ユーリの観察日記
こんにちは、フィーネです。
今回は、私の出番が少ないので、休みを利用してユーリさんの1日を紹介しようと思います。
えっ、昔似たのをやった人がいる?
気にしたら負けです。そのまま進めましょう。
それに、私の名前は良く出ているですか?
確かに、育児とミルクで名前はよく出ますね。
ですが、よく思い出して下さい。
それ以外で登場は殆どしてませんよ!
でも、おかしいですよね?
ユーリさんには、何かしらと理由を付けられて、迫られているんですよ? だから、出番が多くて良いはずなのに?
この前なんてミルクの入ったコップを運んでいたらうっかり躓いてしまい全身に浴びてしまいました。それを見たユーリさんが私を即座に部屋へお持ち帰りしましたよ。
ちなみに理由はおっぱいの谷間に溜まったミルクがエロいのがいけないからだそうです。
えっ、そういう所? 存在がコンプライアンス違反? 真面目にするとR18になる?
なにやら事情が色々有るそうです。
………完全に脱線してましたね。それでは、起床時から見てみましょう。
まず、起きたら直ぐに風呂へ行きます。色々とカピカピだったりしますからね。
その時、他の人は基本時間をズラす事になってます。
風呂場でムラムラする必要はないですからね。
次に、朝食です。
今日は、ラズリさん特製のオムライスみたいですね。
特製のトマトソースと半熟卵の加減が最高で、とても美味しいです。
それ以外だと畑で取れた新鮮な野菜のサラダですね。
採れたてなだけあって、瑞々しく何度も噛んでしまいます。
後は、飲み物として私のミルクです。栄養豊富で妊婦さんに良い影響を与えます。
「あの〜っ、如月さん。飲みながらおっぱいをガン見されると、さすがに私も少し恥ずかしくなるのですが……」
「ごめんなさい。でも、仕方ないのよ。その、私も少し出る様になって服がたまに滲むのよ」
「赤ちゃんが生まれる前から出る人もいますからね。私たちみたいな種族とかは特に。後で、対策を教えますよ」
「ありがとう」
「あっ、フィーネさん。私も出る様になりました」
どうやら、天狗族も出やすい体質らしい。
「………」
さて、食事の手が止まっているユーリさんには、後でフォローしないといけませんね。
さすがに、妊婦とするのは色々マズいですからね。
食事後には、少し間を置いて日々の鍛錬を始めます。
一応、自由参加なのですが、妖精の箱庭の殆どの人が参加します。
皆さん、力は重要だと強く認識しているからでしょうか?
「それじゃあ、狂乱の小世界を使いたい人は自由にどうぞ」
ユーリさんの許可で、リリスを筆頭に男性陣がぞろぞろ入って行きます。
アレは、実戦経験を積めるので、良い訓練になるそうです。
訓練が終わったら、2度目の風呂ですね。
屋敷にある温泉は、掃除中以外はいつでも入れますから。お陰で、お肌がつるつるです。
そして、湯から上がったら恒例の育児タイム。
子供たちの人数が多いから細まめに気を使ってくれます。
サポートの娘も多く付けてくれるので、他の家より楽だと思えます。
お昼は、ユーリさんの出番です。
朝はラズリさんたちに任せていますが、昼と夜はメインでしてます。
「………」
見てるだけだと暇なので、私も手伝うことにしました。
とは言っても、昼はシンプルなのがこの家のスタイルな為、あまり手伝うことは有りません。
「今日は、暑いからデザートは『ミルクセーキ』だよ」
ミルクと卵、氷を使って何かやってると思ったら、私たちが初めて見るデザートを作っていた様です。
「このミルクセーキ美味しい〜!」
「口に入るとミルクセーキが溶けて……」
「あっ、ミルクセーキが口から垂れてる!?」
「つっ、冷た!? あっ、おっぱいにミルクセーキが……」
「動いちゃダメ! ミルクセーキが溢れちゃう! 拭かなきゃ!」
「全く、口に入れ過ぎるから!」
皆さんには、好評の様でした。ただ、妊婦さんは身体を冷やすのでダメなのが可愛そうです。
「エロく聞こえるからと作ってみたけど、ガチでエロくなったわ……」
ユーリさんは、妙な姿勢で座っていた。
さっき、朝食の後にした筈では?
どうやら、もう回復した様です。相変わらずの絶倫ぶりには、呆れを通り越して感心しますね。
女性優位の種族には、かなり重宝されるでしょう。
午後になりました。ここからは、各自自由に行動します。
自分のノルマが終わっていたら、趣味に走るも良いし、街に出掛けるのも良い。また、訓練をする人もいます。
皆が好き好きに行動する時間ですが、それはユーリさんも同じです。
今日は、暇さえ有れば魔導書を読んでいますね。
さっき、冒険者ギルドに行ったみたいだけど、それも関係しているのでしょうか?
「よし、俺も把握完了。後は、夜に試すだけだな」
そして、本を閉じるユーリさん。
どうやら、この短期間で新しい魔法を習得したみたいだった。
夕食は、家族の団欒。皆で揃って食事をする。
席は、毎回ランダムで決めるから日々の楽しみの1つでもある。
美味しい夕食が終わったら、風呂へ向かうユーリさんと一緒に皆がぞろぞろと移動する。
未だに、少し恥ずかしい様で、逃げようとした所を左右から握って強制連行。
ユーリさんは、今日で3回目になるのかな?
私は、ユーリさんが原因で4回目になるけれど。
それを終えるまでは、誰もがお互いを牽制しあい我慢する。
このあと時間は十分有るのだ。急ぐ必要はないという気持ちからだ。
しかし、部屋についてからは別だ。
「フィーネ。ちょっと使いたい魔法があるんだけど良い?」
「えっ? あっ、はい」
どうやら、ユーリさんは何かの魔法を使いたい様だった。
彼の魔法だからそれほど酷いものではないだろう。
「獣刻印」
起動と同時に目を閉じると私の全身を熱が包んだ。
「もう良いよ」
ユーリさんの合図で目を開けると……。
「えっ?」
私の手足にしっかりとした獣毛が生えて、獣寄りになっていた。
というか、ほぼ牛だ……。
愛用のベル付きチョーカーも合わさって、四つん這いになれば牛と変わらない気がする。
「フィーネだとそんな感じなんだね」
「あの〜っ、ユーリさん?」
「あっ、大丈夫。ちゃんと戻れるから」
私の疑問に即答えてくれた。それを聞いてホッとする。
「でも、種族ごとに変化が違うみたいだね。さっき、リリスたちもしたんだけど……」
「呼びましたか?」
「えっ?」
遅れて部屋に入って来たリリスたちは、犬型の半獣人になっていた。
「要望通り、裸エプロンです♪」
「あっ、可愛い」
裸エプロンでポーズを決めるリリスたちは、私から見ても可愛いかった。
「グッド!」
親指を立てて称賛するユーリさん。
なるほど。これは、負けられませんね。
「なら、私は自慢の胸で対抗してみせます! 頑張って下さいね、旦那様♪」
今日も女の戦いが始まった。
翌朝。
「………」
ユーリさんの部屋で、皆と雑魚寝した状態で目を覚ました。
毎度のことながら昨夜の記憶は途中からない。
気絶なのか疲れてなのか分からないけど、やってる途中で寝てしまったのだろう。
う〜んと背伸びをした後、近くで寝ているユーリさんに寄ってほっぺに軽くキスをした。
「さて、今日も頑張りますか〜」
まだ、ユーリさんはキスされた事にも気付かず、のほほ〜んとした顔で寝ているが、数分もしたら目を覚ますだろう。
私は、起きたらなんて言うのかなと思いつつ彼の寝顔を見ながら、昨日から続けていた観察をもう少しするのだった。




