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野菜の収穫と突撃

 異世界に来て既に1週間程が経過した。アイリスとの関係も上手くいっている。やはり誰かといるのは良いものだ。

 今日は、野菜の収穫を行う。

 キャベツやニンジンなどの各種野菜が育ち収穫可能になった。ネギも育てているが種蒔きした翌朝には収穫可能になっていた。

 ねぎまが食べたいと思ったからだろうか?

 葉野菜とはいえ早すぎる。果樹に関しては、ゴールドアッポの芽が出ている。

 アイリス曰く、芽が出た時点で害獣除けの効果があるそうだ。

 他には、ミカンと桜。

 食べれる果実としてミカンを創造した。桜は、完全に趣味だな。

 景観で祖国の花が欲しいと思って家の側で軽く耕したら芽が出ていた。食用でなくても大丈夫な様だ。


「野菜は、無くてもいいのに」


「それは、野菜の旨さを知らないからだ。ちゃんと手間暇かけて料理すると美味しくなるんだよ」


「砂ズリみたいに?」


 トリの部位では、砂ズリが1番気に入った様だ。

 コリコリした食感が良いしね。


「そうだよ。ニンジンとか甘くなるよ」


 焼いても蒸しても甘くなる俺のオススメの野菜だ。


「楽しみ」


「じゃあ、抜くのを手伝ってくれ。俺は、先にキャベツとかを切るから」


「これ全部いいの?」


「いいよ。ここは、薬草畑にする予定だから」


 野菜の畑は、別に移す事にした。

 野菜の量や種類を増やしたいし、薬草畑も欲しかったから丁度良いだろう。


「それじゃお願いします」


「まっかせなさい!」


 返事と共に手から糸を出して複数の野菜の茎に巻き付ける。


「いくよ!」


 アイリスの掛け声と共に引っこ抜かれた野菜が宙を舞う。


「アイテムボックス」


 落下地点にアイテムボックスのパネルを設置して、その中に回収される。


 農業用の鎌。


 そうイメージすると白銀の小鎌が現れた。それを使い、アイリスが抜いている間にキャベツを切り離す事にした。


「そっちは、どれくらい終わった?こっちは、これがラスト」


 正直、キャベツの数は少ないが俺よりアイリスの方が作業が速い。

 最後の根野菜が宙を舞いアイテムボックスに入った。


「じゃあ、離れて居てね」


 俺も作業が終わったので次に移る。

 例の白銀の剣、フラガラッハを出す。これを遠距離モードのワイヤードランスとして使う。

 この剣は、ランスという事もあり、真っ直ぐに伸びて行く。これを今回は、畑を狙って刃先を真下に構えて放つのだ。

 放たれた刃先が、地面を穿つ。距離も短いので直ぐに戻る。


 ドドドドドドッ。


 畑の端から順番に刃の出し入れを何度も行う。

 剣の切れ味のおかげで、石すらも粉々に砕かれ柔らかい土が出来る。

 クワにしてやると思った?

 俺はもっと楽をしたいのだ。


「これで良し。後は種だな」


 この1週間、スキルの扱いに慣れてきた。

 両手を合わせて創りたい薬草を想像するのだ。

 そして、手の中に感触が出来たら成功だ。

 最初は、耕すだけでいつの間にか種が加わっていた。

 確実に創ろうと考えて色々した結果、コレに落ち着いた。

 今回は、クーネル草を植える。

 後は、定期的に水を撒けば自然と育つだろう。

 クーネル草を育てる理由は、エリクサーを作成する為だ。

 昨日、偶然にも月の雫を発見した。

 まぁ、これの入手法なんだが超困難だわな。

 俺は、アイリスといちゃいちゃしていて手に入れた訳だが、よくこんな名前を付けたものだ。

 上位のスライムで人型に成れる者なら生成可能だが、それでも、相手が居なければ入手不可能だろう。

 待てよ、エリクサーを飲むという事は……


「終わった?」


 考えないようにしよう。


「終わったから飯にしよう」




 まずは、ニンジンとジャガイモは、一口大に切る。

 キャベツは、ザク切り。タマネギは、皮を剥いて上下を少し落としたら8等分に切る。

 その後、フライパンでアイリスが用意したオリーブオイルを引き、野菜を炒める。

 オリーブの実は、油が欲しいと言ったらアイリスが採取して持ってきてくれた。オリーブの木は、近場にあったらしい。

 どうやって絞ろうかと考えたら、アイリスがスライム状態に成り絞ってくれた。

 鍋では、ロックバードの骨を昨日から煮詰めた物を塩胡椒で味付けを行い整える。

 それにトリ身、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、キャベツを加える。

 更にひと煮立ちさせると野菜入り鶏ガラスープが完成した。





「やっぱり、ユーリのご飯は美味しいね」


「そう言って貰えると嬉しいな」


 元々、料理は得意だが、料理人スキルの影響が強いと思う。


「友達にも食べさせたいわ〜」


「たまに会話で出る友達ってどんな人なんだ?」


 ドラゴンの鱗を普通に与えたりするくらいだ。


「う〜とね、2人共デカイ。そして、強い」


 言葉だけ取ると怪獣が思い浮かぶ。だって、友達というから魔物だろうし。


「それは、見てーー『ゴォオオーーン!』ーー何の音!?」


「警報が鳴ったみたい」


「警報!? 柵のか!!」


 直ぐに家を出て音のする方へ向かった。

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