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魔術師と法術師  作者: 柏木 冬霧
第1章 出会い
2/90

月ヶ瀬家の朝

本編スタートです。

あまりうまくまとまっていない感じがしますが・・・。

お見苦しい点もあるかと思いますが、ご容赦ください。

 東京都調布市某所

 7月1日 午前6時30分


 〈ピピピッ、ピピピッ……〉


 レモン色のカーテン越しに朝日が差し込み、新しい1日の到来を目覚まし時計のアラームと共に告げている。


「う~ん……」


 目覚まし時計をぺしぺしと叩きアラームを止めると、少女はむくっと上半身を起こした。

 寝ぼけまなこをゴシゴシと擦ると、「ふわっ」とあくびをしながらベッドから降りる。


 少女の名前は、月ヶ瀬沙希つきがせさき。高校1年生の16歳。

 背中の半ばまで伸ばした真っ直ぐな黒髪、二重のくりっとした目と右目の下にある小さな泣き黒子ぼくろが印象的な美少女だ。

 今どきの女子高生にしては、やや殺風景な8畳程の部屋をあちらこちらへせわしなく動き、学校の準備や身繕みづくろいをしていく。

 まだ真新しい夏の制服に身を包んだ沙希は、姿見に映った自分を見て、


「よし、完成」


 と、にこやかにほほ笑む。

 鞄を手に部屋を出ようとして、沙希は「あっ」と呟くとテーブルの上に置きっぱなしになっているスマホと、幾何学模様きかがくもようの刻まれた茶色のメダルを手に取って「忘れるところだった。」と苦笑いしながらスカートのポケットへ押し込んだ。


 2階の自室から階段を下りて行くとダイニングテーブルには朝食が並んでおり、沙希の父(月ヶ瀬耕一つきがせこういち)が朝刊を読んでいる。

 沙希の母(月ヶ瀬百合子つきがせゆりこ)は、キッチンで沙希と沙希2つ下の弟(月ヶ瀬瞬つきがせしゅん)のお弁当を詰めている所だ。


 沙希は、テーブルに着きながら


「お父さん、お母さん、おはよう。瞬は?」


 父と母にそう挨拶をすると父は、


「沙希、おはよう。いつものことだが、瞬はまだ起きてこないよ」


 と、新聞からいじわるそうな笑顔を見せた。そこへ母がお弁当を手に


「沙希、おはよう。お父さん、瞬のドタバタ姿が楽しいのはわかりますけど、いい加減起こしてきて下さいよ」


 と耕一をチラリとにらんだ。

 耕一が、「やれやれ……」と立ち上がったその時、


 〈ドドドドドッ〉


 階段を転げるように瞬が降りてきた。

 瞬は、自分を見つめる3人に向かって


「なんで起こしてくれないんだよ。朝練に間に合わない!」


 叫ぶように言うと、食卓の牛乳をがぶ飲みしパンを咥えながら


「いっふぇきまふ!」


 と、お弁当をつかみ玄関へ駆けて行った。

 瞬の通う中学校までは、自転車で10分ほどの距離だが現在7時25分なので、7時30分から始まるサッカー部の朝練にはおそらく間に合わない。

 嵐のように出て行った瞬の慌てっぷりを見て耕一は、


「今日も、凄い勢いだったな」


 と、嬉しそうに沙希に笑いかけた。

(これさえなければ、良いお父さんなんだけどなぁ……)

 心の中でそうささやくと、食べ終わった食器を片づけながら


「今日の放課後、支所に寄るから少し遅くなるね」


 と、父と母にそう言うと鞄とお弁当を持ち、玄関へ向かう。

 玄関まで見送りに来た耕一は、


「気を付けて行くんだよ。あまり遅くなるようなら連絡しなさい」


 と、沙希に声を掛ける。


「はーい。いってきまーす」


 と言うと、沙希は玄関を開け駅に向かって歩き始めた。

時間が空いたときに、投稿しますので不定期です。

宜しくお願い致します。


7/13 お母さんの名前、行間を修正しました。

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