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少女の股間に……付いてた

 部屋に入って来たのは、天狗族の子だった。どことなく、如月さんたちに似ている。


「皐月。遅かったですね」


「すみません、姉さん。始末するのに時間がかかりました」


 なんか、凄く物騒な事を言ってる。そして、姉妹なのか。


「しかし、貴方の不注意が原因なのですから気を付けなさい」


「はい、姉さん。気を付けます」


 反省しているのか、羽根がしゅんと狭まる感じで反応していた。


「所で、姉さんたちは、羽根をどうしたのですか? 幻術で隠した訳ではない様ですし……」


「それは、この方のおかげです。ユリシーズ殿、遅くなって申し訳有りません。この子は、私たちのきょうだいで皐月と言います」


「そうなのか? よろしく」


 俺は、親睦を深めるつもりで普通に握手を求めた。皐月は、それに応えようと近付いてきて。


「よろしくーー」


「「あっ」」


「えっ? きゃあ!?」


 酒瓶を踏んだ。さっきまで、俺たちが暴れていたので、瓶が転がっていたのだ。


 コケる! 俺は、怪我しない様に、皐月の手を掴み引っ張った。


 しかし、皐月さんも転けない様に抵抗したらしく勢いが増して、俺の方へ倒れる。その為、俺たちは縺れてる形になった。


「いたたた……」


 むにゅ! ラッキースケベ発動!


 支える為にかざした左手に、良く掴み慣れた奇跡の柔らかさを感じた。すぐ様、謝罪する。


「すっ、すまん!」


 なるほど、着痩せするタイプか。見た目から分からなかったが、意外にあるな。


「うん?……こっ、これは!?」


 おっぱいで把握が遅れたが、俺は、気付いてはいけない感触に気付いてしまった。皐月の股間に当たった俺の足に、しっかりとした塊が有るのだ。


 そう、まるで、いつも見慣れている我がムス……。


「……知りましたね」


「えっ?……うおぉ!?」


 皐月は、襟を正すと斬りかかってきた。俺は、咄嗟の判断で白刃取りを行った。魔力を纏っているから切れる事はないだろう。


「このまま、死ね!」


「如月さんたち! 助けてくれませんか!?」


 このままでは不味いと思い、如月さんたちに助けを求めると。


「「「えっ?」」」


「アンタらもかい!?」


 皆、武器を構えて参加する気まんまんだった。


「皐月が原因とはいえ、知ったからにはお覚悟を。その秘密は、私たちの秘密でも有りますから」


「えっ、まさか!? 如月さんたちにも付いーー」


「せい!」


「ちょっ!?」


 如月さんから問答無用で斬りかかられた。白刃取りの状態じゃ回避出来なかったので、転移で避けた。


「チッ、逃げましたか。まぁ、良いでしょう。さっきの戦いと今ので大体の動きは把握しました。ここで、仕留めます」


「「「はい!」」」


 こうして、この子たちに襲われることになった。決して、リリスたちの様なものでなく、物理でもって命を刈り取る方だった。





 数十分後。


「あぶねぇ……流石に死ぬかと思った」


 目の間では、如月さんたちが床に寝ている。対処に困ったので、睡眠薬で眠って貰った。窒息させるには、人数が多くて難しかった。しかも、男か女か分からないから余計に攻撃し辛い。


 とりあえず、武器は壊したから、あとで弁償しないとな。


「では、例の確認を……」


 私たちと言ったから、如月さんたちにも有るのだろうか?


 まぁ、まだ見てないし。たぶん、ボンレスハムとかだろ!


 俺は、一番女性っぽい如月さんの着物を捲る事にした。他の人には見えないように、背で隠す。そして、裾を掴んでゆっくりと捲っていく。


 まずは、生足……かと思ったら黒タイツだった。しかし、黒タイツが足を強調する。細くて肉付きも良い美脚だ。


 良いものを見た。それでは、本命に……。


「アホか!」


「痛い……」


 ギルさんにハリセンで殴られた。それ、俺があげた障壁破壊ハリセンだよね? 結構、痛いんだけど!?


「お前なぁ……その子達とは争うなって言ったのに」


「あはは、所でいつからそこに?」


「皐月さんを眠らせた所からだ」


「ほぼ、最初やん!」


 戦いになって最初に眠らせたのが、皐月さんだ。執拗に突き技ばかりで刺さりそうだったし。そうそうにリタイアして貰った。


「会議終わったの?」


「休憩だ。休憩。西と東の連中が納得しなくてな。まぁ、今度は直ぐに決着するだろよ。ほれ、ギルドマスターたちを見てみろ」


 ハリセンを抱えたギルさんが顎で示した先では、倒れ伏した人たちにギルドマスターが集まり騒ぎになってた。


「おっ、おい! 大丈夫か!? 何があった!?」


「ひっ、酷い!手足が完全に折られてる!?」


「武器まで抜いたのか!? しかし、血が付いて無いのはどういう事だ?」


「あれ? ここにテラスなんてあったっけ?」


 あっ、テラスに気付いた人もいる。知らないふり、知らないふり。


「所で、ギルさん。この子たちの性別ってどっち?」


「立場上知ってはいるが、素直にこっちに聞くといい」


「こっち?」


 ギルさんの言う先を見ると、睦月さんがいて視線があった。


「………」


 ギルさんがいるのだから当然、彼女もいるわな。凄く気不味い。


「性別と言いましたね? 今の行動は、それが理由ですか?」


 睦月さんは、消音の魔法を周囲に張ると聞いてきた。


「あはは……」


 俺は、笑って誤魔化すしかない。


「はぁ〜……、知ったのですね」


 睦月は、諦めた顔をしている。やはり、誤魔化せなかった様だ。


「特別にお話致しますので、他言無用にお願いします。それは、我が種族の秘密でも有りますから」


 種族レベルの秘密なんですね。


「私たちは、性別を選べるのです」


 睦月さんの話によると、性別が確定するまでは、誰もが半陰陽みたいな状態なのだそうだ。その為に、女性器と男性器の両方を備えている。一定の年齢から性別を選んで行動を起こすのだとか。


「男性を選ぶ場合は、童貞を卒業して回数をこなせば、直ぐに成れるのですが、女性の場合が……」


 女性を確定させるには、妊娠。男と違い、破って回数をこなすだけでは、ダメだとか。しかし、効果ない訳ではない。徐々に偏っていきはするそうだ。


「だから、結婚後に確定する事が多いです」


「おそらく、他の種族と同様に女性が多いから男性を増やす為に進化した結果だろうな」


「しかし、それでも女性に成りたがる人が大半です。たぶん、胸も成長に伴い大っきくなるので、女性だと意識し易いのでしょうね。」


 という訳で、本題に戻るが、童貞で有り妊娠した事がない天狗族は半陰陽。つまり、如月さんたちは、男性で有り女性。


 ……ムスコが付いているのだ。俺が触れたのも、やはりそれだった。


「この子たちにも相手が見つかれば早いのですけど……」


「お見合いでもすれば?」


「問題は、天狗族が比較的に強い種族な事だ」


「幼少期より武技も教え込みます。ですので、並の相手では務まりません。しかも、天狗族が相手に求める条件は、自分を屈服させる事です」


「ギルさん、ちょっと」


 睦月さんの話の途中でギルさんを呼んだ。確認したい事があった為だ。


「だから、やり合うと責任取る事になるとか言ったの? 既に、倒しちゃったんだけど……。薬ならセーフ?」


「う〜ん、薬は何を? そして、どんな風に使った? こっちからは、よく見えなかったが」


「揮発性の睡眠薬。ハンカチに染み込ませて、口と鼻を同時に塞いで吸わせた」


「アウト。諦めろ」


 ギルさんは、苦笑いしながら俺の肩に手を置いた。


「そっ、そんな!?」


「自業自得だな。なに、マリーへの説明くらいは、手伝ってやるさ。それとも母様を巻き込んだ方が早いか?」


 なんか、ギルさんが決定事項の様に、後の事を考えているんですけど。という事は、本当に如月さんたちを娶る事になるのか?


「「「う〜ん……ここは?」」」


 3人から声が聞こえた。どうやら、目を覚ました様だ。これは、荒れる事になりそうだ。

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