表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

101/484

季節は、冬……だけどうちは何時もと変わりません

 夏が過ぎ、秋終わって季節は冬。シンボルの桜も青葉から色を変え、葉を落とし始めた。


 だが、屋敷に隣接した植物園では、季節関係無しに青葉を楽しめている。


 趣味で作った植物園は、屋敷の右側から通路を通って移動出来る様に隣接した。その為、上から屋敷を見ると大文字の逆Lになった。


 広さは、直径100mの円状。地面は、全て芝生。寝転がりたいしね。


 その上、ラグス王国で手に入れたバナナとか、ハイビスカスの様な花とか色々な南国植物を植えた。魔法による温度管理も行い、春の様な温暖な気温を保っている。


 おかげで、室内でピクニック気分を楽しめる。


 最近、温かさを求めて、皆ここに集まっている。


 今日は、テーブルとイスを持ち出してのんびりだ。


「カグヤ〜、ご飯だよ」


「ユリウスも授乳の時間ですね」


 片胸を出して、うちの赤ちゃんたちに授乳するアイリスたち。


「………」


「どうしたの、ユーリ?」


「いや、女の子の身体って不思議だな〜と」


 吸っても出なかったのに、赤ちゃんが出来た途端、おっぱいから母乳が出るのだから不思議に感じる。


「母乳のこと?」


「そうそう」


 さすが、アイリス。言わなくても聞きたい事が分かっーー。


「飲みたい?」


 えっ、何?年中、発情してるとでも思ってるの?


「……夜、寝る時で」


 すみません。誘惑には、勝てませんでした。


「ユーリパパは、おっぱい好きですからね〜」


「うぐっ」


 アイリスがニヤニヤしてる。


「でも、胸が小さい娘が好みですよね?」


 あれ、マリーも参戦ですか?


「私やミズキ、イナホちゃんの時とか妙にやる気ですよね?」


「それは、ユーリにロリコンの気があるからじゃないかな?」


「ごはっ!?」


 見えない言葉の剣が俺を貫いた。


「確かに、ユーリ様の好みについて詳しく聞きたい所ですね。以前、誤魔化された経験が有りますし」


 あはは、リリスたちも参戦ですか。これは、ヤバそうですね。


「確かに、私たちにはあまり手を出して下さらないですし。やはり、母様が良いんですか?母様が?」


 ……いっ、言えない。4人の中で飛び抜けてるなんて。子を産んだ母親なだけあって色々上手いし。そもそも、一番好みに近いと思う。


 ただ、もし言うものなら……リリィが終わる。リリスたち、自分たちの母親に容赦無いからな。


「賭けの報酬で孕めなかったですし。次は、孕みたいものです」


 リリアが爆弾を投下しました。護衛クエストの時の件ね。頑張ったけど、運に恵まれ無かった。


「リリア。賭けの報酬とは?」


「以前、ユーリ様に『子供を下さい』とお願いして頑張って貰った件です」


「「その話、詳しく!」」


 この流れマズくない? このまま続けたら、俺の好みや性癖を根掘り葉掘り聞かれるくない?


 性癖は、良いとして、好みはマズい気がする。というか、自分でも良く分かってなかったりする。好みの範囲が広いなとは、思っている。とりあえず、話題を変更せねば!


「それより、本格的に冬が始まる前に冬対策を話し合おうよ!!」


「うちって、する事無くない?」


「あっ、うん。まぁ、実はそうだよねぇ〜」


 アイリスの言葉に、頷く俺。うちの現状を改めて確認してみよう。


 まずは、食料。アイテムボックスのパネルを展開。面にして5枚。3桁表示のアイコンで埋め尽くされている。


「これでも減った方なんだよな」


 ティアたちが来てから畑を拡張。それに伴う、作物の増加。豊穣だったことも有り、十分過ぎる程に貯蓄出来ている。


 そして、俺の趣味である農業試験場も成果は上々。


 属性剣を活かし新しく作った温暖施設や寒冷施設でも作物を栽培。


 これらは、季節関係無しなので、食料には困らない。


 次に、冬場の薪だが、基本使っていない。


 屋敷を作った時、壁と床の間にパイプを通しており、温泉を流す事が出来る。


 これにより、冬場でも建物の内部を温める。


 夏の場合は、水路から冷水を引込む事で冷却も行える。


 ちなみに、パイプの劣化が心配になるが、そこは異世界。劣化防止の魔法が存在したので無問題。


 そんな感じで薪による暖房は要らないのだ。

 そもそも、暖炉とかないし。キッチンも、魔法コンロだから要らないのだ。


「布団でも買うか?」


「今のでオールシーズンいけるから要らなくない?」


「ですよね〜」


 だから、正直する事がない。


「コタツでも作ろうかな?」


 最近、創る人のスキルを使って何も造ってない気がする。


「それより、気になる事があるんだけど」


「何?」


「ユーリ、最近、良く出掛けるよね?何してるの?」


「あれ、皆に言わなかったっけ?」


 アイリスたちには、伝えたと思っていたんたが……。


「私も聞いて無いですね」


「マリーも聞いて無いなら俺が忘れてたな。最近してるのは、転移(シフト)で行ける所を増やしているんだ」


 冬になると移動が辛くなるからな。


「今、行けるのはこれだけだよ」


 竜王国内の地図をアイテムボックスから出して、皆に見える様に広げた。地図には、要所にペケ印がされている。


「マークが着いてる場所が行った場所だよ。とりあえず、竜王国の7大都市を順番に行ってる最中」


 7大都市には、首都ペンドラゴン、観光都市エリシオン、港町ベレチアが含まれる。


 ベレチアも都市だった。この国の商業都市にあたる。


 他の都市は、ゲンチアナ、プレシオ、カノープス、ティラノ。


「今の所、ゲンチアナとカノープスには行きました」


「ギンカも行ったの?」


「はい。従魔ですし、私も転移を使えるからと」


「俺以外に行ける人が増えると助かると思ってな」


「個人的にも何ヶ所か回っています」


「そんな事してたんだ」


「うん。だから、春になったら皆でゲンチアナにでも旅行しようよ。季節の関係で見れなかったけど、花が綺麗なんだって」


「月光華ですね!あれは、良いものです!」


「月光華って、夜に淡い光を纏いながら白い花を咲かせるって奴?」


「そうですよ。アイリス。その花が、畑一面に広がっていて幻想的なんです!」


 マリーは、以前に見た事があるのか、思い出してうっとりしている。


「それ、面白そう。私も見てみたい」


「それじゃあ、約束。指切りげんまん〜〜……指切った!」


 アイリスと約束した。春になるのが楽しみだ。


「ユーリ君、いる?」


 ちょうど、指切りが終わったタイミングでエロースが植物園に入って来た。


「あっ、エロース!俺は、ここに居るよ!」


 たぶん、例の件だな。皆に聞かれない様にエロースに近付いた。


「あっ、良かった。頼まれていたデザインが出来たよ」


「ホントか!?」


 エロースが何でも出来るのは周知の事実だが、それには絵も含まれていた。


 それを知った俺は、彼女にローブのデザインを依頼。


 冒険者チームとしてのシンボルのような物が欲しいと思ったからだ。


「どうかな?」


 フード付きの白いローブ。背後に火を連想する紅い蓮の花が描かれていた。手首や裾にも火をイメージした細工がされている。


「凄く良いじゃねぇか!!軽く言っただけで、コレとか、やるじゃん、エロース!」


「えへへ、見直したでしょ。それで報酬なんだけど……」


「くっくっく、分かっている。当然、例のモノを用意した」


「ふっふっふ、ユーリ君も悪ですね」


「何を言う。エロース、君もだろ?」


「そうでした。貰うからには、共犯でしたね。まさか、あんなモノを報酬にされるとは……」


「エロース。君の働きを見れば当然さ。ただし、分かっていると思うが……」


「くくっ、お任せ下さい。墓場まで持って行かせて貰います」


 2人で怪しい会話をしている様に見えるけど、別に怪しくない。


 俺が、エロースにデザイン依頼の報酬を渡す話をしただけだ。


 ……まぁ、報酬が盗撮写真だったりするけど。


 パンパカパン!マジックアイテム『なんでも写す君』!


 ガイアス爺さんが出産祝い品として俺宛に贈って来たものだ。


 効果は、カメラ。撮影後、専用アイテムにセットする事で現像してくれる。


 このカメラに、実は、隠し機能が存在した。レンズの一部を弄り、専用キーを本体に刺して準備ok。


 後は、対象の人に向かって構え、ボタンを押します。


 なんと言う事でしょう!服を着ているのに、下着姿で撮影されるでは有りませんか!


 爺さんの手書きメモで知った。即効、全員を撮影、現像。燃やされても良いように複製までこなした。


 知ってるか? PCと同じく、エロ目的の方が詳しくなるんだ。


 俺は、このアイテムを複製出来る程に詳しくなってしまったぜ!


「後は、これを何処に依頼するかだな。出来れば、魔法糸で編んで貰い所なんだが……」


 問題は、今、知ってる店は、普通の店なので出来ないんだよな。


「それについても、アテが有るんだけど」


「マジか!」


「うん。天使の職人に依頼したらどうかな?私の知ってる店なら魔法糸で編む事が出来るわ」


「なら、そこにしよう。とりあえず、白金貨20枚で足りるか?」


「寧ろ、十分よ」


「なら、全額使っても良いから最高のを造って貰ってくれ」


「分かったわ。すぐに頼んでくる」


「これを持って行って」


 俺は、エロースにメモを渡す。


「これは?」


「ここ最近の皆の詳細なサイズ」


「……なんで有るの?」


「この前、皆でオーダーメイドの服作りに行っただろ?その時、店員に金貨渡したらくれた。ちなみに、これがエロースのサイズ」


「にゃあ!?返して!?」


 おっ、猫みたいで可愛い。取り返そうとして猫パンチが飛んできたw


「ほ〜れ、ほれ」


「うう〜〜〜っ」


「ユーリたち、さっきから何やってるの?」


「エロース。それじゃあ、例の件頼んだぞ」


「分かったわ。直ぐ浮遊大陸へ行きたいから転移門使うね」


 アイリスが背後に来ていたので、即効、じゃれ合いを終了。


 エロースのサイズが書かれたメモを転移門の鍵と一緒に渡した。


「何、ちょっとしたサプライズの計画だよ。にひひ、楽しみにしててね」


「アイリスちゃん、悪い事じゃないから安心してね」


「分かった。2人がそう言うなら、楽しみに待ってるね」


 エロースは、直ぐに注文しに行った。店は、客が少ないらしく全力で取り組んでくれるそうだ。


 来年の春までには、完成する予定だとか。とても楽しみだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ