扉を開けるとそこは異界でした
霊泉に浸かったり、スフィンクスとイチャコラしたり、宝石を採取しまくったりと長かったクエストが終わった。
殆ど遊んでいた気がするが、気のせいだろう。
また、特別なクエストの為、報酬をたんまりと頂く事が出来た。
宝石は加工して転売しようかな?
鍛冶のスキルで指輪に腕輪、ネックレスまで何でも作れる。
『ただいま!』
俺たちは、報酬を受け取ったら直ぐに帰宅した。
1ヶ月過ごした港の拠点も良かったが、やはり我が家の有る妖精の箱庭は落ち着く。
後で、畑も見に行こう。
ここの所、狩りや生態調査などで土いじりを出来なかった。
久しぶりに新しいものを植えるつもりだ。
丁度、生態調査をした時に紫キャベツをゲットしたしね。
ただし、呼び方は一緒でも俺たちの知るモノとは違い、キャベツが周囲の魔力影響を受けて変異したモノの様だ。
食べると表皮の活性化が起こり、肌が凄く綺麗になる事が分かった。
その為、嫁たちに増やそうと急かされているのだ。
妖精の箱庭も魔力濃度が濃いので、栽培出来る可能性がある。
「ほう、良い所ではないか。長閑であらゆる種族が共存している。そうは、思わぬか?」
帰って来てから直ぐに外へと出た。
「あれ? 四足歩行は止めたの?」
俺の隣にやって来たネフェルタは、二足歩行になっていた。
「流石に、慣れ親しんだ場所ならともかく他の地を四足で歩くと不便が多くてのう。それに今は妾は、膣に1人しかいない故、この状態になれる」
二足と四足を自在に変化出来る様だ。
簡易版アイリスとでも言うべきかな?
ただし、お腹の中に子供が2人いた場合は出来ないとのこと。
そもそも四足状態なのが、多産に対応した結果らしい。
「さて、マリーは何処かな?」
転移門を潜って直ぐに会えると思ったが、彼女の姿は無かった。
おそらく談話室でお茶でもしているのだろう。
パタパタパタパタッ!
そう思っていたらこちらへ駆ける複数の足音が聞こえてきた。
どうやら出迎えにきてくれたらしい。
「皆、ただいーー」
「大変です! リリンが行方不明になりました!」
『えっ?』
地下室へ飛び込んできたマリーは開口一番にこう告げた。
それが、リリンの起こした騒動の始まりだった。
ハーレム部屋とか種付け部屋とか色々言われる俺のマイルーム。
そこを開けた俺は思考が停止た。
「……………ナニコレ?」
眼に映るのは、何処まで続くか分からない程に広い空間だった。
あからさまに変なピンクの土。ヌルヌルと蠢く奇形植物が多数。空には曇が掛かっており薄暗い。
「俺の部屋は!?」
「2日前にリリンが消えた後、掃除に来たらこうなっていたそうです。恐らく彼女が原因だと思います」
「また、リリンかい! もう、ワザとやってるよね、コレ!」
イタズラ好きなのは受け入れよう。だが、これはやり過ぎだ。
前にも似たことをしたからお仕置きしたばかりじゃ無かったか?
それともお仕置きが目当てだったりして?
「……マリー。ルイさん、来てるよね。コレについて何か言ってた?」
俺の留守の時は、色々心配になる為、相変わらずルイさんによく来てもらっている。
「お母様なら目を輝かせて、先程この中へ突撃しました。何でも、ここは深淵と呼ばれる土地だとか。空間魔法が暴走した時に偶然繋がる土地で色々希少な物が手に入るそうです」
「また、凄い物に繋げたなリリンの奴」
恐らく俺の部屋を空間拡張でもしようとしたのだろう。
その結果、失敗して深淵に繋がったという訳か。
「なら、中央辺りに居るのか? そもそもどんだけ広いか見当もつかないけど」
「ええ、お母様も同じ事を言ってました。それとここには女の子を食べる触手の魔物が居るから急がないとって」
「戦える男性陣は全員集合! 直ぐに救出活動を開始する!」
2日前から行方不明ならかなりマズいじゃないか!
俺は、直ぐにメンバーを集める事にした。
数十分後。
「あの〜っ、アイリス。それとマリー。なんで、2人は同行してるのかな? ここは、女性に危険らしいから待機して欲しかったんだけど」
男性メンバーを選出し、突入したらちゃっかりアイリスたちも同行していた。
「リリンの為に女性フォローは必要だよね?」
「それに私たちはそこそこ強いですからね。皆と一緒なら大丈夫です」
「それに私たちだけじゃないよ」
「ネフェルタさんも同行してます」
「ユーリよ。妾がいる事に気付いておらなんだか?」
「ネフェルタまで……!?」
どうやら、女性陣から3人付いてきた様だ。
「ここには、女性を食べる魔物が居るって話なんだよ。俺は皆が心配でーー」
「ああ、それは大丈夫じゃよ。恐らく意味が違うから」
「違う?」
「食べるって言うのは隠語じゃ。つまり、男が女を食べるのと同意義じゃな」
「それ全然大丈夫じゃないよね!?」
つまり、ここで捕まった女の子は全員触手プレイを受ける事になるらしい。
「なら、問題ないね。リリンは、強いから。この前だってユーリが彼女に……むぐっ!」
俺は、アイリスの口を塞ぎ、続きを言わせない。
「それは言わない様に。色々問題になるから。それによくやるのは、アイリスだよね? エフィメラ相手だと毎回らしいけど」
生憎、2人の百合現場は話でしか聞いていないので詳細までは分からない。
「了解。気を付ける」
「分かればよろしい」
この話には今後極力触れない様にしよう。
「でも、何でネフェルタがそんな事を知っているの?」
「それは、深淵が魔女の縁ある地じゃからのう。妾たちの祖先は、ここで産まれたと伝え聞く。そのせいか、ここでの知識が多く伝わっておるのじゃ」
「なら、同行して貰った方が助かるな」
情報が有るのと無いのとでは、今後の活動に影響を及ぼすだろう。
「アイリスとマリーは、確かに男性陣よりも強いから同行して良いよ。その代わり、3人でお互いを警護してくれ。その方が安全性が高まる。当然、俺たちも3人を警護するから」
「了解した」
「「は〜い」」
気を取り直して、俺たちは探索を始めるのだった。




