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第52話 居残り組3


次に周は腰の帯剣を外し、ベルトポーチと一緒に椅子の上にそれらを置いた。

それから下を向き、地面に影を落としてダンジョン内を歩き回る。


【環境設定】で一面を【草原】に変えてからダンジョンの中は、その景観を損ねるものが失くなっていた。

つまりそれはコアが埋まっていた台座も消えてしまっているということだ。


最奥にあった筈のそれは、見る影もない。


あるのは青い空に照らす光。

流れる川に緑一杯の草だけだ。

ついでにいうならダンジョンリストを加えても良い。


そして其処には当然コアは無かった。


ダンジョンは順調に機能しているので緊急ではないが、それはこのまま無視しておける程どうでもいいものでもなかった。


帰する所コアは核。このダンジョンの中心だからだ。


盗賊を殺した時に周には変化があった。


ではダンジョンは?


同じようにダンジョンにも色々なものを何度も生み出させ、吸収させたりしているので、その核であるコアに何か変わりがないか周はダンジョンマスターとして調べておきたかった。


「さてと、何処にあるのか」


周が最後にコアを見たのは、台座の上にあるコアに触りペテ子を生み出した時だ。あれ以来コアのことなど気にもかけていなかった。


だからまず台座があった辺りを重点的に調査する事にした。


「これか?気づかなかったら踏んでるぞ」


数分後、怪我をしていない方の手を使い、入念にまさに字の如く草の根を分けてコアを探していると、緑の下草の中に一本だけ水晶のような材質の真っ赤な下草が生えているのを見つけた。


下草は周に見つかると、細やかなしかし美しい赤い閃光を放つ。


その色は周にとって見覚えのあるものだった。


「これがコアなら見た目は変化有りだな」


(宝石から草に変わっているところを見ると原因はおそらく【環境設定】か)


周はコアらしきものを見つけ、直ぐに下草を【鑑定】した。


「ーーービンゴ」


【鑑定】の結果は的中。この赤い水晶のような草がコアだと確定する。


だが周の顔には苦笑が備え付けられていた。

原因は途中で気づいた自分のミスだ。


「しかし時たま俺は本当に抜けてるな、変化を見るも何もコアの最初の状態を知らないなら意味はない」


【鑑定】の結果、コアは分類上は物ではなく生物のようだった。ステータスの表示はそちら側に似ていて、名前や種族、そしてパラメーターの欄が存在した。


等級は一でLvは2。Lvは上がっているので変化は起きているようだが、周が途中で気づいた通り、元の状態を知らないのだからどのように変わったのか断定のしようはなかった。


「骨折り損とまでは言わないが、これもまた観察対象か………日記でも付けた方が良いのかね」


このままだとまた絶対に忘れるな、と周は思いDPでノートを購入する事を検討するのだった。


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