ユーリが若返った日 後編
ボクの名前は、志津 勇凛。
大変なことに巻きこまれた。家で、パパやママを待っていたはずなに、気付いたら変な部屋にいた。理科室みたいなところ。
そして、何故かダボダボの上着を着てる、理由は分からない。服は下にも落ちていた。
ボクが混乱していると人がきた。だから、びっくりして隠れた。隠れ難いから上着は脱いだ。
そうして隠れていたら、直ぐに見つかった。盗み聞きしていたボクが頭をぶつけたからだ。
ボクを見つけた人たちは、美人のお姉さんたちだった。
初めて会う人たちなのに顔を見たら、何故かほっとした?
だから、聞かれたことには答えた。お姉さんたちに「君は誰?」と聞かれたので、自分の名前を言ったら顔を見合わせて驚かれた。
理由を聞いたら、お姉さんたちはボクのお嫁さんだからと言った。最初は、冗談だと思った。ボクは、結婚出来る歳じゃないから。
でも、本当みたい。馴れ初めだっけ? それを話された。
まぁ、本当でも嘘でも良いかもしれない。青髪のお姉さんに抱き締められてナデナデされたら、安心して泣きそうになった。
それから他のお嫁さんたちを紹介された。
その人たちは、動物みたいに尻尾の有る人や羽根の有る人。本に出てくるような人たちが沢山いた。中には、同い歳の様な娘も居た。
これが全部がお嫁さん?
ボク知ってる。こういうのを節操無しって言うの。青髪のお姉さんたちに言ったら、爆笑された。
それから大人たちだけで話合いを始めた時に、おっぱいの大っきなお姉さんに抱きしめられた。やわらかくて、いいニオイにドキドキした。
でも、それは最初だけ。息が出来ない。死ぬかと思った。
それから開放された後、歳の近い子供たちと一緒に過ごした。皆、歳が近いのにしっかりしてて、びっくりした。
でも、皆優しくて、ボクに色々教えてくれる。
どうやらボクは本当は大人らしい。薬で子どもになったて言われた。何処かで似た話を聞いた気がする。
大人のボクは、強くてお金持ちでお嫁さんが多いんだって言ってた。しかも、赤ちゃんが沢山いるって。
それを聞いてうれしくなった。そんなに裕福なら、パパやママも幸せに出来ると思った。だって、いつもお仕事を夜遅くまで頑張っているから楽させたい。
そうだ。お姉さんたちならパパたちの場所を知ってるかもしれない。そう思ったので、聞いてみたら一瞬凄く悲しい顔をされた。
そしたら、着物を着た綺麗で上品なお姉さんから抱き締められた。
「1週間もすれば会えるから、それまで私が貴方のママになってあげます。ご飯もベットもお風呂でさえ、一緒に過ごしましょう。服も洗ってあげますから私に渡して下さいね」
寂しかったから、その提案は凄く嬉しかった。でも、お風呂とかちょっと……。
『ズルっ!』
他のお姉さんも同じ意見だったみたいだ。
ママが増えた。凄く多い。全員ママって呼ぶ事になった。でも、多いから素直に名前を覚える事にした。
それから自分の赤ちゃんを見せて貰った。ボクは、お兄ちゃんだからどの子も守らないとって思った。あっ、パパだった。
「この魔法は……」
「凄い!!」
火の魔法を見せてもらった。ボクもできるらしい。マネて手をかざしたら火が出た。そのせいで、びっくりした尻もちをついちゃった。
そうこうする内に、夜になった。
ご飯は、どれも豪華で美味しかった。量も沢山あったから久しぶりにお腹いっぱい食べられた。
お風呂は、温泉だった。凄く広くて露天風呂もあった。
そして、お姉さんたち。つまり、お嫁さんたちが当然の様に一緒に入ってきた。恥ずかしがっていると捕まって洗われた。
良い匂いはするし、柔らかいしでドキドキが凄かった。
お風呂から上がったら寝室に案内された。部屋は広くて、ベットも大っきかった。
しかも、凄くふかふかする。1人で寝るのは勿体無いなと思ったらお嫁さんたちも一緒だった。それもそうかと思ったら、5人だけ残った。
「全員は無理だからね。私たちは、交代で寝てるのよ」
褐色のお姉さん。確か、リリィさんがそう言った。
「それじゃあ、一緒に寝ましょうね」
今度は、そう言いながら背後で、
カチッ
という鍵を掛ける音が聞こえてきた。
「えっ?」
何で部屋に鍵を掛ける必要があるのだろう?
「大人になる為には必要なんだよ」
青髪のお姉さん。アイリスさんが、ボクを抱っこしてベットに連れて行った。
それからボクは……………………大人になった。
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ユーリがショタになってから1週間が経過した。
「……戻らなくない?」
「……そうみたいね?」
私の腕の中では、ぐったりしたユーリの姿がある。理由は、さっきまで色々やっていたせいなんだけどね。正しいは、さっきもだけど。
いや〜、ショタユーリが可愛過ぎるのがいけないんだよ。
とりあえず、その事は置いておくとして、1週間が経過したものの、ユーリの身体に変化が見られない。
マリーたちの竜眼による鑑定だと、スキルや加護などはそのままらしい。
まぁ、そうじゃ無ければ、私たち相手に持たないよね。
「ズルいわ。貴方たち。私も混ぜてくれないのかしら?」
「アディさんは、ローシュ君狙いでしょ?」
「流石に、未成年には基本手を出せないわよ」
「同意を得られればセーフって言って、襲ってたりして?」
「…………襲ったわね」
「襲ったんかい!? 軽い冗談だったのに!?」
流石に、これには私も驚いた。
「ちょっとだけよ。ちょっとだけ」
「何を!?」
「でも、それ以降はことある事に娘が邪魔するのよね……」
「エロース、グッジョブ! このまま頑張れ!!」
良し。後で、一緒に寝たい娘の組み合わせの要望を聞いてあげよう。それは私からのプレゼントだ。
「ローシュ君も我慢してるみたいなのよね? 溜めるのは良くないのだけど……」
「あははっ……アディさん。自重して下さい」
ショタユーリに色々している私たちが言えた話では無いけどね。
「…………」
「どうしたの、リリィさん? 無言になって」
私とアディさんが喋っている間、リリィさんは難しい顔をしてずっと無言だった。
「う〜ん、ちょっと気なる事があってね」
リリィさんはユーリの前にしゃがむと頭を撫でながらこう言った。
「まさか、ユーリ君自身が大人に戻るのを拒否してたりしないよね? って思ってさ」
「えっ?」
「私たちがショタ状態のユーリ君で遊び過ぎた事が原因で、大人に戻ったらこれ以上だと思ってるのかもって」
それを聞いて、血の気がサァーッと引いていった。
「えっ? えっ? 私たちが原因?」
「可能性の話よ。可能性の」
「でも、それなら納得が行く気が……」
「まぁ、少し様子を見てみましょうか」
「うっ、うん……」
それから更に1週間が経過したけれど、ユーリは元の姿に戻る事が無かったのだった。




