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惚れ薬の影響

 昔、マリーに試して封印したルーン文字が2つある。それは、性交の時に使われるのが、目的の魔法だった。


 その文字とは、母性(べオーク)(エオー)


 べオークは、女性にのみ使う文字で、感度の増幅と排卵の誘発を行う。分かりやすく言うと女性を妊娠しやすくする。


 エオーは、男性に使う文字で、スタミナ増強とナニの増大、精液量のアップが起こる。要は、AV男優以上の絶倫になると言う事だ。


 で、どうしてこんな話をしているかというと。


「ふしゅうぅーー!」


「もう……無理……」


「きゅぅ〜………」


 ベッドには、シーツに包まり、グッタリするリリィと気絶したリディアの姿がある。そして、俺は、性欲のビースト化している。


 媚薬には、意識低下の効果も付いているのか?


 やっている最中に、封印したはずのルーンまで持ち出してしまった。その結果が、今の彼女たちだ。多分、今回ので孕んだ気がする。


 しかし、今日のリディアは可愛かったな。リリィも当然可愛かったけど。たぶん、姉妹がいないからだろう。キスを強請ったり、『様』付けでなく『さん』付けで呼んだりとかなり甘えてきた。いつものサバサバした性格とのギャップ萌えに興奮して、積極的に相手をしたら気絶した。


 だが、俺の性欲が全く収まる気がしない。しかし、彼女たちは力尽きている。


「そっか!違う人を探しに行けば、良いのか!!」


 俺は、近場に置いておいたコートを羽織る。性欲の獣と化した俺は、次の獲物を探しに部屋の外に出るのだった。


 この時、惚れ薬が隔離した部屋もしくは空間で使用する理由を、俺は知らなかった。実は、惚れ薬の効果が伝染するという事を。




 ******************




「さて、何をしましょう」


 フィーネは、暇を持て余していた。晩ご飯までは、まだ時間がある。鶏育の仕事は、朝終わった。乳母のお仕事は、交代でお休みだ。


 尤も、それ以前に、今日はお休みなのだ。何故なら、前日にユーリ様の相手をしたからだ。ユーリ様と寝た次の日は、休みにするルールになっている。そして、ユーリ様の好意で拒否権も有るが、そのつもりはなかった。私自身、嫌では無いからだ。そんな訳で、今、暇をしている。


「図書室に行って、読書でもーー」


「フィ〜ネ、見っけ!」


「きゃっ」


 ガシッと、背後から誰かに抱き締められた。フィーネには、相手の姿は見えないけれど、身体に回した腕と匂いから予想がついた。


「ご主人様ですか?」


「正解!」


 ご主人様であるユーリさんは、離れると私の前に姿を現した。裸にコートという装いで。あれ? 顔が赤くないですか?


「ご主人様、顔がーー」


「フィーネ。んっ」


「んんっ!?なっ、何を!?」


「危ない」


 いきなりキスをされて、びっくりした。その為、よろけて壁の方へ倒れかけた。ご主人様が壁に片手を当てながら、抱き締めてくれなかったらぶつかっていただろう。そのせいだろうか?意識がクラクラする。抱き締められた手が胸に触れた。


「あん!」


 何時も以上に電気が走った。何故か、とても敏感になっている様だ。


「フィーネ」


「はい。んんっ」


 今度は、普通にキスを受け入れた。今のご主人様は、熱烈だ。そして、私は何時も以上に蕩けて幸せな気分になる。ご主人様の味が、甘いからかしら? それとも、今日だけは?


「今からしたい。ダメか?」


「ダメじゃないです。でも、1人は……」


「部屋で待ってる。誰か、連れて来るといい」


「はい……」


 頭がふわふわする中、私は他の人を探しに行った。そして、無性にキスをしたい気分にさせられた。





 ******************




「よし、これで掃除は終わりですね」


 ミズキは、今日の掃除を終えて、掃除用具を片付けていた。


「お疲れ様、ミズキ」


 私の目の前に、たゆんたゆんと揺れる肉の塊が現れた。フィーネのおっぱいだ。ミズキは、萎めば良いのにと思いながら平らな自分の胸を見た。でも、そしたら美味しいミルクが飲めなくなるわね。


「ミズキ、どうかしたの?」


「いえ、何でもないわ。フィーネ。ただ、ユーリ様は、胸が大っきい方が好みなのかなと考えただけよ」


「そう、なら、自分で確認してみれば?」


「はい?……んんっ!?」


 疑問を抱く前に、フィーネからキスされた。甘い匂いと味が伝わってくる。甘いと分かると意識が蕩けはじめた。女同士のキスなのに幸せな気分になる。でも、いつもはこうならないわよね?


「ユーリ様が部屋で待ってるの。一緒に行こう」


「……うん」


 何故か、意識がぼーっとする。なんの違和感も持たずにフィーネの誘いに乗った。ユーリ様が待ってるのなら行かなければ。私は、ユーリ様のメイドで嫁の1人だから。




 ******************




 フィーネを待つ為に、部屋へ戻ろう。


「うん?」


 廊下の曲がり角から血溜まりが見える。おそらく、エロースだろう。今のフィーネを見て倒れたか?蕩けきっていてエロかったしな。


「やはりな」


「うう……」


「造血剤飲むか?」


 エロースを抱き起こして聞いた。彼女が良く血を流す為、特別に作った物だ。


 彼女を見ていたら、ムラムラが強くなった。このエロい服がいけない。めちゃくちゃにしたくなる。堕天使って言われる程に穢したい。


ユーリは、惚れ薬で思考がマズい事に気付いていない。


「薬、頂戴……」


「ほらよ」


 エロースは、喉をコクッコクッと鳴らして、試験管の液体を飲む。


「……これ、いつものと違くない?なんか、ムラムラが強くなったんだけど」


 試験管にラベルがない。……あっ、これ、惚れ薬だわ。造血剤は、薄い紅色のこっちだったわ。


「あっ、間違えた。媚薬の一種だわ」


 嘘ではない。惚れ薬は、強力な媚薬の一種なのだ。リリィがそう言っていた。


「仕方ないわね。……んっ。なんか、キスしたくなってきた」


「んっ。……エロース、今からダメ?」


「良いわよ。このまま、連れて行ってくれるならね」


「分かりました。可愛いお姫様」


 エロースをお姫様抱っこして、部屋に戻った。ベッドでは、リリィたちが気絶したままだった。ベッドのスペースが足りない。他の部屋にあるベッドを空間魔法で持ってきた。


「ご主人様、お待たせしました」


「ユーリ様、お情けを頂けるとの事でやって来ました」


 フィーネは、ミズキを連れてきた様だ。種族もスタイルも性格も違う3人が揃った。これは、楽しめそうだ。


 俺は、性欲の趣くまま、3人を抱くのだった。





 ******************




「……これは、マズいわね」


「そうなんですか、エリス?」


 エリスは、顔をしかめる。屋敷に漂う匂いの正体に心当たりがあったからだ。


「ギンカが妙に甘い匂いがすると言ったから何だろうと思ったら……これ惚れ薬の匂いよ」


「惚れ薬ですか?」


「使用法をミスったのね。屋敷中に匂いが充満しているわ」


「充満したらマズいのですか?」


「匂いだけでも、軽い効果が有るからねぇ。まぁ、半日したら消えると思うけど、皆が帰る前になんとかした方が良さそうね」


「その効果は、私たちには?」


「魔獣と精霊には、効果が無いわ。それじゃあ、まずは、元凶を隔離しないと。ギンカ、場所分からない?」


「それなら、あそこですね」


「あっ、分かるんだ。何処?」


「ご主人様が、いらっしゃる方ですね。エリス、転移しますよ」


 ギンカは、エリスに触れると一緒に転移した。場所は、ユーリの寝室だ。


「うわぁ……」


 エリスは、部屋の光景を見るなり、ドン引きした。誰も彼も全裸で気を失っている。惚れ薬の影響を受けて、発情したのだろう。性行為特有の匂いが立ち込めていた。


「ご主人様、大丈夫ですか?」


「きゅう〜……」


 ギンカがうつ伏せで倒れていたユーリを抱き起こした。エリスも顔を覗き込む。


「ダメね。完全に気を失っているわ」


「この後は、どうしましょう?」


「部屋に結界張って貰える?」


「部屋だけで良いのですか?」


「部屋以外は、私がなんとかするわ」


「そう、なら、任せます」


 ギンカの結界が展開された。次は、自分の番だ。


「水精霊魔法・浄化の泡玉(ウォッシュシャボン)!」


 シャボンが壁を透過して、巨大化。屋敷全体を覆うと弾けて消えた。


「これで屋敷は、大丈夫。後は、効果が消えるまで、皆をこの部屋に隔離して置けば問題なしよ」


「なら、アイリスさんたちに知らせに行きましょう」


「結界は、そのままで大丈夫なの?」


「半日程度なら持ちますよ」


「念の為、置き手紙を数枚置いて行きましょう」


「紙とペン、インクは……これですね。書けないので宜しくお願いします」


 ギンカは、部屋にあった棚から紙とペンを持ってきた。


「貴方もイナホたちを見習って覚えようね」


「善処します」


 するとは、言わないのね。そう思いながら、エリスは、『効果が消えるまで部屋から出るな』と紙に書いていった。


「それじゃあ、お願い」


「はい」


 自分たちは、アイリスたちに合流出来る様に王国へと転移した。おかげで、無事合流。皆に事情を説明して、夜遅くに屋敷へ帰った。

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