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第51話 居残り組2

「椅子の上で遊んでいてくれ」


周は肩から椅子の上に蟻達を移動させ観察していたが、同じ場所を同じように蟻達が歩き回るのを繰り返し見ている内に、頭がどうにかなりそうになったのでそれを中断する。

そして一先ずは泥濘(ぬかる)んだ頭を動かそうと欠伸を我慢しながら椅子から立ち上がった。


(ーーー他に何かやる事は)


現状の周に出来る事ははあまり無い。それでも探索組の手前、何もせずただボーっと間抜け面を晒しているわけにもいかず、夜中から朝にかけて頭の中で立てた予定を振り返る。


一番目は蟻達の経過観察。次は傷が悪化しない程度の運動だ。これはLvが上がって思い通りになっていない身体と意識を同調させる為のもの。それから【環境設定】で何処にあるか把握出来ていないコアを探す事と、最後に忘れていたベッファンのベルトポーチの中身の確認だ。


(一番簡単なのはこれだな)


周はまず腰に手を回し、ベルトポーチを外して残りの椅子を目の前に持ってきて、その上にポーチの中身をぶちまけた。


「貨幣と巻物(スクロール)か、時代遅れな」


入っていたのはきっちりと種類別に分けられた貨幣と布に巻かれた巻物(スクロール)が二つだった。


ベッファンはどうやら顔に似合わず几帳面な性格だったらしい。


周は【鑑定】を使いながら拾得物に目を通していく。


ポーチに入っていた貨幣にはそれぞれ名前が付いていて、それぞれアッシュ金貨、リルトン銀貨、ザパニ銅貨、モネブ鉄貨という四種類の硬貨だった。これらは全てリュベット公国で鋳造されたものだ。

二本の巻物(スクロール)には【煙幕(スモークウォール)】という同じ魔法が閉じ込められているようだった。


物のステータスは生物と違い名前と等級と説明文が載っており、秘匿されていなければ、これが何なのか、また何処で誰に作られたのか、などの詳細まで知ることが可能だった。


「貨幣は今のところ使い道はないな。三日後にククルに渡して何か調達してもらうくらいか、巻物(スクロール)は使えそうだ、二本あるし一つはーーーこの際、金貨とか銀貨も吸収させておくか」


貨幣や巻物(スクロール)を吸収されたとしても『アイテム購入』の欄に載り購入可能になるかはわからないが、労せず手に入れたものなので失くなっても構わないと周は思っていた。


(これが上手くいけば儲けものだ)


周はアッシュ金貨、リルトン銀貨、ザパニ銅貨、モネブ鉄貨を一枚ずつと巻物(スクロール)を地面に放り投げ、それらを廃棄したものとして扱う。

するとそれらはあっという間にダンジョンに吸収されていった。


「ダンジョンリストを起動っと」


全部が吸収されてから周は石版に近づき、『アイテム購入』のリストから貨幣と巻物(スクロール)を探す。


「えーと、おー、あるな」


(ダンジョンに吸収させたものでダンジョンリストに載らないものはないってことなのか?でもまだこれが全てそうなのか、例外があるのかは今の所はわからないな)


周はダンジョンリストに目を通し、思考しながら次は費用に注目した。


「で、購入額はどのくらいだ?」


貨幣は何故かダース単位でしか購入出来ずアッシュ金貨が1100DP、リルトン銀貨は300DP、ザパニ銅貨とモネブ鉄貨はそれぞれ60DPと10DPだった。【煙幕(スモークウォール)】の巻物(スクロール)は180DPでどちらにしてもDP(ダンジョンポイント)が無い周にはどれ一つとも購入は不可能であるのに変わりはなかった。


「どんな世界でも持たざる者は何も得られないのか、全く世知辛いもんだ」


周は貨幣と巻物(スクロール)が『アイテム購入』のリストに加わったのを確かめてからダンジョンリストを閉じると、椅子の上にぶちまけたものをベルトポーチに戻して、この確認作業を終えたのだった。



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