来た。


 直ぐに型を創り、流し込む。


 出来たパーツをヤスリで磨く。


 必要な部位に刻印をしてパーツの準備は良し。


 空間魔法で構築して完成。


「出来た」


 俺の手に握られているのは、銃だ。


 ただし、普通の銃ではない。


 魔法銃だ。


 マガジンを切り替える事で、違う属性が撃てる様にした。


 素人が銃を造れるのかだって?


 造れるぞ。


 銃の構造は単純なんだ。


 大雑把に言うと筒と引き金、撃鉄で出来ている。


 引き金を引くと撃鉄が起き、離すと降りる。


 撃鉄が薬莢を叩き、弾が筒を通るのが銃の工程だ。


 魔法銃の構造もほぼ同じ。


 まず、銃を握り魔力を流し、引き金を引く。


 撃鉄がマガジンに接触すると魔力が流れ起動。


 発動した魔法が筒を通って放たれる訳だ。


 耐久テストを始める。


 庭に木で造った的を置き、火のマガジンをセット。


 火のマガジンは、中級の火炎魔法を刻印している。


 射撃開始。


 直撃した場所で爆発が起こり、的が砕ける。


 10発程撃ってみたが、全弾命中。


 というか、魔法弾なので補正が入る。


 反動もほぼ無いので、ブレる事もない。


 銃身の発熱も確認されない。


 氷のマガジンに変えて撃つ。


 氷のマガジンも同様に中級の凍結魔法を刻印したものだ。


 問題なく、着弾場所で凍結が起こる。


 銃身の凍結も無し。


 他のマガジンにも切り替えて試す。


 一通り撃ったが問題ないようだ。


「何を造ったの?」


 音を聞き付けてアイリスたちが集まってきた。


「俺の国の遠距離武器に魔法を組み込んでみた。マガジンを変えると属性も変わるようにな」


「えっ、属性の変わる武器ですか!?」


 マリーは知識が豊富なだけにめっちゃ驚いてる。


「使う?人によって変化出るか確認したいし」


 問題なさそうなら、護身用としてフィーネたちに配備しよう。


「あの、ユーリ様。使わせて貰っていいですか?」


「いいぞ。魔力を流し、引き金を引くと発動する。こっちが氷で、そっちが雷のマガジンな。属性の切り替えは、マガジンを入れ替えるだけだ」


 興味深そうに見ていたハイエルフ組に渡して、やり方を説明した。


 リリスたちの射撃が始まった。


「魔力消費はどうだ?属性毎の差はあるか?威力は?」


「魔力消費は、特に感じませんね。凄い使いやすいです」


「属性は、苦手属性も同じ魔力量くらいで使えてます」


「威力は、同じ魔力による攻撃より少し強いくらいですかね?」


「重さは?」


 反動が無いとはいえ、俺用に50口径くらいで造ったからな。


「クロスボウより軽いくらいでしょうか?」


「ですね。自分は、問題ないです」


「私も」


 ハイエルフ組には、問題ないようだ。


 マジでか。まぁ、反動ないしな。


 ミズキたちにも試させたが、重そうだった。


 だよな。普通そうだよな。


 ミズキや獣人組には、小型化した物を渡す事にしよう。


 フィーネも小型な方が良いそうだ。


 なら、各自専用に調整するのも良いかもしれない。

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