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バルトと彩花の生活

遅れてすみません。それと連絡です。

最近投稿が遅れ気味なことや修正が多いので、ガチで1日お休みします。なので、明日?は投稿しないと思います。

 彩花がうちに住み始めて3日が経った。最初は、遠慮こそあったものの、今ではだいぶ馴染んだ様に見える。

 近所の奥様方と楽しそうに喋っているのを目撃した。

 だが、俺の悪評とか恥ずかしい話は止めて欲しい。彼女へのフォローが大変なのだ。

 それと今朝もわざわざ弁当を用意してくれた。コレがとても美味しいこと美味しいこと。全力で彼女を振り向かせたくなる。

 だから、その為にしっかりとクエストをこなしアピールせねば!

 初夏へと移り徐々に上がり始めた気温の中、俺は彼女の依頼である人探しを続けるのだった。

 人探しの依頼は、絞り込みもあっさりと終わった。それと言うのもこの国には、住民記録があるからだ。

 お陰で、5人をリストアップ出来た。流石に名前は教えてくれなかったが、居るだろう場所は教えて貰った。

 俺は、それを元に調べていて、やっと居場所を突き止めたのだ。

 なので、その成果をいち早く知らせる為にいつもより速く、彩花が待つ我が家へと帰った。


「おぉ〜っ!」


 家の扉を開けると我が家だとは思えない程に良い匂いが漂ってきた。おそらく、今日も彼女の得意なスープを披露してくれるのかもしれない。


「あっ、バルトさん! お帰りなさい、速かったですね!」


「ただいま、彩花さん」


 出迎えてくれた彩花を見て、先程までの暑さによる疲れが一気に吹き飛んだ。そして、とても嬉しい気持ちになる。

 誰かが家で待っているというのは、これ程までに癒やしを与えてくれるらしい。


「進展はどうでしたか?」


「ああ、5人に絞る事が出来ましたよ」


「本当ですか!?」


「ええっ、本当です。直ぐにでも知らせたくて直ぐに帰って来ました。今から状況を話しましょうか?」


「あっ、だったら食事しながらにしましょう。今、丁度スープが出来た所ですよ。パンは、直ぐに焼きますね」


「なら、テーブルを拭いて皿を出してます」


「おねがいします!」


 彩花は、パンを焼きにキッチンへと向かった。俺は、その間に布を水で濡らしテーブルを拭いた。

 それからパンを乗せるだろう平皿とスープ用の器を並べる。


「………」


 こういう事を共同で行うと新婚生活の様に思えて来るのは俺だけだろうか?


「どうしました? ぼーっとして?」


 焼き立てのパンを持って彩花が帰ってきた。どうやら俺は思いの外、立ち止まっていた様だ。


「何でもないですよ。さぁ、食事にしましょう」


 今日の献立は、焼いたパンと彩花特製のスープ。

 パンもスープに使われている野菜も兄貴から貰っている物なので、そのままでも美味い。

 しかし、そこに彩花の技術まで加わり最高の一品へ姿を変えていた。


「いや〜っ、今日も美味いですね!」


「そんなぁ〜、素材が良いんですよ」


 自慢するのではなく、謙虚さを見せる彩花に余計に惹かれる自分がいた。


「それで、今日はどうだったんですか?」


 俺は、今食べていた物を飲み込んで、今日の成果を話す事にした。


「5人に絞れました。鬼人族自体は思いの外に居ましたが、条件に当てはまる方はそれだけでしたよ」


「5人……」


「ええ、そうです。やはり、海沿いが多いですね。ベレチアに3人。カノープスに1人。首都に1人居ました」


「他は?」


「居なくは有りませんでしたが、頂いた条件にあった複数の女性と関係がある人はそれだけでした。

 後は、名簿が更新されていない人ですかね?

 人数の関係上、申請してから2ヶ月ほどかかりますから」


「それだけ分かれば十分ですよ。まずは、首都からですか?」


「いえ、人数の多いベレチアに行こうと思います。移動の当ても手に入りましたからね。それと首都の方には会って来ました。でも、初老の男性でしたから違うと思います」


 彩花の話では、若い男性だという話を聞いている。


「まぁ、それなら後は4人という事ですね!」


「はい」


「でしたら、いつから向かいますか? 私も同行します!」


「彩花さんも?」


「はい!バルトさんが留守の間に、近場のクエストを受けたりして最低限の旅費は稼ぎました!ダメですか……?」


 くっ、可愛い!!

 上目遣いにお願いしてくる彩花に「良いよ!」と言いたくなる。


「ちょっと聞いてみます。移動には、転移魔法の使い手さんにお願いしますので……」


「転移魔法!?」


「どうしました?」


 転移魔法と聞いて彩花の表情が変わった。まるで、何かを思い出した様だ。


「今思い出したのですが、聞いた話だと探し人の男性も転移魔法の使い手だった筈です」


「何ですって!?」


 転移魔法は、稀少で使い手が少ない。だから、一般の使い手は秘匿されていたりする。


「(なら、貴族という可能性も有り得るな……)」


 一瞬、兄貴の事が浮かんだ。嫁が多数、転移の使い手、貴族。条件が当てはまる。

 しかし、鬼人族の娘を嫁にしたとは聞いていない。でも、和国から来た嫁との間に出来たとはきいている。

 だが、それは最近見ない天狗族の娘たちだろう。鬼人族で調べた時に兄貴の名前は出て来なかったしな。


「とりあえず、後でお願いしに行ってみますよ」


「ありがとうございます!」


 俺は飯を食べた後、確実に兄貴へのアポが取れる様にセリシールへと向かった。





 翌日。


「やっほ〜っ、アイリスだよ。よろしくね」


「彩花です!よろしくお願いします!」


 ベレチアへの移動の為にアイリスさんがやって来た。これは、俺からお願いした事でもある。

 実は、兄貴が来たら彩花を取られるのでは?と思ったのだ。

 兄貴自身は「あり得ない」と言っていたが、あの人の経歴が真実味を帯びさせる。

 結局、兄貴自身も思う所が会ったのか、アイリスさんにお願いしてくれた。


「すみません、姐さん。お手数をお掛けします」


「良いよ。バルトの頼みだもん。それに、ユーリが封印してたコレをくれたんだ」


 そう言ってアイリスさんから見せられたのは、『なんでも券』と書かれたチケットだった。


「それは……?」


「ユーリへのお願い何でも有り券だよ。以前、私達がやり過ぎちゃってね。それ以来封印してたのにくれたんだ。何をお願いしようかな?」


 一枚のチケットを抱き締めるアイリスさんはとても嬉しそうだった。


「そんな訳で移動は任せて。私、頑張るからね」


「「ありがとうございます!」」


「それじゃあ、行こうか!」


 アイリスさんが俺たちの方へと手を伸ばした。それに俺たちが手を添えると魔法が発動しベレチアへと転移した。

裏話として、ユーリがバルトのサポートをするけど姿を見せない事や彩音の申請遅れが原因で人探しは変な方向に行ってるという流れです

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