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住人が増えた

 1週間ぶりに我が家へ帰ってきた。


 木組み家は、健在だった。


 ゴールドアッポの木は、空けた間に腰まで伸びている。


 成長が速いな。


「帰って来たぁあーー!」


「キタァアーー!」


 アイリスと2人で叫んでみた。


 ビクッ。


「あっ、ごめんごめん!」


「大丈夫!大丈夫だから!」


 俺たちは、怯えた奴隷の娘たちを落ち着かせる。


 ガイアスの爺さんが手続きをした事で、俺が奴隷たちの保証人になった。


「私達は、何をやらされるのでょうか?」


 代表してミノタウロスの娘が聞いてきた。


 この中で1番お姉さんに見えるからリーダーなのかな?


「まずは、自己紹介からだな。それが終わったら話をするよ。俺がユーリ・シズ。で、こっちが俺の奥さん」


「エンペラースライムのアイリスだよ!よろしく!」


 皆の前でスライムになってみせる。


「「「………」」」


 びっくりして固まったようだ。


「そして、……何でいるの?」


 なんか、帰るとき付いてきた。


「うふふっ、お世話になるからですわ。マリアナ・ヴァーミリオンです。よろしくお願いしますわ」


「ヴァーミリオン……竜種?」


 さすが、ハイエルフ。気付いたようだ。


「はい。そうです」


「それじゃあ、順番に名前を頼む」


 マリーに気付いたハイエルフが、リリス。


 セミロングのツイストは、リディア。


 左から垂れるおさげが目印のリリア。


 名前が近いと思ったら姉妹だった。


 彼女たちの自己紹介を聞いて、知ったことがある。


 苗字がない。


 だが、目印はある。リリスを例にする。


『リ家のリリスです』と名乗っていた。


 名前の頭文字が苗字の役割も担うようだ。


 次は、獣人族。


 犬型と猫型、それから珍しいとされる狐型がいた。


 彼女たちには名前が無かった。


 獣人族は、お互いを匂いで判別できるので必要なく、奴隷の時も『犬』とか『猫』とか言われていたらしい。


「名前を付けようと思うが、希望はあるか?」


「いえ、お任せします」


「ok。なら、君は今日からイナホだ」


 尻尾を見た時から稲穂を連想していた。


 他の2人もイメージから連想する。


 犬型の娘は、タレ耳が印象的で、今は違うが元々は元気に溢れてた気がする。


 猫型の娘は、白猫で無垢な印象を受ける。将来美人さんになりそうだ。


「嫌なら否定して良いからな。犬の娘は、フラン。猫の娘は、ユキでどうだろう?」


 フランだけイメージとは関係なくなった。


 イヌサフラン。


 イヌで思い出した花の名前から取った。


「「ありがとうございます」」


 問題ないようだ。


 次が、 小人族(ハーフリンク)の娘。


 ただ、人間を小さくしただけの存在だった。


「私は、コーネリア出身のミズキ・ブラウンです」


「ブラウン?それは、ホントですか?」


「マリー?何か、気になるのか?」


「ブラウンというのはーー」


 マリー曰く。


 ブラウンとは、コーネリアの王族の名前なのだという。


 コーネリア王国は、ハーフリンクの集合体から生まれた国で、刺繍やら工芸品などで発展していたそうだ。


 しかし、10年程前にクズノズク王国がいきなり戦争を仕掛け、滅亡したらしい。


 大半のハーフリンクは直系王族の手によって逃げる事に成功し、その技術からクズノズク王国以外に引き取られた。


 しかし、逃げられなかった者は、その後、奴隷売買の商品にされ今も虐げられているとの事だった。


「はい、それで間違い有りません。私は、元第一王女の立場にいました。逃亡を企てた罪から両親並びに男性の直系王族は処刑されました。女性は、奴隷として売れるという事から生かされ、私は、ケディの報酬として渡されました」


「あ〜っ、マリー。復興とか手伝えないの?あと、王族に農業や給仕ってマズくねぇ?」


「難しいですね。復興協力したとしてもクズノズク王国は健在ですから、権利主張されて絞られると思います。農業や給仕は、本人の同意があれば問題有りませんよ」


「今の所、国を興す気は有りません!王族の身分が気になるのでしたら捨てます。だから、どうか見捨てないで下さい!」


 ここで見捨てられたらと考えたんだろうな、泣きかけてるし。


「大丈夫。見捨てない。ちゃんと約束してやるよ」


 撫で過ぎってくらい撫でてやった。


 次は、最初に喋ったミノタウロスの娘だ。


「名前は、フィーネ・マクスウェルといいます」


 ミノタウロスなだけあって色々デカい。


 特に、胸が凄い!


 あっ、身長は2mあるかないかで、イメージはちょっと背が高いお姉さんって感じ。


 そして、彼女からは甘い匂いがする。


「私は、あまり役には立てませんが、ミルクの提供や夜伽でしたら今日からでも出来ますのでどうか……」


「ミルク?」


「貴方は、乳牛族(ミルフィブリンガー)なの?あの希少種の?」


 分からない時は、即鑑定。


 名称:フィーネ・マクスウェル

 種族:ミルフィブリンガー


 ミノタウロスじゃなく、ミルフィブリンガーって種族だった。


 スキル:酪農家。養鶏家。ミルク生成。


 それより重要なのは、職業スキルを2つ持ってること。


 特に、養鶏家を持っていたのは嬉しい。


「ミルフィブリンカーのミルクは、魔力が豊潤で滋養強壮にいいと聞きます。王様への献上品にされる程です」


 そこには、注目していなかった。


「スキルに養鶏家ってあるけど、経験は?」


「あっ、はっ、はい! 育てた事が有ります」


 よし、出来るようだ。


「アイリス、新鮮な卵が手に入る様になるぞ!」


「ホント!」


「あぁ、フィーネのスキルがあればな!」


「えっと、よ、よろしくお願いします」


 これで全員の自己紹介が終わった。

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