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まずは腹ごしらえがしたい

 グレーターウルフはゆっくりと立ち上がりイツキさんの元へふらつきながらもゆっくりと一歩一歩を踏みしめるように歩いた。


 グレーターウルフは唸りを上げながらイツキさんの身体を下の歯に引っ掛け子犬を運ぶように持ち上げ森の方向に向かって引きずり歩く。


 私は思わず立ち上がり、グレーターウルフに向かって駆け出した。


「イツキさんを返せ!!!!その人は大切な人なんだ!!!!」


 グレーターウルフは思わず振り返り歯から抜け落ちたイツキさんがその場に倒れ臥す。


 私は動かないグレーターウルフに向かって包丁を高く振り上げ切りつけた。


 グレーターウルフは噛み付こうと顔を横にして私の胴体に噛みついた。しかし、余り痛くない。歯が少しだけ肌に食い込むが私はそれを無視する。


 噛む力が増えることはなく時折ピシッパキッとヒビが入るような音がする。私はグレーターウルフの首元の毛を鷲掴み、包丁を逆手に持って乱雑に突いた。






 もう何回突いたかわからない包丁の刃先は欠けていた。少しだけ血の跡がある。グレーターウルフは倒れ伏していた。私の足元に倒れこむそれは口元に剣の柄頭を必死で噛み付いていたような跡があった。


 私は気づいた、イツキさんに守られていたのだと。傍で倒れているイツキさんを見て我に帰った。


「イツキさん!!!」


 私はイツキさんに駆け寄り頭を抱き上げる。すると、微かなにだけどうめき声をあげた。


 「生きてる!生きてるよ!生きててくれたんだ!良かったぁぁぁぁぁ!」


 私は彼の頭を抱きしめてただただ泣きじゃくるだけだった。






 俺は腹の音で目が覚めた。


「腹減った……」


 そういえばもうずっと何も食べてない、どれくらい寝てたか知らんが最低でも2日は食べてない気がする。


 背を起こし辺りを見回すと明るいのでおそらく昼くらいだろう。セシリーがベットの横から腕を枕にして寝ていた。涎が垂れているのを見てちょっとほっこりした。


 俺はふと思い立ちステータスを開いた。






名前 梅野樹 LV12

性別 男

年齢 24歳

称号 救いし者


状態 衰弱


体力  154

精神力 707

攻撃  150

防御  152

魔法  845

素早さ 156


基本スキル 体術(小)


特殊スキル 集中力強化

      五感強化

      三人称視点






「す、衰弱状態になっとる……」


 俺は驚きを隠しきれずつい声を出した。体の方は空腹と少しの疲労感があるが特に動かないわけでは無い。


「うっ…… うん?あれ、寝ちゃってた?」


 セシリーが起きてしまった。きっと看病してくれていたのだろう。感謝感謝。


「セシリー、おはよう。」


「お、お、お、おはようございます?お姉ちゃん呼んできます!?」


 なんかめっちゃキョドッてたな、なにかあったのだろうか?不思議に思いながら俺はシシリーを待つことにする。


 ドタバタと2人の足音がこちらに向かってきてる。扉がバンッと開かれた、何をそんなに慌てているのだろうか。


「イツキさん!大丈夫ですか!?」


「おはようシシリー、大丈夫だよ。ただお腹がぺこぺこで倒れそうだよ。」


 俺は正直なところを話したらシシリーは安堵の表情だ。相当不安だったらしいがこれで落ち着くだろう。


「よ、良かったぁ。もうダメかと思いました。」


 シシリーはへなへなとその場に座り込んだ。


「お姉ちゃん良かったね。お兄ちゃんが無事で!」


 セシリーがニマニマとシシリーに言う。


「お、おう、お兄ちゃんか…… 」


 小さい子にお兄ちゃんと呼ばれるのはなんだか悪い気はしないな。


「セシリー!」


「あはは」


 シシリーが一声言うとセシリーはタッタッタッと部屋から出て行った。


「イツキさん、この村を救って頂きありがとうございます。」


「いや、救ったなんて大げさだよ。それに、俺は途中で倒れたし。」


 あれからのことは何もわからないしこの際聞いてみるか。


「正直グレーターウルフがどうやって倒されたかわからないんだよね。噛み付かれそうになって剣を突き出した所までは覚えてるんだけど、その後からわからない……」


「あぁ、そ、その辺は、たぶん村長が知ってますから、村長に聞いてください。」


 うん?なんか妙にはぐらかされてる気がするがまぁいいや。とりあえず何か食べたい。


「ん、そうか、とりあえずシシリーもセシリーも無事で良かったよ。それはそうととりあえずなんか食べるもの頂戴?あれから結局何も食べてないからもう限界だよ。」


「あ…… そうでしたね…… 急ぎ用意します。ちょっと待っていてください。」


 言うや否やシシリーも出て行ってしまった。部屋に1人残された俺は今後のことを考える事にした。


 とりあえず飯食って休憩したら、村長のところに顔だしておっさんの顔でも見に行くかな。


 俺はおっさんの安否が気になった。あれだけの出血をしていたので万が一がある。俺はベッドから窓辺に立ち空を眺めた。


「曇ってきたな……」

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