付喪神のモモちゃん
「あはっ♪びっくりした?」
そう言うのは、鏡から上半身を出している美少女だ。
泣きボクロがチャームポイントで、長髪の黒髪に白いワンピースがよく似合う。
お姉さん? いや、お母さんタイプの感じがする娘だな。
「ハロハロ〜♪ 呼ばれて飛び出た、モモちゃんですよ〜」
喋らなければ、床に付した令嬢の様な儚げな印象を持ったのだろう。
「おう、モモちゃん。よろしくな。俺は、ユーリ・シズ。街だとユリシーズって良く呼ばれるよ」
「あっら〜? 貴方は順応が速くないですか? 後、全然驚かないんですね」
「いや、十分に驚いているよ。というか、異世界なら有りかなと」
「そうですか? でも、皆さんの場合、お連れのお嬢さんみたいな感じなんですけど」
俺は、モモちゃんに言われて横にいる弥生を見ると。
「………」
びっくりした衝撃で真っ白になっていた。
「ちょっ!? 弥生、大丈夫か!!」
「………ハッ!?」
彼女の身体を揺らすと意識が戻った様だ。
「ヒィイイ!? 化物!?」
そう言って、弥生は俺の背中に隠れてしまった。
「ちょっ、化物は失礼じゃ無いですかね!?」
全力で否定するモモちゃんだった。
「えっ、違うの? なら、付喪神とか?」
「そうなんですよ!良くぞ聞いてくれました!!」
モモちゃんは、嬉しそうに鏡から身を乗り出してきた。
おっ、この娘、実は着痩せするタイプなのでは?
俺は、彼女を注視するのではなく、ワンピースの隙間から見える胸の方に視線がいってしまう。
しかし、彼女はそれに気付かず続けるのだった。
「私は、元々は人間だったんですけど、早くに他界しましてね!未練が多かったんですよ!
だから、死んで魂の状態になった際にですね、どうにか出来ないかとフラフラしていたら元愛用の鏡に魂を宿らせる事が出来たんですよ!」
つまり、弥生の言っていた魂が宿ったタイプか。
「そうするとですね!存在が昇華したみたいなんですよ!皆さんがいう所の神様の一種に!」
付喪神って、神様の一種だっけか?
というか、良く喋る娘だな。
「だから、色々出来る様になったんです!」
「ほう、例えば?」
「その人の願望を生気を対価に可能な限り叶えます」
「……例えば、女の子らしく成りたいとかも?」
願望を叶えると聞いて、弥生が背中から顔を出してきた。
そんなに女っぽく成りたいのだろうか?
俺から見たら、弥生も十分女の子なんだけど。
「可能ですよ〜!でも、実際は確認してみないと分からないんですけどね!」
「どうやって、確認するの?」
俺がそう聞くとモモちゃんは直ぐに行動を起こした。
「こうですよ♪」
「んんっ!?」
モモちゃんが弥生にキスすると、鏡の一部に女性らしくなった弥生の姿が映っていた。
そして、今度は弥生にも鏡と同様の変化が訪れる。
短かった髪は伸び、平らだった胸には確かな膨らみが生まれた。
「ワァー!凄い!!」
弥生は、自分の身体を触りまくって感動していた。
「見て下さい、ユリシーズさん!おっぱいが女性って言っても良いくらい大っきなりましたよ!!」
相当嬉しかったのか、俺の手を掴み、自分のおっぱいへ押し付けた。
おっ、偽物とかでなく、立派な胸だと!?
しっかりと本物の感触をその手に受けた。
「軽い変化なので、生気は少な目で済みましたよ」
「へぇ〜っ、面白いな。俺も良いか? 自分の願望を知りたいし」
「良いですよぉ〜。というか、貴方が私の持ち主みたいですしね」
という訳で、モモちゃんとキスをしてみた。
一応言っておくが、浮気じゃないぞ! これはあくまで、自分の願いを知る為なんだ!
そして、俺の願望が鏡に映し出される。
「あれ? これって……」
それを見た弥生の疑問も当然だ。
そこには、大量の女性が映っていた。殆どの人が、顔がぼやけて見えないが妊婦なので、女性だと分かる。
そして、妊婦でない者たちは顔まではっきりと映っていた。
それは、アイリスたちだ。よく見ると妊婦でない代わりに赤ちゃんたちが映っている。
あっ、更によく見ると妊娠したモモちゃんも映っていた。
「えっと……これ、どうしよう……」
何故か、それを見たモモちゃんがかなり悩んでいる。
「俺の願望って何だったの?」
鏡に映った映像だけでは、良く分からないのでモモちゃんに聞いてみる。
「おそらくですけど、家族みたいですね」
「あぁ〜……」
それを聞いて、俺は納得した。
異世界に来るまで、俺は孤独だった。
両親は早くに死に、祖父母も無くなった。家族と呼べる者たちが身近にいなかったのだ。
だから、家族が欲しいという事か。
「で、モモちゃんが妊娠している理由は?」
「……………たい」
「はい?」
さっきまでとは一変して、モモちゃんの声があまりにも小さかったので聞き取り辛かった。
「家族を増やしたいんですよ! どうするんですか! 願望を受理しちゃったんですけど! だから、私の妊娠した姿が映っているんですよ!」
「……え〜っと、つまり、俺と子作りすると?」
「出来る訳ないでしょ! 人は、私に触れないんですよ! なんなら、私の胸も揉みますか? 触れたらですけどね!」
そうモモちゃんが言うので、俺は手を伸ばした。
「ほらね! 私からは触れれても他の人は……ひゃう!?」
「あの、触れましたけど?」
なんか、普通に触れた。弥生とはまた違った感触がなんとも……。
「なんで!?」
「いや、俺が聞きたいんだが……」
「普通の人は、触れない筈なのに!?」
弥生がモモちゃんに触ろうと試みるが、彼女の身体を手が突き抜けた。どうやら俺は特殊らしい。
しかも、体を通過すると弥生の身体がフラついていた。
心配して弥生に聞いてみると通過した瞬間、全身から力が抜けたそうだ。
モモちゃんに確認すると相手の生気を吸収するのだとか。
「というか、なんで貴方は生気を吸われて平気なの!?」
「う〜ん、どうなんだろう? 弥生みたいに目眩とか起きてないよ。多分、生気が有り余ってるんじゃないかな?」
性豪と呼ばれるスキルも持っているし、生命力にはあふれているとは思っている。
「という事は、私お持ち帰りされて、孕まされちゃうの!?」
「そうだね。お持ち帰りはするよ」
だって、それは俺が買った鏡な訳だし。
「……分かったわ。私も覚悟を決めます」
という感じで話が終わった後、俺は妖精の箱庭に鏡を持ち帰り、空き部屋に設置した。
本当なら如月へのプレゼントの予定だったんだが、まぁ良いか。
「よし、これでも問題なし」
「なら、早速始めましょう♪」
「えっ?」
振り返るとモモちゃんが脱いで立っていた。
やっぱり着痩せするタイプだったらしくて、かなり良いスタイルをしていた。
「さぁ、私を孕ませるのよ!」
モモちゃんは、裸で誘ってくる。
というか、魂だけの状態で妊娠するのかね?
ベットに投げてある白いワンピースは、本物だったみたいだけど。
「まぁ、本人が良いと言うなら当然抱くよ」
あっ、ちなみにアイリスたちからの許可は降りてます。
だって、浮気したい訳ではないから伝えるべきだろう?
そしたら、アイリスたちはこう言ったよ。
「妊娠するの?」
「というか、彼女と子作り出来るんですか?」
うん、俺もそう思うよ。
なので、本当に出来るのかを詳しく調べる為にも全力でニャンニャンする事にした。
なかなか投稿のペースが戻らないものですね。




