従魔兼奥さん?
言い訳をさせて下さい。スライムって便利だなと思いました。
ついでに、軽い気持ちでアイリスって名前を付けました。
ずっと1人だったから人肌が恋しいと考えはしました。
食事を与えたら、一緒に暮らすから寝床を見せて欲しいと言われたので、とりあえず案内しました。
行ったらいきなり押し倒されて誘惑されました。なので、全力で誘惑に乗って召し上がりました。
翌朝。横でアイリスが寝ている。昨日はかなり愛し合ったからなのか、凄く愛おしい。
「うん?」
アイリスを見ていたら、ふっと妙な繋がりを感じた。彼女を鑑定してみる。……いつの間にか、従魔契約が完了していた様だ。
従魔とは、魔物と人がお互いに同意する事で結ばれる契約だ。契約を結ばれると魔物は、主の命令に従う様になる。
人と魔物の契約だが、半神にも適用されるらしい。半分は人間だし、そうなるか。ついでに、魂の契約まで完了していた。
魂の契約とは、お互いの存在を認めて交わい、体液交換する。それを受け入れる事で成立するらしい。
アイリスは、腕に抱き着きながら『あれだけ激しくされたらね』と言っている。
手を出した以上、責任は取ろう。
スライムと人の結婚って有りなのだろうか?
いや、本人たちの気持ちだから有りかな?
という訳で、アイリスが従魔兼奥さんになりました。
「いや〜、年下の子を舐めてました」
朝からアイリスの口調が前より気軽な感じに変わっていた。
「俺もすまん。正直やり過ぎたと思う」
だって、スライムだから肉体を自由に弄れるんだもん。
「う〜ん、別にそこはいいよ。美味しかったし」
「………」
何を食べたのでしょうか、アイリスさん。トリ肉ですよね?
もしくは、リンゴの事だと思いたい。
「でも、うふふっ」
「嬉しそうだな」
「いや、何ね。まさか、スライムなのに人と結婚するなんてと思って。あっ、いや、半神だったね」
「あれ?半神って言ったっけ?」
そんな覚えは無いが。
「一応、私も鑑定魔法使えるからね。というか、半神じゃなかったら近付かなかったよ」
「どういう事?」
アイリスの説明では、ゴールドアッポの木の所から見ていたらしい。そもそも、普通は見つける事すら出来ないらしい。
意識の空白エリア。認識阻害の効果で、魔物も無意識の内に近寄らない領域らしい。
とは言っても、上空からなら一発だったのだが。
種もあるし、後で植えておこう。
農家スキルで、無事成長するだろうしな。
そして、スライムは雑魚として襲われるらしい。
エンペラースライムは、強いから殺される事はそうそう無いらしいが、相手をするのは面倒らしい。
「なるほどね。でも、上空からなら見つかるよ」
「そうなの?でも、そもそもの話、飛べる者が少ないからね」
「まぁ、確かに俺もちゃんと飛んだ訳ではないし」
「えっ?じゃあ、どうやって見たの?」
「こうやって、物体置換」
近場に置いて置いた木材と入れ替わった。
「空間魔法!凄い!!それ、使い手がほぼ存在しないんだよ!」
「いいでしょ。知ってる場所なら転移も可能だよ」
他に攻撃用の知識もある。
「はぁ〜、襲われなくて良かったよ。流石の私も死ぬかもしれないもん。警報が鳴らなくて良かったよ」
「うん?あぁ、柵のアレね。というか、ちゃんと動くかわからないんだけど」
一応、鑑定した結果起動してはいる様だが。
「動いているよ。反応しなかったのは、悪意が無く好奇心で近寄ったからだし」
「さいですか」
効果があるのは確認出来たから良しとしよう。
「さて、仕事しますか」
「何をするの?」
「流石に2人であの寝床だとキツイだろうし。家をちゃんと造ろうと思ってな」
「大変でしょ。手伝おうか?」
気を使ってくれる良い嫁だ。スライム嫁か。
「大丈夫。加工も既にしてあるし、空間魔法で組み立てるだけだから」
あっ、でも2人で住むなら大きくしないと。
「今ならまだ、造る前だから要望聞けるぞ。何か無いか?」
「う〜とね」
頭に手を当てて考える感じが可愛らしい。
意外とベタ惚れだな、おい。
「じゃあ、部屋が追加で3つ欲しい!」
「何故、3つ?」
「自分用と友達用が2つ。よく突撃してくるから」
突撃してくるんだ。
「そのくらいなら大丈夫だろ」
木材の在庫もまだ、900を超えている。
要望には、応えられるだろう。