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続・初クエスト

 イビルフロッグの卵は、魔物に大変好まれるらしい。


 その為、他の魔物が釣られて出現する可能性がある。


 イビルフロッグが複数いた場合は、捜索する決まりになってるそうだ。


 回収出来そうな個体も探したかったからちょうど良かった。


 とりあえず、4匹は確保した。


 1匹は、半分炭化しているけど……。


「おーい!卵があったぞ!!」


 レンが見つけたらしく、声が聞こえてきた。


 俺らは、声のした方へ向かった。


 そこには、小さな水溜まりがあり、カエル特有の連なった卵が複数沈んでいた。


 しかし、大きさは比べようもない。


 1個が、サッカーボール程の大きさがある。


 鑑定。


 名称:イビルフロッグエッグ


 説明:食用可能。卵の中に黒濁りがある物は、孵化途中の物である。食用可能であるが少量の毒素が有り、食べ過ぎると腹を下す。


 オススメ:湯煎すると色が変わり白いゼリーが出来ます。甘みも有りデザートにピッタリです。イメージは、杏仁豆腐ですかね?


 杏仁豆腐……なのか?


「じゃあ、破壊しますか」


「待て!」


「何か有りましたか?兄貴」


「壊すのは、黒濁りのある卵だけにしてくれ。美味いらしいんだ」


「これを食べるんですか?」


「あぁ、そうだ。アイテムボックスにも入れられるから貰っていいか?」


「俺たちは、構いませんが、正気ですか?」


「正気。ガチだ」


「それ、美味しいよ」


 既に、アイリスは食った事があった。


「甘いけど、食感があまりなくて、噛むと割れるんだよ」


「それは、生だからだろ。ゆで卵にするといいらしい」


「湯煎するの?」


「そう。そうすると白いゼリー状になるらしい」


「それ、楽しみ」


「じゃあ、貰うからな」


「どうぞ」


 料理人スキルの鑑定が言ってるし。


 アイリスも美味いと言った。


 これは、美味いはずだ。


 経験を信じる。


 アイテムボックスに回収した。


 試しに、黒濁りのある卵にアイテムボックスをぶつけたが生物認定されて収納不可能だった。


「これで良し。良いデザートが手に入った」


「……兄貴。調理したのを分けて貰っても?」


「気になるか?いいぞ」


 しっかり料理してみせよう。


「他は、壊すか」


 剣で突っついたら破裂した。


 皆も同じようだ。


 アイリスは、手で触れて消す。


 消すというか、食べてます。


 人型でも触れる箇所で捕食が可能なのだと言っていた。


 食べる度に笑顔になる。


 卵も好物の1つなのかもしれない。


 でも、アイリスの特に好物なのは、体液。


 魔力が濃厚な程美味しいらしい。


 ちなみに、今のお気に入りはマリー。


 やる時、絶対参加する。


 月の雫は貯まるし、俺も嫌じゃないけどね。


 割れた卵は、甘い匂いを漂わせ周りに充満する。


「うん?」


「おっ?」


 だからか、魔力感知に引っ掛かった奴がいる。


「お二人共、どうしました?」


「全員、警戒。こっちに向かってくる魔物がいる」


「なんですって!?」


 各自、武器を構える。


 俺は、魔力感知の精度を上げて確認する。


 これは、ヘビか。


「来るぞ」


 ザザザザッ。


 ヘビが、草をかき分け進んで来た。


 俺たちを認識して身体を起こす。


「ポイズンスネーク!!」


「匂いに釣られて来やがったのか!?」


「うん?ちょっと待て!何か、違くないか?」


「色だ!色が違くないか?」


「確かに、いつもと色が違うような?」


 いつもは、紫なのに赤っぽい。


「おっ、亜種だね。でも、いつもと変わらないよ」


 アイリスの説明で理解した。


 アレは、亜種だ。


 突然変異の特殊個体。


 ちょっと技が違ったりするけど、そこまで差はない。


「いつも通りで大丈夫だと思う?」


 一応、アイリスに聞く。


「大丈夫だと思う」


「何、のんきに会話してるんすか!?来ますよ!」


 いつもの手順を実行。


 ヘビの背後に転移。


 スパッ。


 頭に毒腺があるので首を撥ねる。


 というか、何処から首なんだろう?


 それっぽい所で両断した。これでよし。


 ポイズンスネーク亜種は、絶命して倒れた。


「終了」


 炎魔剣イフリートで斬ったが、なかなかの効果だった。


 超高熱により、傷口が焼けて血が出ない。


 対人戦でも有効そうだ。


 殺さず無力化出来る。


 手足の1本や2本。エリクサーで治る。


 良い貰い物だ。


(エア)


 甘い匂いを霧散させる。


「これで大丈夫だろ?匂いに釣られてきたのコイツだけだし」


「こっちも反応ないよ」


「なら、回収して帰るか」


 ポイズンスネーク亜種をアイテムボックスに収納。


 頭もちゃんと回収する。


 前に頭無しで持っていったら、頭の毒腺が重要だって言われた。


 毒武器や解毒薬に使うようだ。


 特に、毒等の状態異常武器は、高値で取引されるらしい。


 転移門(ゲート)


 今度は、魔力消費の疲労を感じない。


 創った扉を見る。


 草原に一枚の銀色の扉。


 違和感半端ねえ〜。


「バルトたち、帰るぞ」


 ヤケッパチの連中に声をかける。


「「「「………」」」」


 反応がない。呆けてるようだ。


 何か、驚く事あったか?


「お〜い、起きろ〜」


「ハッ!」


 身体を揺すったら気が付いた。


「帰るぞ。全員、門をくぐれ。ーー駆け足でなくていいぞ」


 何故か、コイツら走り込みそうだった。


 そこまで急ぐ理由はないのだが。


 門を通れば、即ギルド。


「分け率は、作戦前通りでいいか?ポイズンスネークも入れるか?」


 俺らが7で、バルトたちが3。


 多過ぎだろと言ったら、これで良いと全員が頷いたのでこうなった。


「ポイズンスネークは、兄貴のみで狩ったのでそっち持ちでお願いします」


「了解」


 開始から3時間程で初クエストは終わった。

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