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第47話 第一回ダンジョン会議3

昨日は投稿出来ず申し訳ありませんでした。

また今日から再開します。







「今後しばらくの目的とその方法………不本意ながら次の探索には俺は不参加、よし。ここまでは決まったな」


「何かご不満でも?」


「そんなものはない。ただ玩具(おもちゃ)を取り上げられた気分なだけだ」


「それを不満というんですよ。何が気に入らないんですか?主様(マスター)も外は危険だと言っていましたよね?」


「危険と欲求は比例しない。それどころか場合によっては逆になる時もあるんだよ」


主様(マスター)は異常者でしたね」


「誰が異常者だ」


「間違えました。規格外れの異常者でした」


「より酷くするな」


「では規格内の異常者ですか?」


「それもう異常者じゃないだろ。範囲内に収まっちゃってるぞ」


「〜中の〜みたいな意味合いですよ」


「俺が異常者の中の異常者だと?」


「むしろ正常者の中の正常者かもしれません」


「それもある意味異常者だろ」


「つまり私が言いたい事は怪我を自分の所為で負った癖に我儘を言う主様(マスター)って救いようがないなって話です」


「それはーーー悪かったな」


「分かれば良いんです。それでは会議を進めましょう。次の議題へどうぞ」


ペテ子の提案により周が決定事項を両者に伝えるという形では無くなってしまってはいたが、これからのダンジョン運営の方向性ついては三者に情報共有が成された。これにより第一回目のダンジョン会議の前半部分は概ね終わった。


そして会議は後半部分、新たな議題へと進んだ。


「では次の議題へ移る。それは残りのDP(ダンジョンポイント)の使い道についてだ。俺はダンジョンを増強させるつもりだったんだが、同行出来なくなって俺抜きの探索になるからな。それを安全に、より効果的にする為に使った方が良いと思う、探索に行くのはお前達だ。どういう形でDP(ダンジョンポイント)を使いたい?」



「ちなみに主様(マスター)は残りのDP(ダンジョンポイント)をどう使うつもりだったんですか?」


「俺はモンスターを増やそうと思ってたな。種類はお前達とも話し合って決める予定だった」


「それでいいんじゃないですか?何か問題でも?」


「問題というか、俺がいない想定での話じゃなかったからな。外にいる時間を短くするなら罠を仕掛けるとか、森を野焼きして死骸を回収するだけにするとか色々あるだろ?」


主様(マスター)はたまに過激な事を言いますね」


「お前達の安全を第一に考えた結果だ」


「ですが、どちらをするにしてもDP(ダンジョンポイント)も情報も足りないのでは?アイテムは失敗したら無くなりますが、モンスターなら消えたりしませんし」


ペテ子の言い様は正しい。

罠を仕掛けるにしても、罠を生産するのにDP(ダンジョンポイント)が掛かり、さらにそれを何処に仕掛けるかが決まっていない。そもそもその場所がわからないから困っているのだ。虫の居場所が分かっているのなら探索の必要はない。

野焼きも火をつけるだけで長時間の準備が不可欠になるので現実的な案ではなかった。


「ならどんなモンスターにするかだ。セキ、お前はどうしたい?」


「私は捕まえる予定の虫を召喚するのが良いと思います」


セキは意外な回答を用意していた。


「理由は?」


「先程、副代表がおっしゃっていた事が理由です。同族を狩るにはその同族の味方がいた方が有利だからです。少なくとも私はその虫がどんな生態なのか知りません。どのようなものを好み、どのような場所に住むのか、それ得るのを召喚した虫に任せるのが良いかと。罠を仕掛けるにしてもそれらを知ってからにした方が効率的です」


一理あると周は思った。

そしてダンジョンリストを起動してこの世界の蟻が『モンスター召喚』のリストに含まれているのか確認してみた。


するとそこにはしっかりと名が刻まれていた。

周が鑑定を使いステータスを覗き見た蟻の名前はハヤシアリ。種族は昆虫種に属していて一応はモンスターとして召喚できる生物だった。

DP(ダンジョンポイント)は8DPとリーズナブルな価格なのも気に入った。


「ペテ子、セキは良い案を出しぞ。お前は副代表だ。何か意見は?」


「私はセキが主様(マスター)に褒められて嫉妬でどうにかかなりそうなので、考える余裕がありません」


「露骨に態度に出すなよ」


「愛情表現の裏返しです」


「すみません。副代表」


「セキ、謝る必要はないぞ」


「いえ、ああ、はい」


「他に意見がないなら、これを採用するぞ」


ペテ子を見るが、宙に浮き上がりプレッシャーをかけるようにセキの周りを飛ぶのに夢中で、他の意見は何もないようだった。


「やめろ、ペテ子。子供か」


「セキ、今度は負けませんよ」


「ご容赦ください」


「やめろって言ってんだろ」


「嫌です」


叱ってもペテ子は悪ふざけをやめるつもりがないようだった。


(好き勝手に振る舞うのは俺に似たのか)


「好きにしろ、話は終わったからな。セキ、本気で嫌なら止めるからその時は言え」


自分なら言うことを聞かないと知っている周は暇を持て余してゴロツキと化したペテ子と過干渉されるセキを放って話を纏めることにした。


「この議論により今後しばらくのダンジョンの目的はDP(ダンジョンポイント)の確保。方法は蟻の捕獲。探索者にはペテ子とセキが任命される事になった。『モンスター召喚』では捕獲対象の蟻【ハヤシアリ】を生み出す予定だ。ではこれで第一回ダンジョン会議は閉幕とする」


「セキ、主様(マスター)に褒められた気分はどうですか?」


「すみません、すみません」


最後は代表の挨拶を誰も聞いていないという会議の終わり方として全く締まらないものになってしまった第一回ダンジョン会議は、こうして終わりを迎えた。

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