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魔物の正体

第三者視点で周囲を探ると何か大きな影が見つかったが本体は草木に阻まれ見えない。


 俺はバレないようにコソコソと近づく。影を見るに体高2メートルはありそうだ。まさか……グレーターウルフか?


 俺は嫌な汗が背中を伝う。グレーターウルフは滅多に出ないと聞いたが2匹目が無いとは言い切れない……


 俺は慎重に移動してその姿を確認しに向かう。そして、俺は大きな影の正体を見破った。


「あの毛並み、あの大きさ、間違いない!」


 グレーターウルフではなく……


「鹿だ……鹿でした……」


 俺はなんだか期待を裏切られた気分になった。


 しかし、改めて見ると大きな鹿だ。体高2メートルの鹿とか日本にはいない。アメリカにはヘラジカとかいう2〜3メートルの化け物がいるが俺としてはこの鹿も十分化け物だと思う。


 思わず叫んでしまったせいか鹿はこちらを見てる。めっちゃ見てる。ガン見だ。そして、鹿は身体をこちらに変えて突進の構えだ。


 俺は弓を構えようとしてやめた。こいつに矢を放って意味があるのか疑問に感じたからだ。この巨体に刺さるのか?グレーターウルフの時は刺さらなかったことを踏まえると俺は弓を下ろした。


 しかし、弓を下ろしたところで鹿は突進の構えをやめるわけもなくそのまま突進して来た。鹿特有の角がこちらを狙う。


 俺は手に持った弓を投げ捨てて剣を抜いた。俺はそのまま鹿に向かって剣を振り下ろす。


 激しい衝撃が腕を痺れさせ、次に腹に衝撃が加わった。俺は呆気なく鹿に吹き飛ばされ地面を転げ回る。


 多少平衡感覚が狂ったが俺は素早く立ち上がり再び剣を構え、鹿の頭部に目を向ける。


 鹿の頭部は出血しているようだが致命傷には程遠そうだ。


 頭部はダメそうなので次に俺はグレーターウルフの時と同じく目を狙おうと思った。しかし、角が邪魔で狙えそうにない。


 ならば次に有効な手はなんだろうか動物の弱点なんか大概決まってる。粘膜や臓器のある所だ。ではその内の何処にするかが問題だ。


 目は前述のとおり不可、鼻や口は相手がそれを下を向けているのでこれまた不可。残るは腹や股間になるわけだが、腹を攻撃するには突進をやり過ごして動きを止める必要があるし、股間への攻撃は相手の後ろに回り込む必要がある上に後ろ足の蹴りのリスクがある。


 そんなことを悠長に考えた結果、痺れを切らしたのだろう。鹿はこちらに向かって走り出し俺の元まで来ると速度を落として角を振って攻撃してきた。


「うぉ!あぶね!?」


 鹿の角が俺のわき腹を掠める。2度、3度と角攻撃をかわして俺は鹿に背を向けて走り出す。


 特に考えもなく走り出してしまった。第三者視点が俺を追いかける鹿を捉える。足は当然向こうが早く直ぐに追いつかれた。


 俺は目の前に迫った木に向かって走り木を蹴って三角飛びをする。レベルアップの影響で脚力が増したのか思った以上に高く跳んだ。


 鹿は木の目前で止まり直上の俺を見上げる。俺は片手剣を空中で持ち替え刃先を下にし落下速度を利用して鹿に突き立てた。


 刃が鹿の腰に突き刺さり鮮血が吹き出る。


        プァアアアアアアン


 俺の俺は鹿の頭を背にしそのまま背中に馬乗りになり、鹿は驚きか痛みのためか一度立馬のような姿勢になりそのまま走り出した。


 「うおおおおおおおおおおお!?待て待て待て待て待て話せばわかるううううううううう!!」


 俺は突き刺した剣にしがみ付いて成すがままになっていた。鹿の走る振動が俺の尻に響く。


「止まれ止まれ止まれえええええええええええ!!」


 当然言っても止まるわけのない鹿は走り続ける。時折頭や背中を木の枝が打ち付ける。痛みに堪えながら行き先の分からないジェットコースターを後ろ向きに乗った俺は思い出す。


 俺は第三者視点で視界をグルリと進行方向に合わせた。視界が逆ジェットコースターから普通の乗馬の視点くらいにはなった。


「ヒィィィィィ怖い怖い怖い!!いつになったら止まるんだこいつ!!」


 視界は森を駆け抜ける鹿と背中の上でビビった顔をしてる俺の顔がよく見えふと冷静になった。


 ビビってる時の俺ってこんな顔したんだな、なんか滑稽だ。


 落ち着きを取り戻した俺は取り敢えず鹿を止めるべく方策を考える。何か止める方法は無いか考えるが何も思いつかない。ただ、視界が流れていく。


 すると、視界から木々が消え青空が広がった。


「は?」


 第三者視点でよく見ると鹿と俺は崖を踏み越えて中に投げ出されていた。


 そして自由落下が始まり俺は思った。


異世界ものはハッピーエンドが一番だけど俺がそうなるかは別問題


 視界が暗転した。






「…い、……ぶか?……え……」


 誰かの声がする。


「うっ…誰……?」


 目蓋がいや全身が重い。


「おっ?気がついたか、流石は男の子だ。ハハハ。」


 謎の声が笑い声をあげる。こいつは誰だ?ここは何処だ?そう思い俺はゆっくり目蓋を開ける。


 すると俺の顔を覗き込む金髪の美少女がいた。

タイトルコールをやってみたかったので入れてみました(笑)


次回更新は8/19日予定

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