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竜王祭 後日談

 竜王祭本戦から3日後。


 竜王祭の表彰式と贈与式が執り行われた。


「勝ち抜き戦勝利数10勝!これにより、見事栄光の座に輝いたのは、無所属ユーリ・シズ!!」


 パチパチパチ。


 歓声と拍手が鳴り響く。


 結局、他のメンツが終了するまで3日待たされた。


「続けて、カトレア!」


 まぁ、妥当だよな。俺も普通にやったら勝てる気がしないし。


 重戦車による蹂躙戦を想像した。


 後、カトレアの冒険者チームに誘われた。


 返事は、保留ってことにして貰った。


 ゲームと違い、ソロでの活動には限界があるからだ。


「第3位!シュヴァルツ家所属傭兵ヨーゼフ!」


 ロランとヨーゼフが競り合った。


 距離を詰めたいロランと詰めさせたくないヨーゼフ。


 2人の思いが交差して、激しい攻防が行われた。


 これは、見ていて白熱した。


 軍配が上がったのは、ヨーゼフ。


 決定打は、麻痺毒の弓矢。


 風の魔法でコントロールして、通り過ぎたと思ったらUターンしてロランの鎧の隙間に刺さった。


 見事な曲射。やはり傭兵侮り難し。



 ********************



 余談だが、2人の勝利数の内3回は棄権によるものである。


 一人目は、名も知らぬ宮廷魔導師。


 俺のルーンを見て即刻論文を書かねばとの個人的な理由で俺の全試合見終わったら帰国した。……君、国の代表だよね?


 二人目は、トーマス。


 最終戦の相手だ。何を思ったのか?これは分からない。


 俺とケディの試合が終わると直ぐに帰国した。


 三人目、ケディ。


 もう分かると思うが心を折られて戦えなくなった。


 国宝級の装備をダメにされた事も効いたらしい。


 だが、それで棄権なのではない。


 奴隷に刺殺された。


 どれだけ恨みを買ってたんだよ。


 奴隷たちは、ケディが手足を失った事で、今なら殺せると思ったらしい。


 介抱を名目に近付いた後、ナイフで滅多刺しにしたらしい。


 奴隷は、契約によって主への攻撃は出来ないが、俺のせいで出来る様になったのが原因らしい。


 フラガラッハの効果である概念切断は、契約書の効果にも及ぶらしく奴隷契約が破棄された。


 その後、竜王国での殺人の為、逮捕されたがその取扱いで問題になった。


 クズノズク王国に返すべきだが、奴隷売買は、禁止されているので保護しなければならない。


 しかし、保護したらしたで国の代表を殺されたクズノズク王国が黙っていない。


 事情も事情なので、受け入れ寄りの結論になった結果、俺に投げられた。


「はぁ!?」


「お主なら国家に囚われない存在だから問題なかろうて。それに契約破棄はお主のせいであろう。なに、あの森で暮らす為の援助はしよう。それに全員女性じゃ」


「分かった。全力で受け入れよう」


 別にやましい気持ちは……無くはない。


「確かに従者や住民なんか欲しいなぁって思ってたし」


 これは、事実。


 畑やら薬草やらを2人で見るのは大変だからだ。


 奴隷たちは、ハイエルフ・ホーリー種3名、獣人3名、ハーフリンク1名、ミノタウロス1名の全8名。


 全員が女性の理由は、性奴隷兼囮なのだと。


 モンスターに苦戦した時の盾や囮にして、死んだら買えば良いと考えてやがったようだ。殺されて当然だな。


 だから、見かねて引き取った。


 アイリスの許可も貰った。


 だから、家に連れて帰る予定だ。



 ********************



「優勝者ユーリ・シズ!汝は、これよりAランク冒険者となる。より一層の活躍を期待する」


 ランクEからAへと飛び級する事になる。


「カードは、後日ギルドより交付される。また、彼を讃えてコレを進呈する」


 ガイアスの爺さんが贈呈品を掴むと気温が上がった。


 その手には、魔剣に相応しい真紅に彩られた剣が握られている。


「炎魔剣イフリート。コレを汝の勝者の証とせよ」


 鑑定。


 名称:炎魔剣イフリート


 レア度:S


 性能:炎熱効果付与。熱吸収。火属性魔力変換吸収。自動再生。


「(儂の竜鱗で造ったモノじゃ)」


「(爺さん、火竜だったのか!?)」


「(なんじゃ、知らんかったのか?)」


「(知らねぇよ!)」


 マリーが雷風竜だから爺さんも同じと思ってた。


 火竜は、竜種最強だと言われている。


「(だから、竜王なのか!好きに使うけどいいのか?貰ったら、もう返さねぇからな)」


「(構わんよ。好きに使え。それより再開するぞ)」


 民衆の前で、竜王より魔剣を貰う儀式が再開される。


「真紅は、お主の象徴になろう」


「有り難く頂戴致します」


 当人たちからしたら普通の行為にしか見えないが、民衆からは伝説の光景に見えた様だ。


 おおぉぉーーーー!!


 盛大に歓声が上がる。


 それを他所に、これで家に帰れると意気込んでいた。

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