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これも男の娘に部類して良いのだろうか?

 俺が、彼女たちに最初にやった行動は、土下座。起きた所にスライディングしながらしっかりとした土下座を行った。


「今の出来事を無かった事にして下さい!」


 彼女……彼……彼女でいいわ。如月さんたちを指すときは、彼女と言おう。本人たちも女性希望みたいだし。


 まぁ、ニュアンス的には、男の娘だろうけど。この言葉は、男性でありながら娘のような女性にしか見えない容姿と内面を持つ者を指すし。見た目は、女性。ただし、ムスコ有り。うん、男の娘だな。


 彼女たちまで娶ると嫁と従業員の区別がつかなくなる気がする。もう全員嫁で良いだろうって気もしなくはない。だって、従業員扱いなのは、新参のエルフたちだけだし。


「……え〜っと、何か有りましたっけ?」


 如月さんが混乱している。そういえば、俺の睡眠薬に10分程度の忘却効果が混じってたな。


「というか、皐月、いつ来たの?」


「さっき着いたよ。その後……あれ? 覚えてない。確か、着いてから何かあった様な気が……」


「………」


「皆さん、コケて頭を打たれた様ですからそれが原因では?」


 いい感じに、忘れている様だ。ここが、チャンス!よし、言葉巧みに誤魔化そう!


「コケて頭を?」


「はい、皐月さんが挨拶しに近付いて来たら皆さんを巻き込んで倒れましてね。その時、鈍い音がしたのでそれが原因だと思います。少し頭がくらってしたりしませんか?」


「確かに……」


「少しぼーっとします」


「そうだった。部屋に入って……ダメ。ここから思い出せない」


「それは大変です。何処かで休まれたらどうですか? 睦月さんもそう思うでしょ?」


「……逃げましたね」


 なんの事かな? 俺、知らない。記憶があやふやな所に、それっぽい情報を与えただけだよ。


『睦月様!』


「如月、外の給仕に伝えて、一室借りなさい。そして、4人共休むこと」


「はい、仰せのままに」


「それから……卯月は残りなさい。話が有ります。それでは行動を開始しなさい」


 睦月さんの命令で、卯月さんを残し、如月さんたちは去って行った。


「卯月。貴方は、覚えているようね」


「はい。ユリシーズ殿を襲って返り討ちに合いました。しかも、手加減されて睡眠薬で眠らせられる始末」


「マジで覚えてた!?」


 おかしいな。事前準備でもしないと記憶は忘れるはずなのだが?


「ユリシーズ殿が、戦闘で魔法を使った時から、それらの魔法を覚えようと記憶の魔法を発動していました。見た事を忘れない様に」


「なるほど。魔法観察の習慣が役に立ったのね」


 だから、薬の効果が負けた訳か。魔法と睡眠薬じゃ、魔法の方が効果は上だからな。


 あれ、という事は……。


「睦月様。……いえ、お母様、ユリシーズ殿に嫁ぐ事をご許可下さい」


 えっ、母娘なの? なら、如月さんたちも娘なのか? 姉さんと呼んでいたし。


 しかし、4女の母でこの若さだと!? さすが異世界、半端ねぇ!


「許可致します。彼なら実力も問題ないでしょう」


「あの〜、すみません。既に嫁がかなりいるのですが……」


「4〜5人程度なら気には致しません。たまに、有りますしね」


 たまに、有る事なんだ。でも、それは少人数の話だよ。


「「………」」


 俺は、ギルさんを見ると目が合った。ギルさんも同じ事を思った様だ。


「今、全部で何人いるんだ?」


「………一応22人です」


「「………!?」」


 人数の話を聞いて、睦月さんたちが絶句した。まぁ、普通はそうなるよな。


「よくマリアナ殿が許可しましたね。竜種は、一夫一婦では?」


「マリーは、竜の中では風という特殊な者ですし。また、我が母もユーリの嫁を増やしたり……」


 竜種の属性は、性格に影響を及ぼす。風であるマリーは、自由奔放で何者にも縛られない性格なのもこれの為だ。


 ルイさんのは、エロースの件ですね。そっちも後悔は有りませんよ。めっちゃ仲いいし、相性も良い。


 最近、2人でコスプレに嵌って、皆に色々着せたり、本人に着て貰ったりもしてる。意外に他の人にも好評だったりする。


「はぁ、それでは、夜は回らなさそうですね」


「いえ、普通に回ってるそうですよ。1回に最大4人相手にする事もあるそうですし」


「なんで、知ってるし!?」


「マリーから聞いた」


 マリーさん!? お兄さんに、何を話したのかな!?


「帰ったら平穏なる小世界(イレーネコスモス)に引きずり込んで、本人に詳しく聞いてみることにする」


「そうしろ。寂しがってると思うから」


「なら、1人増えても大丈夫ですね」


「許可も降りましたので、今後ともよろしくお願いします。はやく女にして下さい」


「こんな俺で良いのなら喜んで娶らせて貰います。すぐにでも、女になると思うから覚悟してね」


 女の子に孕ませてと言われて、興奮しない奴はいないだろ。帰ったら、彼女も連れて少し籠もるかな?


「まさか、男の娘を娶る日が来るとは思わなかった」


「男の娘とは?」


「男性でありながら娘のような女性にしか見えない容姿と内面を持つ者を指す言葉ですよ。文字で書くとこうなります」


「「!?」」


 睦月さんたちに衝撃が奔った! 目を見開いてこちらを見てくる。


「「すっ……」」


「す?」


「「素晴らしいです!」」


「次からそう説明する事にしましょう! 文字は、そのままに選ぶ性別によって呼び方を変えればいいので!」


「今まで、男か女か説明し辛かったですが、それなら両方と答えれます!」


 なんか、好評だった様だ。彼女たちは、今後、『男の娘』と書いて、『おとこのこ』または、『おんなのこ』と呼ぶ事にするそうだ。


「姉さんたちには、どう説明しましょう?」


「好意を持ったからで良いのでは?」


「まだ、そこまで惚れていません。ルーン魔法の使い手としては、魅力的な方ですが」


「はっきり好意はまだないって言われた。なんだろう。意外に新鮮だ」


 彼女たちには悪いが、チョロインかってくらいに好意を寄せてくれるからな。嬉しいことだが、心配にもなる。


「それなら、実力と魔法に惹かれてユリシーズ殿について行く事にしましょう。そして、こっちが知らぬ間にデキたと」


「そのシナリオが安定そうですね。こちらも協力致しますよ」


 ギルさんも協力するそうだ。元の原因は、貴方がはっきり言わなかった事だと思うのだが。


「宿の方は、こちらでユーリと相部屋という事にしておきますよ」


「助かります」


 総会は、数日続くので宿を数日予約しているのだ。


「そろそろ、会議が再開するから手続きを頼む。場所は知ってるだろ?」


 他のギルドマスターたちも部屋を出て行っている。


「は〜い」


 宿の位置は、知ってるから転移で行こう。事前にギルさんと転移門使って行った。部屋も大っきいから1人増えても問題ないだろう。


「卯月も姉たちの方へ。そして、記憶に関して怪しまれない様に監視なさい」


「了解です」


 こうして、皆一度バラけて行った。


 そして、夜。俺たちの宿『天使の雫亭』。


 俺の部屋では、ベットに2人で座り見詰め合っていた。無事抜け出してこれた様だ。


「よろしく……」


「はっ、初めてなのでよろしくお願いします!」


 そして、2人の長い夜が始まる。

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