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やっぱり増えて、更に増えましたね……

 長かった和国での旅行……ではなくクエストを終えて妖精の箱庭(フェアリーガーデン)に帰ってきた。


「ユーリさん!お帰りなさいませ!皆もお帰りなさい!」


 屋敷では、ミズキをはじめとした留守番組に出迎えられた。これには、妖精の箱庭へ帰ってきたのだとほっと安心した。

 俺は、如月たちを連れて挨拶周りに外へ出た。


『ユーリ様、お帰りなさい!』


 外では、悪魔族たちにも出迎えられた。彼らも元気にしていた様だ。


「あっ、ユーリ様だ」


 森からグレイの声が聞こえてきた。森から帰ってきた彼の周りには、エルドラたちもいる。おそらく妖精の箱庭周辺の見回りをしていたのだろう。


『お帰りなさい!』


「おう、ただいま」


「如月姉さんもようこそ。ここでは、私の方が詳しいので色々聞いて下さいね」


「ええ、お世話になるわ」


「知ってると思うけど、如月も嫁になったからよろしく頼むよ」


「やっぱり増えましたね。……所で、ユーリ様。最近増える事に開き直ってません?」


「あはは、そんなまさか………あれ?」


 よく考えると嫁が増えて辛いとか、女の子に食われるのも良いなとか思っている気が……。

 しかも、もっと家族を増やしても良いなとか思ってるし、俺が襲う事も増えた様な。受け入れる事に抵抗が無くなってる!?


「ユーリ様?」


「如月に最低な告白とか……俺は……」


「ユーリ様!」


「…………ハッ!?」


 グレイに肩を揺らされて正気に戻った。


「大丈夫ですか?」


「だっ、大丈夫……少し自己嫌悪に走りかけただけだから。とりあえず、グレイも頑張れ!2人なら余裕さ!」


「何の話ですか!?」


「皐月。これが例の報酬だよ」


「おおっ!さっそく、今日にでも使います!」


 俺が、皐月に渡したポーションを見て、グレイの目から光が消えた。あれは、この後の起こる戦いを見据えた目だな。


「所で、そちらの女性はどなたですか? 初めてお会いしますし」


「ああ、彼女はーー」


「彩音と申しますわ。運命の赤い糸に導かれ、ユーリさんのお嫁さんになりましたの♪」


「「………」」


 俺と如月は、何も言えずに押し黙った。そう彼女は、言葉通りに俺の嫁となったのだ。






 和国から帰る前に、和王から招待を受けた。何でも、此度の騒動に関する助力に対して褒美を渡したいのだそうだ。

 別にそこまでの事をした自覚はあまり無いが、頂けるものは貰う派なので、皆で和王の元を訪ねる事になった。

 というか、断るの対面的に問題な為、そもそも出来ないのだけどね。


「ユリシーズ殿。此度の助力感謝致す」


「いえいえ、いつも通りに魔物を狩っただけですから」


「しかし、貴殿の力が無ければこの国は滅んでいたかもしれぬ。奴らは、魔物の力を甘く見ておった故な」


「……まぁ、確かに魔物騒動が多かったですよね」


 大型魔物で気を取られていたが、各地では小規模な魔物騒動が起こっていた。

 しかし、こっちは、華族派による自作自演。

 冒険者より華族派の自警団の方が優秀だと思わせる為に行われた。また、それに伴いクーデター成功後の統治をスムーズにする狙いもあった様だ。


「おかげで、走り回りましたよ」


 彼らは、魔物の力を甘く見ていた。

 自警団は、何処もかしこも魔物に蹂躙されて壊滅した。なので、それの解決には、結局冒険者があたる事になった。

 しかし、冒険者の多くは、クーデターにより城内で疲弊しており使い物にならない。しかも、場所が各地に点在しているので応援が間に合わない。

 そこで、選ばれたのが俺とギンカ。

 以前、俺が作ったマジックアイテムにより場所を知らなくてもそれがある場所は、座標として機能するので転移(シフト)が出来る事が分かっている。

 なので、天狗族たちの手によってマジックアイテムを各地に輸送。後は、2人で転移しては狩る。転移してはを繰り返して鎮圧したのだ。


「その節、貴殿と従魔のギンカ殿には世話になった。感謝してもしきれん。なので、主である貴殿に感謝の意を込めて褒美を渡す事にした。それでは、入って来なさい」


 和王が手を叩くと奥から一人の女性がやって来た。


「あれ、君は……」


「まぁ、貴方様は、あの時の!!」


 その女性とは、冒険者ギルドで出会った彩音という鬼人族だった。


「おや、知己であったか? なら、なおの事問題なかろう」


「はい、この方は、私の運命の人です! やはり、運命の赤い糸で繋がれていたんですね! 嬉しいです!」


「そうか。ユリシーズ殿。孫娘をよろしく頼む」


『えっ?』


 流石に、意味が分からなかった。それは、俺だけでは無い様だ。


「精一杯尽くさせて頂きますね。私の愛しい旦那様!」


 なるほど。褒美とは、孫娘の彩音さんか。


「(アイリス。どうしよう?)」


 とりあえず、念話でアイリスに相談する事にした。


「(断るのは、無理じゃないかな? 断ったら、王族の娘を無碍にしたって騒ぎになるかも。悪い娘じゃなさそうだから、ユーリ任せるよ)」


「………」


 任せるって言われたよ。なら、受け入れるべきなんだろうか?


「謹んでお受け致します。ユーリさんも喜ぶでしょう」


「マリーさん!?」


 俺が答えるより先にマリーが答えたよ。


「ユーリさんが悩んでいた様なので。この場合、受け入れ無ければ失礼にあたります。悪い様にならないので、受け入れるべきです」


 マリーも受け入れるべきとの判断だった。


「嫁たちが許してくれたので、喜んで娶らせて貰います」


 という事があって彩音を連れ帰ったのだ。






「道理で帰りが予定より1日遅かったんですね」


「彼女を嫁に出す式典があったんだよ。それに参加させられた」


 和国の王族を集めて紹介が行われ、その後街を練り歩いた。

 しかし、身分の高い者は、無闇に顔を出すべきではないらしく、顔布で隠す事になったので、恥ずかしくなかった。


「そういう訳だ。また、嫁が増えたけど、グレイたちもよろしく頼むよ」


 こうやって、行く先々で嫁が増え続けている。

 ここまで来ると、『友達100人出来るかな?』じゃなくて『嫁さん100人出来るかな?』の気分になってきた。


「店の方にも嫁がいるから紹介するよ」


 店にも連れて行き、2人を紹介する事にした。


「まぁ、祖国のお菓子が沢山有りますわ。この練り菓子とか凄い出来栄えですね」


「これも良いですよ。和国で出しても通用しますのでは?」


 2人は、わいわい言いながら店の菓子を味わっている。凄く気に入った様だ。なので、ある提案をする。


「この店の経理を手伝ってくれないか? その代わり、好きな時に来て好きな物を注文して良いから」


「「やります!」」


 彼女たちの仕事が決定した。店の売上が好調な為、事務仕事も比例して増えてきており困っていたんだよ。

 後日、彼女たちのおかげで事務仕事は殆どしなくて良くなった。これで、研究や農業に戻れそうだ。

 余談だが、彼女たちは経理の仕事だけでなく、お菓子作りも始めた様だ。お菓子の絵が書かれたレシピ書を見せられた。

 どうやら、自分たちだけのアレンジお菓子も店に置きたいらしい。デザインを見せて貰ったが、なかなかの物だった。完成して店に置かれる日が楽しみだ。

感想にも書かれていましたが、『嫁さん100人出来るかな?』みたいだと自分でも思ったので乗せてみました。


嫁の候補? ……魔物に走るのも有りかな?

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― 新着の感想 ―
[一言] 現時点で嫁が28人いるみたいだけど、誰が嫁なのかわからないし、子供の名前も人数も覚えてない。 登場人物の個性がストーリーが進むと共に薄れていくから、こんなに増やす必要があるのか謎。 エピソ…
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