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冒険者ギルド

 今度は、木造の建物に案内された。


「こちらがこの街の冒険者ギルドになります」


 建物自体を見て『西部劇に出て来る酒場か何か?』と思ってしまった。


 よく考えたらあまり変わらないな。


 情報収集の場所でもあるし。


 中に入ると無数の視線が突き刺さる。


 アンナさんは、受付のお姉さんの所に行き、要件を伝える。


「ギルドマスターは、おいでですか?先程連絡したユーリ様をお連れしました」


 事前に連絡をしていたらしい。


「おい、アイツ誰だよ」


「いきなりギルドマスターに会いに行くって事は貴族様か?」


「確かに、上質なやつを着ているな」


 いえ、平民です。半分神になってますが。


 服は、タナトス様に貰いました。


「お話は伺っております。こちらへどうぞ」


 受付のお姉さんに従い、2階へと案内された。


 最奥の部屋に行き、ノックする。


「マスター、ユーリ様がお見えです」


「おう、入ってくれ」


 部屋の扉を空けて中に入った。


 部屋の主は、大量の書類の山に埋もれて顔が見えない。


「少し待ってくれ。これを書いたら手を止める。だから、そこに座って待ってくれ」


 部屋にあるソファーへと促された。


 2〜3分程してから羽根ペンの走る音が止み、正面に男性が腰掛けた。


 気品と力強さを感じる男性で、何故か、ガイアスの爺さんと同じ雰囲気がした。


「少年。竜王国ヴァーミリオンの冒険者ギルドへようこそ。俺は、ここのギルドマスターをしているギルフォード・ヴァーミリオンだ。妹から話は聞いてるよ」


 道理で雰囲気が似てる訳だ。兄妹だもん。


「なんでも冒険者登録と買い取りをって話だったが、わざわざ俺に通す話かね?」


「一応、狩って来たものが数あるからではないでしょうか?」


 5匹いるし。


「確かに数持って来るなら連絡するわな。だが、買い取りには時間かかるぞ。解体せにゃならんし」


「金貨がほしいのでまずは1匹でいいです。なんなら、一部手伝いますよ。解体得意ですし」


 普通の金貨が……ね。解体も料理人スキルなら直ぐだろう。


「そうか?なら、解体所に案内しよう」


 アンナさんにバックを預けて、部屋に残って貰った。


 解体所は、ギルドの裏に置かれていた。


「ラックはいるか!」


「うん?どうしたよ、マスターが来るなんて珍しいな」


 作業着に身を包んだ、何処からどう見てもドワーフなオッサンが出てきた。


「この子の獲物の解体を頼みたい。複数いるんだが、どれでもいい。1匹を特急で頼む」


「任せろ。儂の手にかかれば一瞬さ」


 鑑定。


 名称:ラック


 種族:ドワーフ


 スキル:鍛冶・解体師


 ドワーフらしく鍛冶のスキル持ちで、料理人の解体スキルである上位互換、解体師持ちでもあると。


 俺の出番は無さそうだ。


「兄ちゃん、そこの机に出しとくれ」


 部屋の中央にある大きな机を指示された。


 アイテムボックス。


 既に見慣れたパネルを出した。


「アイテムボックス持ちか。なら、手ぶらな訳だ」


「これとこれと……後はこれです」


「ほう、こりゃあ、凄いな。レッドスコーピオン、イビルスパイダー、グランドベア×2、シルバーディアーか。中でもシルバーディアーは珍しいな」


 種族:シルバーディアー


 危険度:A


 白銀の角を持ち、風魔法を得意とする。その頭は、剥製にされるほど人気が高い。革も調度品に使用される。肉は、赤身でアッサリしている。食用可能。


 頭も持ってきて正解だったな。


「シルバーディアーの肉だけは、返却でお願いします」


「分かった。しかし、兄ちゃん相当腕が立つとみえた」


「なぜ?」


「背後からとはいえ、全て一断ちで終わらせているからな。レッドスコーピオンの硬い装甲ですらだ」


「転移と剣撃のコンボです。自分、空間魔法の使い手なんで」


「空間魔法か。なら、登録の為に俺に連絡するわな」


 マスターが何やら納得している。どういう事?


「登録時に能力調査を行うんだが、空間系の使い手は少ないから書くとかなり追及される事になる。書類は、俺の部屋で作成するとしよう」


「とりあえず、シルバーディアーの解体なら終ったぜ。傷が少ないからあっさりしたもんさ」


 はやっ!いつの間に!!


「買取り金額の見積りが出来たら部屋に持ってきてくれ」


「はいよ」


 一旦、部屋に戻る事になった。




 部屋に戻るとアイリス人型がアンナと共にいた。


「は〜い、ギルお兄さん、お久っ!」


「んっ?あぁ、妹の友達のスライムか」


 どうやら知り合いらしい。


「今は、アイリスって名前があるからそう呼んでね」


「分かった。しかし、いつ来たんだ?」


「あっ、それは最初からです」


 そう、薬屋に行った時からだ。


 実は、アンナに預けたバックにアイリスを入れていた。


 従魔登録していない魔物をそのまま連れてまわるのはマズイとアイリスとマリーが考えた結果だ。


「……なるほど。確かにスライムでも騒ぎになりかねないから良い判断だ。従魔用の書類も用意しよう」


 引き出しを漁り、2枚の書類を出して来た。


「これを書いててくれ。俺は、耐性の簡易キット持ってくるから」


 そう言って、書類を渡すと部屋を出て行った。


 1枚は、冒険者登録用紙。


 氏名と出身地の記入欄。得意魔法の記入欄但し任意。


 従魔種族記入欄の簡単なモノだった。


 2枚目は、従魔登録用紙。


 従魔の名前。種族。大きさ。食事。耐性。攻撃法など項目が多岐に渡る。


 後半は、もし暴走した場合の対処法の為の欄だろう。


 主が居なくなった際に討伐対象になる事もある。


 鑑定。


 耐性:水・火・雷・風


 鑑定によりアイリスの耐性は確認出来た。


 スライムの弱点属性消えてねぇ?耐雷って……。


 鑑定で攻撃法は見れないから素直に聞くしかないな。


 少ししか知らんし。


「攻撃って、糸と水魔法と雷魔法。眷族召喚もあったな。それ以外に何かあるか?」


 アイリスは、スライム特有の水魔法に加え、ドラゴンの鱗を喰って、雷魔法も使える。


「特性技で、酸弾があるよ。後、引き継ぎ特性技で痺れ毒に硬質化くらい?」


 言うものを全部書いていった。


「飛行系の魔物喰えば、空も飛べる様になるんじゃないか?」


「どうだろう?エンペラースライムに進化してから成長した記憶無いし」


 やはり難しいのだろうか?


「待たせた。これが簡易キットだ」


 マスターが、謎の円盤を持って帰ってきた。

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[気になる点] 「特性技で、酸弾があるよ。後、引き継ぎ特性技で痺れ毒に硬質化くらい?」言うものを全部書いていった 馬鹿正直に全部核必要あるの?
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