家路までの間
村長が俺にお礼を言うと俺とシシリーを玄関まで見送ってくれた。
「本日はお世話になりました。また、明日お会いしましょう。」
俺はそう締め括ってシシリーと一緒にシシリーの家へ向かった。
道中は深夜のため変わらず暗かったが、星明かりが出てきたため多少マシになった。空を見上げると満点の星空で綺麗であったが驚いた点が2つある。
1つ目は月だ。月が2つありそれぞれ違う色だった。大きく青い月に寄り添うような小さな赤い月だ。
2つ目は空だ、雲ではない何かが波のように揺れている。オーロラのように色が変わることもあるがオーロラとは違う。なんというかプールの底から水面を見上げたような感覚で色が変わり神秘的だ。
空を見上げているとシシリーが空を見上げてる俺に気づいた。
「イツキさん!?ダメです!」
シシリーが突然俺の胸ぐらを掴んで下に引っ張られる。
「うおっ!」
突然のことでバランスを崩され情けない声をあげてシシリーにぶつかる。
「あっ!すみませんイツキさん。」
俺はシシリーの胸に頭を埋めて匂いを嗅いでしまった。なんか甘いような匂いがする。故意ではない、事故である。呼吸のため仕方なかったのだ。そして、そっと離れてシシリーに謝罪する。
「ごめんシシリー。でも突然どうしたの?」
俺は先程のラッキースケベに夢中で引っ張られた原因などわからなかった。何か悪いことをしてしまったのだろうか?
「空を見上げてる様子でしたのでひょっとして星の波を見ていたのかと思い引っ張ってしまいました。」
シシリーが気になることを言った。星の波?このキラキラの波がそれなのか?
「星の波?これ、見ちゃ不味いの?あんなに綺麗なのになぁ。」
それにしても綺麗だもっと見ていたい。なんだか吸い込まれそうな魅力がある。
「見ちゃダメです。ほらこっち見てください。」
またしても胸ぐらを捕まれて引っ張られ胸元に顔を埋めてしまった。これ星の波を見てればずっとこのままでいられるんじゃね?
「きゃあ!?またやっちゃった。」
シシリーが慌てて俺を胸元から突き離す。もっとゆっくりしてたかった、残念。
「あー、えーとなんかあの星の波はなんかずっと見ていたくなるけどなんでなんだろう?綺麗なものを見ていたいって気になって目が離せなくなるんだよね。」
不思議な感覚だ。こう目が離せなくなるというか目を離す気がそもそもなくなるみたいな、ちょっと説明し辛い感覚だ。
「それ、すでに魅了されてますよ?原因はわかりませんが魅いられた人は星を見続けて放置してると星を追うように村や町から出ていって姿を消してしまうそうです。」
シシリーの発言で胆が冷えた。なにこれ、こんな綺麗な輝きしてるのにめっちゃ危ないもんだったのかよ。
「なのでなるべく見ないようにしてください。私は、まだ見たことないんですけどね。個人差があるみたいで、見える人と見えない人で別れるみたいなんです。」
なんか幽霊みたいなもんなのか?見える人の共通項を探したくなるな。
「俺は星の波よりも綺麗なシシリーを見ていたいな。」
ふざけて俺は臭い台詞を言ってみた。シシリーは顔を真っ赤にしている。効果は抜群だ!!
「ふざけないでください!ほら着きましたよ!」
顔を真っ赤にしたシシリーも可愛いなぁと思いつつお邪魔することにした。
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