拠点拡張と成長促進ポーション
人数が増えたので一思いに新築する事にした。
まずは、エリアの拡張を行った。
というか、木材確保の為に伐採すると自然に広くなる。
自生していたゴールドアッポの木の所まで手を伸ばして敷地内に取り込んだ。
これで、拠点内に木が2つ入ることになる。
伐採した木は、いつも通りに空間魔法で分解、木材へ。
創る人のおかげで相変わらず乾燥まで完璧。
次に、新しい柵を作っては設置、作っては設置を繰り返して、土地をかなり拡張した。軽く5倍くらいは、広くなったと思う。
「ブルルッ!」
柵を設置していたら巨大なイノシシに遭遇した。
柵には魔獣避けの効果があるが、認識されたら意味がない。
鑑定。
名称:エルダーボア
危険度:A
解説:巨体を生かした突進を得意とする。また、弱点は額であり、それを守る牙と皮の硬度は、A-に相当する。
オススメ:豚汁にしましょう。脂があり、大変美味しいです。醤油が有るので生姜焼きもいいでしょう。
豚汁に生姜焼き。
食いたくなって来た。
「ブビィィーー!」
こっちに向かってくる。
俺は、柵から離れた。
バチッバチッバチッ!
「ピギッ!?」
エルダーボアが柵にぶつかり絶命した。
新しい柵は有能な様だ。柵に歪みもない。
地中深くまで杭を打ったからだろう。
昼だからエルダーボアを持って帰って解体する。
血抜きは、アイリスの担当。
解体は、俺。
いつも通りスキルで高速処理。
皮と牙と肉になった。おまけで珠が出てきた。
魔石だ。儲けた。
結局、昼は豚汁にした。
生姜焼きだとご飯が欲しくなる。
まだ、手に入れていない。
人数が増えたし栽培しても良いかも?
という訳で食材を切る。
……量が多い。
あっ、フィーネが手伝ってくれるの?
ありがとう。
それじゃあ、これを切ってから……。
2人で作業したので早く終わった。
野菜を煮て、味噌を入れると完成だ。
久しぶりの豚汁は、美味しかった。
そして、皆にも好評のようだ。
えっ、午後から仕事が欲しい?
フィーネたちからの要望だった。
休んでも良いのに働きものだな。
「じゃあ、ニワトリ小屋を頼む」
木材と工具をフィーネたちに渡す。
「お任せ下さい!」
皆、嬉々として受け入れてくれた。
俺も作業に戻る。
それは、家以外を更地にする作業。
特に、木を切った跡の切り株が大量に残っている。
前みたいに2人で暮らすならスルーで良かったが人数が増えた事で土地を整える必要が出てきた。
目に見える表面だけを削って纏められたら良いのにと思った。
思ったら、魔法が思い浮かんだ。
「空間集積」
見える範囲。地上部を全て空間魔法で削った。
削った物は、亜空間に集積される。
それを現実に出す。数が数なだけに山が出来た。
「灼熱地獄」
炎魔剣イフリートの固有スキル。
剣を突き刺し、火炎効果付与により発火させる。
高火力のあまり一瞬で灰になった。
畑の土に混ぜよう。
ここまで来ると木の配置とかも弄りたくなった。
しかし、移動出来なくないが、根が定着せず枯れる可能性もある。
なら、植物が活性化して根を張るようにすればいいじゃないか!
そういうクスリはないか?
……あった。
成長促進ポーション。
材料が足りないので、薬屋テリーゼから購入して作製。
実験として、趣味の桜で試す。
流石に食料はまずいと思った。
桜を中央に移動して、成長促進ポーションを1本使いきる。
ムク。
おっ?
ムクムク。
おおっ!?
全力で退避!!
桜は、急速に成長して巨大な大木へと姿を変えた。
1本は、多過ぎた様だ。
次からは気を付けよう。
せっかくなので一本桜をシンボルにする。
そして、その前に神社を建てた。
昔の寝床は惜しいが、更地にする事にした。
その為に、タナトス様を祀る場所を用意する。
これは、家より先に優先せねば。
鳥居も設置。
色は、今度塗ろう。
塗料を入手しないといけないし。
桜で試して成功したので、ゴールドアッポの接ぎ木にかけてみることにした。
拠点のエリアの頂点に挿し木。
今度は、間違えない様に少しずつ行い、試験管の4分の1で立派な木に成長した。
余った分は、最初に育てたゴールドアッポの木と果樹にかけて成長させた。
これにより、拠点全体が空白領域に包まれた。