惚れ薬の影響
昔、マリーに試して封印したルーン文字が2つある。それは、性交の時に使われるのが、目的の魔法だった。
その文字とは、母性と馬。
べオークは、女性にのみ使う文字で、感度の増幅と排卵の誘発を行う。分かりやすく言うと女性を妊娠しやすくする。
エオーは、男性に使う文字で、スタミナ増強とナニの増大、精液量のアップが起こる。要は、AV男優以上の絶倫になると言う事だ。
で、どうしてこんな話をしているかというと。
「ふしゅうぅーー!」
「もう……無理……」
「きゅぅ〜………」
ベッドには、シーツに包まり、グッタリするリリィと気絶したリディアの姿がある。そして、俺は、性欲のビースト化している。
媚薬には、意識低下の効果も付いているのか?
やっている最中に、封印したはずのルーンまで持ち出してしまった。その結果が、今の彼女たちだ。多分、今回ので孕んだ気がする。
しかし、今日のリディアは可愛かったな。リリィも当然可愛かったけど。たぶん、姉妹がいないからだろう。キスを強請ったり、『様』付けでなく『さん』付けで呼んだりとかなり甘えてきた。いつものサバサバした性格とのギャップ萌えに興奮して、積極的に相手をしたら気絶した。
だが、俺の性欲が全く収まる気がしない。しかし、彼女たちは力尽きている。
「そっか!違う人を探しに行けば、良いのか!!」
俺は、近場に置いておいたコートを羽織る。性欲の獣と化した俺は、次の獲物を探しに部屋の外に出るのだった。
この時、惚れ薬が隔離した部屋もしくは空間で使用する理由を、俺は知らなかった。実は、惚れ薬の効果が伝染するという事を。
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「さて、何をしましょう」
フィーネは、暇を持て余していた。晩ご飯までは、まだ時間がある。鶏育の仕事は、朝終わった。乳母のお仕事は、交代でお休みだ。
尤も、それ以前に、今日はお休みなのだ。何故なら、前日にユーリ様の相手をしたからだ。ユーリ様と寝た次の日は、休みにするルールになっている。そして、ユーリ様の好意で拒否権も有るが、そのつもりはなかった。私自身、嫌では無いからだ。そんな訳で、今、暇をしている。
「図書室に行って、読書でもーー」
「フィ〜ネ、見っけ!」
「きゃっ」
ガシッと、背後から誰かに抱き締められた。フィーネには、相手の姿は見えないけれど、身体に回した腕と匂いから予想がついた。
「ご主人様ですか?」
「正解!」
ご主人様であるユーリさんは、離れると私の前に姿を現した。裸にコートという装いで。あれ? 顔が赤くないですか?
「ご主人様、顔がーー」
「フィーネ。んっ」
「んんっ!?なっ、何を!?」
「危ない」
いきなりキスをされて、びっくりした。その為、よろけて壁の方へ倒れかけた。ご主人様が壁に片手を当てながら、抱き締めてくれなかったらぶつかっていただろう。そのせいだろうか?意識がクラクラする。抱き締められた手が胸に触れた。
「あん!」
何時も以上に電気が走った。何故か、とても敏感になっている様だ。
「フィーネ」
「はい。んんっ」
今度は、普通にキスを受け入れた。今のご主人様は、熱烈だ。そして、私は何時も以上に蕩けて幸せな気分になる。ご主人様の味が、甘いからかしら? それとも、今日だけは?
「今からしたい。ダメか?」
「ダメじゃないです。でも、1人は……」
「部屋で待ってる。誰か、連れて来るといい」
「はい……」
頭がふわふわする中、私は他の人を探しに行った。そして、無性にキスをしたい気分にさせられた。
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「よし、これで掃除は終わりですね」
ミズキは、今日の掃除を終えて、掃除用具を片付けていた。
「お疲れ様、ミズキ」
私の目の前に、たゆんたゆんと揺れる肉の塊が現れた。フィーネのおっぱいだ。ミズキは、萎めば良いのにと思いながら平らな自分の胸を見た。でも、そしたら美味しいミルクが飲めなくなるわね。
「ミズキ、どうかしたの?」
「いえ、何でもないわ。フィーネ。ただ、ユーリ様は、胸が大っきい方が好みなのかなと考えただけよ」
「そう、なら、自分で確認してみれば?」
「はい?……んんっ!?」
疑問を抱く前に、フィーネからキスされた。甘い匂いと味が伝わってくる。甘いと分かると意識が蕩けはじめた。女同士のキスなのに幸せな気分になる。でも、いつもはこうならないわよね?
「ユーリ様が部屋で待ってるの。一緒に行こう」
「……うん」
何故か、意識がぼーっとする。なんの違和感も持たずにフィーネの誘いに乗った。ユーリ様が待ってるのなら行かなければ。私は、ユーリ様のメイドで嫁の1人だから。
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フィーネを待つ為に、部屋へ戻ろう。
「うん?」
廊下の曲がり角から血溜まりが見える。おそらく、エロースだろう。今のフィーネを見て倒れたか?蕩けきっていてエロかったしな。
「やはりな」
「うう……」
「造血剤飲むか?」
エロースを抱き起こして聞いた。彼女が良く血を流す為、特別に作った物だ。
彼女を見ていたら、ムラムラが強くなった。このエロい服がいけない。めちゃくちゃにしたくなる。堕天使って言われる程に穢したい。
ユーリは、惚れ薬で思考がマズい事に気付いていない。
「薬、頂戴……」
「ほらよ」
エロースは、喉をコクッコクッと鳴らして、試験管の液体を飲む。
「……これ、いつものと違くない?なんか、ムラムラが強くなったんだけど」
試験管にラベルがない。……あっ、これ、惚れ薬だわ。造血剤は、薄い紅色のこっちだったわ。
「あっ、間違えた。媚薬の一種だわ」
嘘ではない。惚れ薬は、強力な媚薬の一種なのだ。リリィがそう言っていた。
「仕方ないわね。……んっ。なんか、キスしたくなってきた」
「んっ。……エロース、今からダメ?」
「良いわよ。このまま、連れて行ってくれるならね」
「分かりました。可愛いお姫様」
エロースをお姫様抱っこして、部屋に戻った。ベッドでは、リリィたちが気絶したままだった。ベッドのスペースが足りない。他の部屋にあるベッドを空間魔法で持ってきた。
「ご主人様、お待たせしました」
「ユーリ様、お情けを頂けるとの事でやって来ました」
フィーネは、ミズキを連れてきた様だ。種族もスタイルも性格も違う3人が揃った。これは、楽しめそうだ。
俺は、性欲の趣くまま、3人を抱くのだった。
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「……これは、マズいわね」
「そうなんですか、エリス?」
エリスは、顔をしかめる。屋敷に漂う匂いの正体に心当たりがあったからだ。
「ギンカが妙に甘い匂いがすると言ったから何だろうと思ったら……これ惚れ薬の匂いよ」
「惚れ薬ですか?」
「使用法をミスったのね。屋敷中に匂いが充満しているわ」
「充満したらマズいのですか?」
「匂いだけでも、軽い効果が有るからねぇ。まぁ、半日したら消えると思うけど、皆が帰る前になんとかした方が良さそうね」
「その効果は、私たちには?」
「魔獣と精霊には、効果が無いわ。それじゃあ、まずは、元凶を隔離しないと。ギンカ、場所分からない?」
「それなら、あそこですね」
「あっ、分かるんだ。何処?」
「ご主人様が、いらっしゃる方ですね。エリス、転移しますよ」
ギンカは、エリスに触れると一緒に転移した。場所は、ユーリの寝室だ。
「うわぁ……」
エリスは、部屋の光景を見るなり、ドン引きした。誰も彼も全裸で気を失っている。惚れ薬の影響を受けて、発情したのだろう。性行為特有の匂いが立ち込めていた。
「ご主人様、大丈夫ですか?」
「きゅう〜……」
ギンカがうつ伏せで倒れていたユーリを抱き起こした。エリスも顔を覗き込む。
「ダメね。完全に気を失っているわ」
「この後は、どうしましょう?」
「部屋に結界張って貰える?」
「部屋だけで良いのですか?」
「部屋以外は、私がなんとかするわ」
「そう、なら、任せます」
ギンカの結界が展開された。次は、自分の番だ。
「水精霊魔法・浄化の泡玉!」
シャボンが壁を透過して、巨大化。屋敷全体を覆うと弾けて消えた。
「これで屋敷は、大丈夫。後は、効果が消えるまで、皆をこの部屋に隔離して置けば問題なしよ」
「なら、アイリスさんたちに知らせに行きましょう」
「結界は、そのままで大丈夫なの?」
「半日程度なら持ちますよ」
「念の為、置き手紙を数枚置いて行きましょう」
「紙とペン、インクは……これですね。書けないので宜しくお願いします」
ギンカは、部屋にあった棚から紙とペンを持ってきた。
「貴方もイナホたちを見習って覚えようね」
「善処します」
するとは、言わないのね。そう思いながら、エリスは、『効果が消えるまで部屋から出るな』と紙に書いていった。
「それじゃあ、お願い」
「はい」
自分たちは、アイリスたちに合流出来る様に王国へと転移した。おかげで、無事合流。皆に事情を説明して、夜遅くに屋敷へ帰った。




