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四月の月  春一つ (2篇)

作者: 武田道子
掲載日:2017/04/13

四月の月


冬の日の刺すような冷たい光は

いつの間にか失せていた

四月の月はどこか淋しそうな孤独な女の顔をしている

朧月に白い桜が浮き上がる


風に揺れ

何千何万の花びらが

鉄紺の空に吸い込まれていく

四月の月が呼んでいる


薄いヴェールをかむった白い月が

蒼い地球を見つめている

決して届くことがなく同じ距離を保ったまま

それでも強く引き合っている確信を持ちながら


** ** **


春一つ


白い月が

白い桜を浮かばせて

白い香りをはきだすと

それは春


優しい思いが胸に満ち

哀しい思いが胸を痛め

霞を食べておなかがいっぱいになると

それは春


東雲しののめ

白い月が消えていく

朝方の夢は淡雪のように

まぶたの裏で溶けていく


春一つ

手の平で転がしてみると

暖かな甘い

桜の香りがする


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