片想いから
前の携帯に残ってたやつです。
投稿してみました。
例えば、彼女と俺が両想いだったとする。
それはとても嬉しくて、毎日がキラキラと輝いて、些細なことに幸せを感じさせてくれるだろう──
*
でも、現実は甘くない。
俺は、彼女に片想い中で、彼女は好きなやつがいるらしい──
「はぁ……」
机に伏せる。
俺じゃ、ムリなのかな……
「おい! 何伏せてんの?! まだまだ今日は始まったばっかだぜ?!」
「うるせーなぁ、お前……」
机から顔を上げて、朝からうるさい水最を睨む。
「目付き悪いなあ、文月〜。どうした?」
「お前のせいだ」
「それだけじゃないだろ?」
「ぐ……」
痛いところを突いてくる。なんでこう、伝わってしまうのか……
「あ、もしかしてあれか。佐瀬の事か?」
ドキッ!
「別に……//」
「耳、赤いぞ」
「う……」
嘘つけねー……
「はぁ〜。そうだよ////それがなんだ──」
「好きならコクっちゃえばいいじゃん」
「なっ////?!」
平気な顔して何言ってんだ?! こいつ!!
「ムリに決まってんだろ?! 好きなやついるって言ってたし──」
「直接聞いたのか?」
「それは……」
聞いてない。話してたのを小耳に挟んだだけだ。
「なら、決めつけんなよ。まだまだチャンスはあるさ!!」
「人のことだと思って──」
「ピンチはチャンスってな!!」
「ピンチじゃねえか!!」
「あはは〜。ま、気持ちが大切さあね!!」
と水最は席に戻っていく。
ったく……そんなの──
「わかってるっつーの……//」
*
授業中も、休み時間も、佐瀬のことで頭がいっぱいになる。
風で揺れる黒い髪、友達と笑う顔、真剣に授業を受けている姿だって……全て──
大好きだ
でも、佐瀬には好きなやつがいて、きっと俺なんか眼中にない……
でも、想うだけなら──
*
「ねえ、今日告白するの?」
「えっ?! ムリだよ////恥ずかしいし、絶対断られるよ──」
女子たちの会話が聞こえてくる。
「佐瀬ちゃんなら大丈夫だって!!」
佐瀬が?! 思わず聞き耳を立てる。
「そうかな……//?」
ちらりと佐瀬を横目で見ると、頬がほんのり赤く染まっていた──
「頑張ってね!!」
「う、うん////!!」
終わった……
女子たちが、教室を出ていく。もちろん佐瀬も……
ツンと鼻の奥が痛む。視界もボヤけてくる。
──ポタポタッ……
机に雫が落ちる。
あれ……?
「ははっ……」
目元を擦る。
手の甲が濡れてテカっていた。
「っ……」
俺、こんなに涙脆かったっけ──?
ゴシゴシと手で拭う。
「っ……はあー……」
落ち着け、俺──
ふと、水最の言葉を思い出す──
『好きならコクっちゃえばいいじゃん──』
『ピンチはチャンスってな!!』
「はぁ―……だな」
俺は深呼吸して、教室から飛び出した──
断られてもいい──ただ、伝えるよ──
*
「佐瀬!!」
「?──文月君」
佐瀬が振り向く。
廊下には誰もいない。
聞こえるのは、自分の鼓動だけ──
「……佐瀬は、好きな人いるの?」
「えっ////?! 何? 急に──」
「俺は、佐瀬のことが────」
*
例えば、彼女と俺のどちらかが、片想いだとする。
でもそれは、自分次第で簡単に変えられるのだ──
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