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採集!採集!採集!

 こんにち。メルです。


 この度、インパクトシードの採取クエストを竜王国からいらした方たちと合同で行う事になりました。

 目的の植物は、この国では珍しい植物なので捜索が困難する事が予想されます。


 そう予想される筈だったのですが……。


「あの〜っ、こちらの方たちは?」


 森へと辿り着き長期間を見据えて野営を設置していた所、ふらりと出ていったユーリさんは謎の女性を連れて帰ってきた。


「この娘はダフネ。精霊だよ」


「精霊!? この大きさでかっ!?」


 テルキが驚くのも無理は有りません。

 彼女のモノは私のモノより2カップ程も上なのです!

 しかも大事な部分は申し訳ない程度にしか隠れていないから、男性なら目が行くのは仕方有りません。


「これ程身長が高く大人びた精霊は初めて見たよ。彼女の正体は、上位精霊とみた? 違うかな?」


 私はテルキを信じていました。彼は身長の事を言っていた様です。

 精霊は実体を持っても子供の姿だと聞きます。大人の姿をしたダフネさんは上位精霊である可能性が濃厚です。


「正解。木の上位精霊さ」


「なるほどな。そりゃあ、大人の姿な場合もあるね。ところで……」


「さっきから気になってるのですが、ユーリさんがその手に握っている物は?」


「インパクトシード」


「「ですよね!?」」


 なんと言うことでしょう!

 私たちが野営を準備する間にクエストが終わってしまった様です!!


「速すぎませんか!?」


「木の上位精霊は凄いですね!?」


 木の精霊は植物の声を聞けると聞いた事が有ります。恐らく彼女の力を借りて探し出したのでしょう。


「確かに借りたけど……めっちゃ群生してたよ?」


「「うちの国、どうなってんの!?」」


 我が国では先に述べた通り珍しい植物です。

 森に自生していたなんて聞いた事すら有りません。それが群生ともなると尚更です。


「それじゃあ、帰ろうか」


「まさか、森にきて30分程で終わるなんてね……」


「移動に2時間。帰りにも……往復の方が時間がかかったね」


「いや、帰りは一瞬だよ」


「「えっ?」」


 後ろを歩くユーリさんの方を振り返ると同時に彼女は私たちへと触れてきました。

 その瞬間、私たちを包む謎の浮遊感? 力が抜けて膝を突きそうになり驚きました。

 しかし、目に映った光景は更に私たちを驚かせる事となります。


「えっ!? ここって!?」


「メルトローナ!?」


「その城門近くだよ」


 どうやらユーリさんは幻とも言われる転移魔法の使い手だった様です。


「アレ? そういえば、アイネさんたちは?」


 テルキの言葉で周囲を見渡すとアイネさんたちの姿が有りません。


「まさか、森へ置いてきーー」


「無事到着♪」 


「アイネさん。助かりました」


「ユーリやアイネみたいに私たちも長距離跳躍出来たら良かったんだけどね。私たちはせいぜい頑張っても300m程度が限界だから」


「「………」」


 どうやらこの場に転移の使い手がかなりいる様です。これには私たちも呆れるしか有りません。


「さて、インパクトシードの件は報告すれば終わりだけど……2人には今から付き合って貰おうか? まさか、何もせずに報酬だけを貰おうとか思わないよね?」


 悪どい笑みを浮かべるユーリさん。

 彼女は一体私たちに何をさせるのでしょうか?


「まずはどっちにしろ冒険者ギルドに行かないとね♪」






「えっ? もうクエストを終わられたのですか?」


 流石にコレには熟練の受付嬢たちも驚いたらしい。


「すみません。確認の為、一時お預かりします」


 受付嬢たちの手によってインパクトシードの審議が始まった。

 依頼人への受け渡しは自分たちなのだが、冒険者ギルド的に偽物を持って行かれると信用問題に発展しかねないので一度経由する必要がある。


「時間掛かりそうだから他のクエスト受けていて良いかな?」


「あっ、はい。どうぞ」


「許可も取れたし。君たちの出番だよ。コレにサインして」


 渡されたのは新しい依頼書だった。

 内容はインパクトシードと同様に危険植物の採取が目的の様だ。


「コレも最低人数があるみたいでね。2人の協力がいるんだよ」


「場所は……またさっきの森に逆戻りか」


「私たちは構いませんよ。でも、またあの距離を移動する事になりますね」


 帰りは転移魔法で一瞬だったが、アレ程までに高度な魔法をそうホイホイと使える訳が……。


「……すみません。この扉は一体?」


「扉の向こう側に森が見えるのですが?」


「転移門(ゲート)です」


「「………」」


 もう私たちは何も言いません。ええ、言いませんとも。

 彼らは魔法のスペシャリストの様ですし。例え空を飛ばれても驚きはしませんよ。


「シビレウニはあの栗みたいな奴。今、実ってる青い物が必要。変色し下に落ちてる物は痺れ効果が薄れてて役に立たない」


「飛んで採取して来るよ」


「下で袋を広げていてくれ」


「「了解」」


 水中を浮き沈みするみたいに飛翔するユーリさんと背中に蝶の羽根を生やして飛翔するアイネ。

 彼女たちは空中に留まると目的の物を採取し、下の2人は袋を広げて上から落とされる物をキャッチしていった。


「「いやいや、何で飛べるの!?」」


「空間魔法の応用!」


「羽根が有るから!」


「なる……ほど?」


 ユーリさんはなんとなく分かる。でも、アイネさんはおかしい。


 アレ? 人って羽根を生やせるんだっけ? アレも何かの魔法?


 私は混乱で頭が可笑しくなってしまった様だ。隣のテルキも困惑した表情を浮かべていた。


「それじゃあ、再び冒険者ギルドへ」


 再び開かれた転移門を通って戻った。


「いや、だから、速すぎません!? まだ審査が終わってませんよ!?」


「それじゃあ、次のクエストを……」


 その後、私たちは同じ様な流れで採取クエストをいくつも受けるのだった。

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